7話 目覚め
んん〜。はっ!!
やっぱり意識を失ってたか。
魔法を発動したのはお昼後だったけど、外を見る限りもう日が落ちているな。
ということは、大体5〜6時間位経っているのか。
結構な時間気を失っていたな。
あっ!寝る前に濡れてたおむつが新しいおむつに取り替えられている!
母が取り替えてくれたんだなきっと。母すまぬ。そして、ありがとう。
そういえば、今気づいたが、気を失う前にあった体の怠さが軽くなっているな。
でも、まだ体が少しだるいな。
これは、魔力を使いすぎると気を失って、最低限回復するまでは目を起こさないってことだなきっと。
ふぅ〜すこし体がだるいからまた、空気中にある魔力を身体に取り込むとするか。
とりあえず、この空気中にある魔力を身体に取り込む方法を、「魔呼吸」と名付けよう。
おい!そこのお前!!そのまんま東かよと思ったそこのお前だよ。
俺にネーミングセンスがないことがわかったな。
だから、今後俺が名付けたネーミングにケチをつけるなよ。
俺の心はプレパラートの上に置くカバーガラスのように割れやすくて繊細なんだ。
もし言ったらどうなるかわかるよな。すごいことになるぞ。
心に消えない傷を追うことになるぞ。俺が!!
いじめダメ絶対。
さてさて、気を取り直していくとするか。
目を瞑って集中して、魔呼吸をしてと。
すうぅぅーはあぁぁー。
すうぅぅーはあぁぁー。
・・・・・・・・・・。
よし、少しずつ丹田のあたりがじんわりと温かくなってきたな。
この丹田にあたりに集まった魔力を身体の隅々までに行き渡らせるように、魔力が酸素と共に血中を流れるイメージで魔力を動かしてと。
これは、血液が身体を循環するように魔力を循環させるから、「魔循環」と名付けよう。
・・・・・・・・・。
なにも聞こえない。そして聞きたくもない。
さて、今は魔呼吸と魔循環を別々に行っているから今度は一緒にやってみるか。
すうぅぅーはあぁぁー。
・・・・・・・・・。
う〜ん難しいな。
例えるなら、右利きの人が左手も同時にスラスラ文字を書くような難しさがあるな。
絶対できないってわけじゃなさそうだから、今後の研鑽次第って感じだな。
それにしても、魔呼吸しながら魔循環を同時にやるのは難しいな。
「帰ったぞー!。アウラー、おなかぺこぺこすぎて俺は餓死しそうだ。」
「ふふふ。あなたおかえりなさい。今日もお疲れ様。もうすぐご飯できるから、すこし待っててー。」
「おう!じゃあ、俺の愛しい息子のライトの様子でも見るとするか!」
「はーい、ライトくん〜パパでちゅよー!ライトくん寂しかったでちゅか〜。ベロベロバー。」
「あなた!ライトに触る前にちゃんと手を洗ってきて!!」
「おう、すまん、すまん。ちょっと手を洗ってくるから行儀よく待ってるんでちゅよ〜ライトくん。」
「ばぶぅー。」(はいはい、わかったよ。)
「もうあなたったら。ライトの前では幼児化しちゃうんだから〜。」
とりあえず、続きはご飯を食べ終わった後だな。
ふうぅ〜〜飲んだ飲んだ。お腹いっぱい。略しておなぱい。
決しておっぱいとおなかいっぱいをかけてるわけじゃないからな。
深く考えるな感じろ。
もう眠いな、でも魔呼吸と魔循環をやっておかないとな。
こういうのは毎日の積み重ねが大事っていうしな。
でも、水球はやめておくか、おむつびちょびちょはしんどいし、毎回取り替えてくれる母に申し訳ない。
今度は、危ないけど、ろうそくの火をイメージしてずっと右手の指先から、出し続けて維持しよう。
すうぅぅーはあぁぁー。
・・・・・・・・・・。
よし!!右手の指先から、ろうそくサイズの火が出たぞ!
これは水球と違って、体中の魔力がどんどん指先を通じて消費されていくぞ!
・・・・・・・・・・。
ダメだ・・1分も保たない・・。
すごい・・・勢いで・・・魔力が・・・消費・・・されていく。
もう・・目が・・開けて・・られない。