可愛い女の子を誑かすだけのお話
自分で書いといてなんですが、私はこの話の三人がとても好きで、この三人の為に、この話をもうちょっといい感じにしてあげたいと、ちょいちょい読み返しては、ちょいちょい書き直しています。
あなたが読んだ時に、いい感じに仕上がっているといいのですが。
「簡単な話だ。誑かせばよい」
執務机に向かうオベール子爵家の若き当主フレデリックは、事も無げに言い放った。
「何言ってんだよ!おまえの妹だぞ!?それを誑かすとか、そんな気軽に!」
護衛騎士のジャックは悲痛な叫びを上げたのだが、フレデリックの貴族然とした冷たい美貌は、無表情に手元の書類に向けられたままで、護衛騎士の乱暴な言葉に、眉をひそめることもなかった。
護衛騎士ジャックはフレデリックの乳母の息子で、同い年で、幼馴染なのだ。二人きりの時には、昔のままの付き合いだった。
「気軽に言っているわけではない。ジャック。君は、北方騎士団の入団テストに受かったのだろう?」
「受かったよ」
「では、我が子爵家の護衛騎士をやめて、北方騎士団に入団するのだろう?」
冷たく言い放つフレデリックを、ジャックは睨みつけた。
「おまえが、勝手に入団テストに申し込んだんだぞ!それで俺はテストを受けなきゃいけなくなったんだ!俺は別に、北方騎士団なんかに入りたくない!そりゃ、あそこの騎士団は最強で、騎士なら一度は憧れるし、入団試験だって難しいっていう噂だったから、一回受けてみたかったけど、でも、まさか受かるなんて思ってなかったし、それに、俺は、子供の頃から、ずっとここでいたし、おまえの事だって守っていくつもりだったし、だから、俺は、ここで、このままずっと」
そこでやっとフレデリックは書類から目を離し、執務机の向こう側に立つ幼馴染の、騎士服のよく似合う鍛え上げた体と、日に焼けた精悍な顔付きを、ひどく馬鹿にしたように見て言ったのだ。
「それで?おまえは、このままずっと、ただの護衛騎士として我が家に仕えて、そのうち我が妹が、どこかの貴族の所へ嫁に行かされるのも見守るつもりだったのか?」
「・・・そんなひどい事、言うなよ。俺は平民で、アーシャは貴族だ。どうしようもないじゃないか」
ジャックは悲しげに肩を落とした。
大きな体をした子犬のようなジャックに、フレデリックは冷たく言い放った。
「その身分差をどうにかする為の、北方騎士団だ。さっさと我が妹を誑かせ」
「でも、フレデリック!」
でもでもと、子犬のように目を潤ませたジャックに、フレデリックは大きなため息をついた。
「ともかく急げ。北方騎士団の守る北の砦は遠い。出発までに、我が妹を誑かせ。出発はいつだ?」
「明日の朝だ」
気まずそうに目を逸らして言われた言葉に、フレデリックは流石に驚きで目を見開いた。
「・・・今すぐここから出ていけ。そして真っ直ぐアーシャの部屋へ行け。さっさと我が妹を誑かしてこい。計画が早くなっただけだ。明日までに結婚すればよい」
「そんなの無理だよ!それに、アーシャは俺の事をなんとも思ってない!」
そこが一番の問題だった。
子供の頃からジャックが恋するアーシャは、ジャックに恋していなかった。
「だから誑かしてこいと言ってる。おまえ達が思い合っているなら、そんな事は言わない。おまえがアーシャになんとも思われてないから言ってるんだ」
ジャックはしょんぼりとうつむいた。
「友達なのに酷い事を言う。おまえはいつだって冷たいよ。これで最後かもしれないのに」
「最後かもしれないから言っている。行け。行って、誑かせ。難しく考えるな。隣に座って話をしてみろ」
これだけ言ってもまだ、「でも。でも」と言い続ける大きな体に、フレデリックは何度目かの冷たいため息をついた。
「では、運命と賭けをしてみろ」
「運命?」
思ってもいなかった言葉に、ジャックは明るい緑色の瞳を大きく開いた。
「明日の朝、旅立つ事を、まだアーシャに言っていないのだろう?」
「ああ。まあ、急に決まったから」
「今から屋敷を出て、この町の中で、おまえだけの特別な場所へ行け。なるべく分かり辛い場所がいい」
「なんで、そんな・・」
「私はおまえが行った後、アーシャにおまえが旅立つ事を伝えよう。アーシャは怒っておまえを探しに行くだろう。アーシャが上手くおまえを探せ出せたならば、それは運命だ。そう思わないか?その時は迷わずアーシャを誑かせ。誑かして連れて行け。これが最後の機会だ。分かっているのだろう?」
「・・・分かったよ」
