10才の誕生日と啓示
リズメリアは、あれから3日間寝込んでしまっていた。両親が心配しながら毎日見守って過ごしているなか。
「う、ん、」とリズメリアが声を漏らした。
「リズ」とお母様の声が聞こえる、と思い瞼を、開けようとしてるけど、中々重く開きにくいと思いながらも、やっと目を開けることが出来たが、
「リズメリア、無理して起きなくていいよ」
とお父様の声に、起き上がろうとしても、
体が動かなかったので、諦めることにした。
「おと、うさま、わ、わたし、どうし、たの」
とかすれた声を出したら、お母様が、
「まずはお水をのみましょうね、今はゆっくり休みなさい。」
と優しく囁きながら、お水を飲ませてくれて、髪を撫でられながら、また、睡魔が襲ってきて瞼を閉じた。
「取り敢えず、目覚めてくれて、良かったわ」
「そうだな!まずは体力を取り戻させないとな。」
両親の心からの安堵が伝わってくる、2人の両親は、次にリズメリアがいつ目覚めてもいいように、メイドのサリーに、体に優しいものを作っておいてと、お願いをした。
それから、リズメリアは次の日の朝にちゃんと目が覚めて体も起こせるぐらいにまで、なっていたので、メイドのサリーが涙を浮かべて奥様ー、と慌ただしく呼びにいったのは、しょうがないことだと思う。
朝食も、少しすつ食べたので、両親はほっと一息ついて、リズメリアのベットの横に椅子を用意してもらい、少しお話しようかと言われて、
「はい」
と頷くと、笑顔で、頭を撫でられた。
「リズは、倒れた日のことを覚えているかな?」
とお父様に訪ねられ、
「うーんと、ほとんど、おぼえてないです。」
と答えると「そうか」とお父様に言われて、お母様が、
「ちょっと難しいお話だけどね、どうしても、伝えておきたいの」
と言われて、パーティーで起きたことを両親が伝えてくれた。
「わたちは、どこかおかしいの?」
と伝えると、お母様とお父様が
「そんなこと、あるわけない(わ)」
と2人がいってくれたので、ほっとした顔をすると、これから、やっていかなくてはいけないことを伝えられた。
「リズはこれから、お母様と一緒に魔力について、お勉強しましょう。」
「お母様と一緒?」
「ええ、そうよ、ゆっくり覚えて行きましょうね」
と微笑みながら、言われたので
笑顔で、「はい」と答えた。
それからは、お父様から護衛をつけなくては、いけなくたったことや、家庭教師は、元王宮魔術師だったお母様から学びなさいと、伝えられた。
私は、魔術が学べることで、ドキドキして、でも同時に魔力の制御がちゃんと出来るようになるのか不安に思っていると、
「大丈夫よ、無理なんてさせませんから。リズのペースで行きましょうね。」
と1日に数時間お母様と魔力について教えてもらいながら、自分の中にある、魔力を感じる所から始まった。
また、自分の回りに光る丸い光が見えることを、お母様に話すと、びっくりしていた。普通は妖精の光は見えないそうだ、など、色々新たな発見をしながら、お母様のテンションが上がっていっていた。
私の娘は天才だわと自画自賛しているぐらいに、リズはそれを聞いて苦笑していた。
そんな両親の愛情をたっぷり、受けながら数年が過ぎた。
リズは明日、10才の誕生日を迎えるのだ。
「ついにリズメリアも10才か」
「ええ、お父様、明日は儀式のため教会に行くのですよね?」
「うーん、実は教会に行こうか、悩んでいてな。」
「そうなんですか?教会に行かなくては行けないんですよね?」
「ああ、教会にいって、啓示を受けなくてはいけないんだか、リズメリアに何かあるかも知れないだろ。」
「まぁ、貴方ったらそんなこと、心配していたの?リズはもう、誰にも負けないぐらい魔力制御も出来るし、この年でもう召還も出来るのよ!」
と自慢をしていたの。
「お父様の、心配もわかりますが、私は啓示を受けたいですわ。」
