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私のお家のお友達  作者: 七瀬莉葉


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第一話

いつものように家への道を辿っていく。ここの角を曲がればすぐに家がある。大きいわけでも、きれいなわけでもないが愛着のある家だ。

「ただいまー」

カバンを床に放り投げ、椅子に座った。

「やーっとお休みだ...学校長すぎ」

私は疲労していた。こんなときはゲームに限る。

1...2...3...4時間がたった頃、ようやく私は現実に帰ってきた。

「はっ...今何時?ってもう8時じゃん!やばいやばい」

我が家は母と私の母子家庭。家事は私の仕事だ。まあ親はほとんど帰ってこないからそこまで急がなくてもいいんだけどね。いつものようにテキパキと家事を終わらせながらなにか用があったか思いを馳せる。

そういえば母が宅配便が来るって言ってたかも?そんなことを考えているとチャイムが鳴った。

「おお...ぴったり。今行きまーす!」

少し駆け足でドアへ向かう。

「はーい。ってうわぁ...」

可愛い女の子だ。思わず声が漏れてしまった。というか宅配便じゃないの!?

「あのー...」

「は、はい!」

「助けてくれませんか?」

「はい?」

「お願い!私を匿って!!」

「ちょっと待って説明して!すがりついて泣くのやめて!!」

こんなアパートの玄関で騒がれたらたまったもんじゃない。クレーム入れられるのは私なんだぞ。

「お願いお願いお願いお願いお願いお願ーーーい!!!」

「わかった!一旦入れてあげるから止まって!」

「...ほんとに?」

急に落ち着いたな...まあいいけど...

「ほら、こっち」

「わーい!!ありがとう雪音ゆきの!」

「はいはい」


私たちはリビングに座っていた。

「どうぞ。紅茶」

「おおー!おいしそー!」

「あの...犯罪に巻き込まれたりしないよね?」

「しないよ!?私のことなんだと思ってるの!?」

「なんだとも何もないでしょ...初対面なんだから」

「ああそっか」

マジかこいつ。ほんとに大丈夫だよね?捕まったりしないよね?

「一体何から逃げてきたの?」

「いやー...秘密?」

「...ああそう」

なんかこう返ってくるのはわかってた気がする。うん。

「というか名前は?」

「えーっとね...うーん...琴音ことねってことにしといて」

「どゆこと?」

「私の名前は琴音です!それだけ!気にしないで!」

「はぁ...」

なんだこいつ。なんかソワソワしてるし...

「っていうかあんまり遅くなると親が心配するよ?」

「うーん...まあそうなんだけど...いや、でも...うーん」

「...もしかして帰りたくないの?」

「いや...あっ、うん!!そう!帰りたくないの!だから泊めてくれない?」

琴音が身を乗り出してきて、琴音の手がテーブルを叩く。近い。

「...他に行くところとか」

「ない!!」

「んな自信たっぷりに言うことでもないでしょうよ...」

「おねがーい」

この近さで上目遣いで詰められるとちょっとドキッとしちゃう。こいつ顔がいいな!?

「...数日だけならいいよ」

「まじ!?やったー!」

はぁ...絶対面倒事に巻き込まれてるよこれ。

「とりあえず!私は今から御飯作らなきゃいけないからそこら辺で時間潰してて!」

「はーい!」

聞き分けはいい...のか?まあいいか。私にはやらなきゃいけないことがいっぱいある。

こんな謎の少女に構ってる暇など数マイクロメートルもないのだ。

キッチンに立ち、野菜を切り始める。キッチンからは割と目線が通るから、料理中でも琴音が変なことをしてないか見ることができる。ってあれ?

「あいついないんだけど?」

「うぎゃあ!?」

ちょっと遠くから琴音の声が聞こえる。

「どうしたの!?」

声の方向へと向かう。方向はお風呂場だ。お風呂場の中を見ると目を回した琴音がいた。

「...転んでる」


それからしばらくして、琴音は目を覚ました。

「はっ!ここが黄泉...」

「私んちだよ!」

「えっ!?雪音まで死んじゃったの!!?」

「ちがわい!あんたが気絶したんだよ!風呂場で!」

「そういえばそうだったかも」

「そうでしかないんだよ!介抱って面倒なんだから変なことしないで!」

「ごめん!手伝おうと思っただけなの!」

「いいから!大人しくしてて!」

「...怒ってる?」

「怒ってない!!」

「...怒ってる」

「だから怒ってない!!」

「ごめーん雪音許してー!」

「ヤダ!」

「ひーん」


これが私と琴音の最初の出会い。ここから始まってしまうのであろう騒がしい日々を思い浮かべて私は少しため息が漏れた気がした。









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