とぼとぼと歩くジャックが扉に手をかけた時、不意にフレデリックが声をかけた。
「ジャック。最後に教えてくれ。おまえは、どこに行くつもりだ?もちろんアーシャには言うつもりはないが、私もおまえの友人だ。おまえが選んだ場所が何処なのか知りたい」
フレデリックに友人だと言われたのは、初めてだった。
嬉しくなったジャックは、くしゃり、とした笑顔を浮かべた。
「そうか!友達だもんな!おまえには教えておこう!ええと。ほら。子供の頃、おまえやアーシャとよく遊びに行った町外れの、あの草原の」
「ああ、あそこか」
「そうだ。あそこで、昔の楽しかった事を思い出して、明日の朝、ひとり、旅立つよ・・・」
☆
ジャックが部屋を出てしばらく後、フレデリックはアーシャの部屋を訪ねた。
「お兄様が私の部屋に来るなんて!初めてじゃない?何かとんでもない事が起こったのかしら?」
十七歳のアーシャは部屋着用の緩やかなドレスを着て、兄によく似た美しい顔に、兄に全く似ていない明るい笑顔を浮かべていた。
そして、ジャックが明日旅立つと聞き、激怒したのだ。
「明日の朝に旅立つですって!?どうしてジャックは私に教えてくれなかったの!?子供の頃からずっと一緒なのに」
「さあな?本人に聞いてみればよいのではないか?」
フレデリックは無表情に言ったのだ。
「そうね!そうするわ!ジャックは何処にいるの!?」
「さあ?屋敷の中にはいないようだが」
「それなら屋敷の外にいるのね。でも何処にいるのかしら」
「さあな?おまえならこんな時に何処へ行く?」
「私、なら、そうね。思い出の場所、かしら?」
「ジャックとの思い出の場所は何処だ?」
「・・・この屋敷だわ。ジャックとは、いつも屋敷で会うもの」
「他には?子供の頃はどうだ?」
「子供の頃・・・。あの草原かしら?昔、よく遊んだ」
「なるほど。あの草原か」
深く頷くフレデリックを見ると、途端にアーシャは勢いづいた。
「きっと、あそこよ!ジャックが行きそうな場所だもの。爺や!馬を出してちょうだい!」
駆け出していくアーシャを見送る事もなく、フレデリックは執務室へと戻りながら呟いた。
「まったく。世話が焼ける・・・」
☆
そしてアーシャは真っ直ぐ、町外れの草原まで馬を走らせたのだ。
「ジャック!」
草むらの中で寝転んでいたジャックが、驚いて上体を起こした。
「アーシャ。そんな・・・。運命?」
アーシャは馬を降り、ジャックの元へ駆け寄った。
「さっき、お兄様に聞いたんだから!明日旅立つなんて!どうして教えてくれなかったのよ!」
少し呆然として彼女を見ていたジャックは、夢から覚めたような瞬きをした。
それから、嬉しそうに笑ったのだ。
「ねえ!私がこんなに怒ってるのに、どうして笑ってるのよ!」
「ふふふ。ごめん。アーシャ。まさか君が来てくれると思わなかったから、嬉しくて。よくここが分かったね」
アーシャは、つんと顎を上げ、大袈裟に腕を組んでジャックを見下ろした。
「私を舐めないでちょうだい。ジャックがいる場所なんて、すぐ分かるんだから」
「・・・フレデリックに聞いてきた?」
「お兄様になんか聞いてないわ。私が思いついたのよ。きっとジャックはここにいるって。屋敷から真っ直ぐここに来たのよ。そうしたら、やっぱりジャックがここにいたわ」
アーシャは得意げに言ったのだ。
嘘はついてない。フレデリックは何も教えてくれなかったのだから。
「そう、か」
ジャックは喜びと、苦悩で顔を歪めた。
運命がそう決めたのならば、これからアーシャを誑かさなくてはいけないのだ。
でも、自分に出来るだろうか。
ジャックは、うつむき、目を固く閉じた。
そして決意した顔を上げ、アーシャを真っ直ぐ見つめたのだ。
「な、何よ」
アーシャは、少し体を引いた。
「なんでもないよ。それより、屋敷から馬を走らせてアーシャも疲れただろ。隣に座りなよ。少し話をしよう。さあ。こっちにおいで」
ジャックは草の上に座り込んだまま、目の前に立つアーシャに向かって手を差し出した。
アーシャは戸惑ったようにその手を見つめた。
子供の頃には、よく手を繋いで走り回っていた。
今も、馬車を降りる時にアーシャに手を差し伸べてくれる時がある。
でも、そんな時はお互いにツンと澄ました顔をして行うのだ。
大人になったジャックが、こんな風に寛いだ姿で笑いながら手を差し出してくれた事など一度もなかった。
日に焼けた逞しい顔の中で、明るい緑色をした瞳が、優しくアーシャを見上げていた。