とお父様に告げた。お父様は気まずそうに、そうだなと、明日をちゃんとお祝いしないとな、と言っていた。
私は明日を、楽しみにワクワクしながら、中々寝付けず、早くに目が覚めていたが、メイドたちもまだ寝てるだろうからと、本を読みながら朝を迎えた。
「おはようございます。リズメリア様」
「おはよう、アリア、サリー。」
楽しみで早く起きてしまったことを隠そうとしていたけどサリーには、ばれてしまっていた。
「ごめんなさい、でも、しょうがないでしょ」
と言い訳を言ってしまった私を2人は苦笑していたけど。
お部屋を出て、お父様、お母様、揃って朝食を頂いて、リズメリアたち親子揃って教会に向かうことになった。
久しぶりの外出と馬車に軽く興奮していると、お父様、お母様が笑っていた。
馬車から、外を眺めていると、白くて大きな建物が近くなってきた所で後ろから、お父様があれが、協会だよと、教えてくれた。
リズメリアは魔力の勉強のためほとんど、外に出る機会がなかったのだ。
教会の前についた時にはハイテンションになってしまったがしょうがないと思う。
教会の中に入ったら、神父様に案内されて、儀式の広間に通された。
そこには司教様や他の神父様などが揃っていた。儀式は一人ずつ行うものらしく、他の子供は、誰もいなかった。
私は中心にあるサークルに一人で向かい、サークルの中心で膝をつき、祈るように手を組んだ。
その瞬間、中りは光に包まれた。
(リズメリア、久しぶりね。)
と久しぶりに聴く優しい声に目を開けた。
そこには、ここに転生する前に出会った神がいた
「アーステア様!」
(フフ、元気そうで良かったわ。)
あれ、ここ、教会のはずなのに誰も居なくなってる。と思っていると。
(今貴方の精神だけこちらに呼んだのよ)
と告げられて、びっくりと、同時になぜ?と思っていると。
(リズメリアが啓示を受けられる年になったから、私の加護も授けようかと思ったの)
と笑顔で告げられた。
「加護ですか?」
(ええ、私の加護は強すぎて、幼い貴方にはあげられなかったから、啓示を受けられる歳になるまで待ってたの)
「そうだったんですか?加護がどんなものかわからないですが、嬉しいです。」
(貴方が幸せに過ごせるように、と、願いをかけるだけよ)
と優しく告げられた、私も笑顔でお辞儀した。
「ありがとうございます。私は転生出来て幸せに過ごせていますよ。」と笑顔で答えた。
そしたら、神が少し申し訳なさそうに、実は、貴方を此方に転生させたときに妖精たちが、沢山の加護を渡してしまったみたいなの、と告げられて、びっくりしていると
(それが1度暴走してしまったこと、本当に申し訳なく思ってるわ)
「いいえ、あれは事故ですから、気にしてません!」
と伝えると、神が笑顔を取り戻した。
(ありがとう、そういってくれて嬉しいわ。
で、リズメリアのこれからが、少し不安に思ってしまったのよ。だから、私の加護を貴方に授けるわ)
「わかりました。ありがたく、頂きます。ですが、神の加護とはどんなものなんですか?」
(もう魔力の暴走はしなくなるわ、それにより、魔法の上達も早くなるわよ。)
「わー、ありがとうございます。」
(さぁ、そろそろ戻らないといけないわ。)
「はい、本当にありがとうございました‼️
また、会えますか?」
(ええ!もちろんよ。またね、リズメリア)
「はい」
返事と共に光が収まると、司教様が驚いた顔をしていたが、直ぐに平静を取り戻したようで、これにて、儀式は終了ですと、告げられた。
後ろに控えていた両親は何かあったのかと、不安そうな顔をしていた両親には、
帰ってから教会で合ったことを伝えようと、笑顔で振り向いて、お父様とお母様にかけよった。
やっと、第1章がまとまったと思います。第2章から、学園編に変わります。
そちらも是非お楽しみに。ここまでお読み頂きありがとうございます。