8話 日々の積み重ね
あの念願の魔法が使えるようになってから数ヶ月が経った。
まずは、魔法関連以外での報告として、俺は魔力を使わず、ハイハイどころか、1人歩きができるようになった。
まだ、家の中でしか歩き回ることはできないが、ベビーベットにいた時よりかは活動範囲が広がったので、今後は母の目をかいくぐって色々やろうと算段をつけているところだ。
ぐへへへへへ。
ちなみに、母と父はまだ1歳にもなってない息子が、もう1人歩きができるようになったと喜んでいた。
父なんかは、「ライトは流石俺の息子だ!俺にて健康で丈夫な男に育つんだぞ!」とずっとニヤニヤしていて、死ぬほどやかましかった。
そのやかましさと言ったら、テスト期間中の休憩中に漫画やゲームをやっていてある程度一段落して、さてそろそろ勉強しようかな〜と思ったときに「あんたまた、漫画やゲームばっかりして!そろそろ勉強しなさい!!」と母に言われたときくらいのやかましさだった。
でも、母はそんな父を見て「ふふふ。もう〜あなたったら〜見た目に似合わず親バカなんだから〜。でも、そんなあなたが好きよ。」と父に言っていた。
「ありがとう!俺もアウラのことが好き、いや大好きだ。これは確信を持って言えるが、アウラ、お前より素敵な女性はこの世にいない。この世に生まれきてくれてありがとう。一生大事にする。」と恥ずかしげもなく大真面目に言い切っていた。
俺は思わず父を2度見、いや5度見した。こんないかにも山賊の頭ですみたいな風貌の大男がなぜこんな甘いことを言える!?聞き間違いじゃないかと思わず頬を強めにつねってしまった。頬はしっかり痛かった。夢ではなかった。これほど夢であってほしかったことはなかった。
しかも、そんなことを言われた母も「アーサーあなたこそ生まれてきてくれてありがとう。あなた以上に素敵な人はいない。これからも一生一緒にいようね。」と頬を赤く染め照れながら言っていた。
俺の頭の中には某コンビ芸人の昔一世を風靡した「あまーーーーーい!あますぎるよ、小沢さん!」というワードが頭の中を木霊していた。
余談だが、あまりの言葉の甘さに3日ほど胸焼けがしていた。ほんとに三日間食欲が減少し、1日3食しか食べれなかった。
たく、このリア充夫婦め!爆発し・・・ま、まて!くっ落ち着け、俺の右目!!
ふぅ〜。危ない危ない俺の邪気眼が一度燃えたら対象物が燃えつきるまで消えない黒い炎で燃やし尽くすところだった。
まあ、そんな危険な邪気眼は実際に俺にはないがな。あったら、実際に発動させていたところだ。
俺は危なく両親を殺めるところだったよ。俺にそんなもんがなくてよかったな両親よ。
脱線しすぎていたな。すまん、すまん。時を戻そう!
魔法だが、毎日魔呼吸と魔循環していたことにより、すこし成長した。
なお、魔呼吸を行うにあたりまだかなりの集中力が必要だ。また、成長による魔力の増加か魔呼吸による体内にある魔力を蓄える器が拡張されたのかはわからないが、体内に蓄えられる魔力が増えたことだけは確かだ。
そのおかげで、ウォーターボールを3回作り出そうとしただけで気絶していたのが、今では10回まではウォーターボールを発動させることができた。ちなみに以前水球と言っていたが、ファンタジー感がゼロすぎて、萎えたので、そのまんまウォーターボールと呼ぶことにした。
だがしかし、ウォーターボールがいかんせん前に飛ばせん。なぜじゃ!?Why Japanese people!?朝の口は雑菌だらけでうんこより汚いヨーーー!寝起きのチューはうんことうんこのぶつかりあいダヨー。
はっ!!なにかに意識をうばわれていたようだ。しっかりしろ俺。
ちなみに、魔循環もすこし成長し、体内で魔力を循環させるスピードや一箇所に集めるスピードもカタツムリの歩くスピードから、通信制限がかかっている携帯でウエブページを開こうとしているときくらいは早くなった。
また、魔力総量が増加したことにより、魔力が体内で満ちていれば、かなり身体能力があがり、まだ1歳にもなっていないのに、走ったりジャンプできるようになった。
魔力ちゅごい。普通走れたり、ジャンプできるようになる年齢は2歳ころになるはずだ。魔力はほんと偉大だ。
まだまだ修行不足のため、今後はこれからも続けていこうと心に誓ったのだ。