「さあ、アーシャ」
促され、落ち着かない気持ちで、おずおずと、ジャックの手の平に自分の手を乗せてみると、自分の手が驚くほど白く、華奢に見えて、また落ち着かない気持ちになった。
ジャックの日に焼けた無骨な指がアーシャの手をそっと握った。
「さあ、隣に座って」
アーシャは、優しく手を引かれ、ジャックの隣に腰を下ろした。
ジャックの手が離された時、何故か少し寂しいような気持ちになった。
いつもと違う。
何か落ち着かない。
ジャックの顔を、チラリと見上げると、思ったよりも近くに逞しい肩があり、優しく自分を見下ろすジャックの顔があり、アーシャは慌てて視線を前に向けたのだ。
「少し、近すぎない?」
「そうかな?」
ジャックの声は優しかった。
「近すぎるわ・・・」
「・・・これで最後だから。君の近くにいたいんだ」
思ってもいなかった事を言われ、アーシャの心臓の鼓動は速くなっていった。
ジャックは急に何を言い出したのだろう。
護衛騎士になってからのジャックは、アーシャから少し距離を取るようになっていた。それが大人の距離なだと、アーシャは受け入れていた。
護衛騎士になってからのジャックは、アーシャを見下ろす時も、いつも戸惑ったような目をしていた。でも、いつも優しくて、大切そうに守ってくれた。
何をしても、何を言っても許してくれる護衛騎士。幼馴染で、兄の友達。
それがアーシャにとってのジャックだったのに。
それが・・・。
☆
「どうだ?我が妹は、簡単だっただろう?」
執務室に一人飛び込んで来たジャックの顔を見るなり、フレデリックは冷たく言った。
ジャックはそんな言葉は無視して、フレデリックに駆け寄り、固く固く抱きしめたのだ。
背の高さも、筋肉量も、ジャックの方がはるかに上だった。
「離せ。痛い」
フレデリックは冷たく言ったが、ジャックは一層強く抱きしめた。
そして噛み締めるように言ったのだ。
「俺、頑張った」
「ああ。分かったから離せ」
「まさかこんなに早く妻になる決心をしてくれるとは思わなかった」
「あいつは昔から判断が早い。あと、離せ」
「今日からお兄様と呼ばせてください」
「やめろ。二度と呼ぶな」
「でも、今日からおまえは俺のお兄様だ」
「せめて兄上と呼べ。離せ」
「兄上!」
「ああ、やはり兄上も嫌だな。ともかく離せ。私を締め殺したいなら別だが、おまえは、まだ私にやって欲しい事があるはずだ」
ジャックは驚いたようにフレデリックを離した。
「これ以上、何が?」
フレデリックは水色の冷たい視線をジャックに向けた。
「父上と母上の説得が残っているだろう」
「ああ!」
ジャックは絶望で崩れ落ちた。
「絶対に反対される!」
「叫ぶな。立て。グズグズするな。あの二人を説得するなど、アーシャを誑かすより簡単だが、時間がない。行くぞ」
☆
「何を馬鹿な!ジャックなどと!平民だぞ!アーシャは伯爵家に嫁がせるのだ!既に話は進めている。おまえも子爵から伯爵への陞爵を狙っているのだろう。それなら、この婚姻は絶対に必要だ!」
「そうよ!必要よ!」
ジャックに向かって怒り狂う両親に、フレデリックは冷たく言った。
「心配なさらなくても、既に王家より、伯爵への陞爵の話は来ています」
「本当か?」「本当なの?」
驚く両親に、フレデリックは冷たく言った。
「本当です。当然の結果です。私へと代替わりしてから、領地の収穫がどれほど上ったかご存知でしょう?他国との商売も順調です。王宮の城壁も修繕して差し上げた。議会での発言も評価されている。王家の作った北方騎士団へもジャックという優秀な騎士を出した。これ以上、何が必要なのですか?」
「確かにそうだが」
「で、でも、それならば尚更、相応しい爵位のある家と縁を繋げた方が良いのではないの?」
まだ煩く言い募る両親をソファーに座らせたフレデリックは、こう囁き続けたのだ。
「では簡単な実験をしてみましょう。さあ、目を閉じて、想像してみてください。伯爵家に嫁いだアーシャが立派な屋敷の中を歩いています。さて、アーシャの歩き方は淑やかですか?ドレスはどうですか?アーシャが毎日、伯爵夫人らしい堅苦しいドレスを着ると思いますか?」
「いや、しかし!」
「アーシャだって、嫁ぎ先ではそんな無茶はしないはずだわ!」
「まだですよ。目を閉じて。想像して。さて、伯爵家は暇ですね。暇な時、アーシャは何をしますか?狩りかな?乗馬かな?しかし、乗馬服に着替えるなんて面倒な事をするかな」
「やめてくれ」「いやあ!」
