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8回目の転生

作者: 六野みさお

「久しぶりだな、サルマ。かれこれ60年ぶりになるか」


「だから私を本名で呼ぶなと言っているだろう。神様と呼べ、神様と。……しかし、今回はお前、なかなか早かったな」


「しょうがないさ。今回の星は、まだあまり医学が発達していなかったからな。60歳は十分長生きした方だろ。……ところで神様、今回も転生させてくれるんだよな?」


「そういうことになるな。お前は今回もそれに匹敵する実績がある。なんといっても、ゼロから国を興して、30以上の国を征服したからな」


「まあな。とはいっても、これは転生者特有のチートのおかげでもあるけどな。あの星ではまだ戦術というものがあまり定まっていなかったから、戦争では楽に無双できたぞ。内政も奴隷制を廃止しただけで名君扱いにされた。これまでの星の中で、一番余裕だったかもな」


「そう言うと思っていたぞ。しかし、お前が軍人職をやるのは、実に3回目だからな。たまには他の職もやった方がいいぞ」


「いやいや、前回は野球選手をやっただろ。……40歳で死んでしまったのは誤算だったけどな。現役で活躍して、監督でも実績を挙げて、ナショナル・チームを世界大会で優勝させたんだが……」


「その帰りに飛行機事故で死んだのだったな。まあ、あれは運が悪いというしかないな。というか、それでも転生できるほどの実績をためたのはもう意味不明だな」


「ギリギリだったけどな。でも今回は余裕だろ。……ところで、次はどこに転生することになってるんだ?」


「ああ、ここだ。……覚えてるか?」


「むむ……あっ、思い出したぞ。最初に転生した星だ。懐かしいなあ。確かあの星では、政府の重臣にまで出世したんだったな。そうだ、そのときの俺の国は、まだあるのか?」


「まだあるようだよ。今も強国のひとつだな。……しかし、今回の転生先はお前の母国ではないぞ。一応強国のひとつではあるが、少し前に戦争で負けてから、調子が悪くなっているな」


「しょうがないさ。転生先はランダムなんだろ、二回目の星に行けるだけ運がいいよ。……ところで神様、前回の転生のときに、俺に宿題を出してたよな。『星と星は、やろうと思えば行き来できる』だったはずだ」


「ああ、そうだったな。その言葉の意味は考えてきたか?」


「もちろんだ。俺を何百年生きてると思ってんだよ――それに、野球選手の回で実はちらっと聞いていたしな。つまり、『星と星の間はつながっていないように見えるが、実はめちゃくちゃ遠い距離にあるだけで、やろうと思えば行き来できる』、これが答えだろ?」


「やるな、正解だ。まあ、この事実に気づいているのは、まだ十の星にも満たないがな。もちろん実際に行き来しているのはないぞ」


「もうすぐ実現するかもしれないけどな。……俺ももっと転生を続ければ、それが見られるかもな」


「ははは、まあ、まずは次の人生を頑張ることだな。言っておくが、今のところ、あの星は激戦区だぞ。すごい才能がゴロゴロいる――転生者の数も多いな。まあ、全員二周目だがな。まったく、なんでお前は八回もやれるんだよ。つくづく意味がわからん」


「さあ、なんでだろうな。とにかく、うまく転生できるように出世するよ。じゃあまた数十年後にな、サルマ」


「だから神様と呼べと言ってるだろう――あれ、もういないな。……ふう、次の転生者が来るまで暇だな。といっても、あいつは転生常連だから、転生のシステムを一から説明しなくてよくて楽なんだけどな。……それにしても、今回もすぐ行っちゃったな。そういう説明の時間も省けるし、もう少し長くいてもいいのに……」

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公、数をこなしているだけあって、歴戦の強者感が出ていますね。ちょっと寂しそうにする神様が可愛いです。
[良い点] 八回目転生する前の神様と会う場所での出来事なんですね~。 八回やってればそうとうなれたものですね。
[一言] 和む会話でした! 転生先のことが頼もしく感じますね♪
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