プロローグ
「…わくわくするほどきまってるぜ」私は佐藤 風夏おれはかまきりを音読し終えるとクラスのみんなからパチパチと拍手が沸き上がる。良かった上手く読めたみたいだ。
「佐藤さん音読上手だね。家でしっかり練習してきたんだね。」と笑顔で褒めてくれるのは担任の潮崎 遥先生だ、先生は生徒の相談をしっかり聞いてくれるので人気な先生だ。しっかり宿題を毎日した甲斐があった。
国語の授業は順調に終わり、帰りの時間になった。
「車に気を付けて帰りましょう。さようなら。」先生がそう挨拶すると、クラスメメイトがパラパラと昇降口に向かっていく。昇降口に向かうと先に帰ってるはずの低学年の子が不思議そうな顔をしている。気にせず上履きを靴に履き替え校門に向かうと不思議そうな顔をしていた理由が分かった。校門まではいつもと変わらないが、校門より外が見たことない景色になっているのだ。いつもは普通の住宅街なのだが、今では森に囲まれて目の前が1面緑の光景が広がっている。
しばらく驚き放心していると、ピンポンパンポーンと校内放送が流れてくる。
「どーも、この世界の神です。時間が無いので端的に説明しますが。こちらのミスによって、地球からこの学校ごと皆さんを転移させてしまいました。特に使命等は無いので、自由に生きてください。ミスの処理としてあなた達のこの世界でのポテンシャルを高めました。加えて、本当なら神殿でしなければいけない転職を今すぐできるようにします。また体育館のステージに転職ための水晶を置いときますので、どうぞご利用ください。皆様のご活躍を期待しております。」
男性とも女性とも取れない無機質な声でそう告げると。目の前にモニターのようなものが浮かんできた。それには、どれに転職するか念じてくださいという文字と共に双剣術士・火魔術師・風魔術師など職業と思われる文字が書いてあった。ファンタジーの世界に来てしまったのだろうか。アニメや映画のように身軽にかけめぐれるのだろうか。ワクワクしながら双剣術士と念じた。すると、体が光に包まれ、その光が収まると身体が軽く感じられ両手に剣が握られていた。
その剣は、刃先がかなり鋭く間違いがあったら怪我をしかねないと感じた。
兎も角、このまま校門の外に行くわけには行かないと思い。教室に戻ろうと昇降口に行くと、緑色の小人が3匹棍棒や短刀を構えていた。目が赤く頭には角が生えていて、醜いが辛うじて人型であるその生き物はこちらに向かって走り出してきた。