「まだ終わっていませんよ。さあ想像して。お茶会が開かれます。アーシャは」
「やめてくれ!」「もうやめて!」
たっぷりとこれをやった後、フレデリックは冷たく言ったのだ。
「夢を見るのはやめなさい。現実を見るのです。伯爵家に嫁いだアーシャは確実に問題を起こす」
「しかし、平民などと」「そうよ」
「ご安心なさい」
フレデリックは冷たく両親を見つめた。
「北方騎士団は王家のものだ。五年間、北の砦を守り、なおかつ目立った武功を上げた者には一代限りのものではありますが、男爵位が贈られています。ジャックは有能だ。きっと爵位を手に入れるでしょう」
「そうなのか?」「本当に?」
「本当ですよ。ですからアーシャの嫁ぎ先は未来の男爵です。それでいいではありませんか」
⭐︎
「お兄様!」
間に合わせの白いドレスを着て、間に合わせのベールを被り、屋敷の隅にある小さな教会でジャックとアーシャは式を終えた。
その後は、幾つもの書類にサインをして、慌ただしい旅立ちの準備だ。
その忙しい合間に、アーシャは兄の執務室へ飛び込んできた。
アーシャは頬を薔薇色に染め、幸せに輝いていた。
フレデリックは冷たいため息をつくと、椅子から立ち上がった。
「おまえ達夫婦の行動は、よく似ている。次は私に抱きつくつもりなんだろう?」
広げられた両手の間に、アーシャは勢いよく飛び込んでいった。
「お兄様。ありがとう!」
「何の事だ?」
「お父様とお母様を説得してくれたのでしょう?」
「あれはどちらかと言えば、おまえの功績の結果だな」
フレデリックはそっと、アーシャの背中に手を回した。
「次に会えるのは、何年後かしら。五年は帰れないのでしょう?」
「ジャックは帰れないかもしれないが、妻の里帰りは禁じられていないはずだ」
「そうなの?」
アーシャは驚いたように顔を上げた。
「ああ。砦についたら聞いてみろ。私が調べた限りではそうだ」
「良かった。お兄様と、しばらく会えないかもしれないと思って、寂しかったの」
いつの間にかアーシャの目に溜まっていた涙を、フレデリックは冷たい表情のまま指先で拭き取った。
「私と会えないのが、泣くほど寂しい事なのか?」
「寂しいわ!」
勢いよく叫ばれた。
「・・・そうか」
「でも、不思議だわ。今朝、起きた時には、ジャックの事なんて、何とも思っていなかったのに、夜には妻になってるなんて」
「その決断の速さが、おまえの、おまえたる所以だ」
「ふふふ。お兄様はいつも難しく言うのね」
「おまえはいつだって、簡単だよ」
「褒められているのかしら?」
「もちろん、褒めているんだ」
フレデリックは妹の肩に手を置き、そっと引き離そうとした。
「さあ、まだ旅立ちの準備が終わってないのだろう。行け。そしてさっさと北の砦にジャックと行け。勝手に幸せになってこい」
アーシャは抵抗するように、兄の胸に額を強く擦りつけ、更に強く抱きついた。
「何をしている?子供みたいに」
「ふふふ。お兄様に呪いをかけたのよ」
「呪い?」
フレデリックが訝しげに眉間に皺を寄せると、アーシャは笑いながら離れていった。
「寂しくなったら、目を閉じて、私を思い出す呪いよ。それから北の砦で幸せに暮らす私たちの姿を思い浮かべる呪いなの」
「・・・北の砦は魔物との戦いの地だ。それほど幸せには暮らせないかもしれないぞ」
フレデリックも調べるだけ調べてみた結果、砦の中ならば危険はないと判断したのだ。
王家が所有する砦なのだ。
小さな町のようで意外と快適らしい。
しかし、魔の森の近くなのだ。
やはり心配はあった。
「大丈夫よ。砦は頑丈だし、北方騎士団は最強なのよ。旦那様も強いし、私も戦えるわ。知ってるでしょ」
「確かにそうだな」
アーシャは笑い声を上げながら、騒々しく部屋を出ていった。
フレデリックは椅子に戻り、また仕事の続きをしようとしたが、何故かそんな気にならなくなっていた。
部屋の中を見渡せば、ここは、ひどく、しんとしている気がした。
親友と妹が、明日には行ってしまう。
騒々しい足音がこの部屋に突撃してくることも、もうなくなる。
あの二人がいなくなれば、フレデリックの人生は静かに快適になるだろうと思っていた。
それなのに今、この部屋の静かさに、胸がチリチリと痛むのは何故だろう。
戸惑いながら先ほど妹に額を擦り付けられた場所を見下ろすと、しんとした部屋の中、そこだけが温かい気がした。
フレデリックは諦めたようなため息をつくと、目を閉じ、呪いに身を任せた。