ペンギン三兄弟 〜 25話 君にしびれて の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
今日は朝から雨がザーザー降っていました。
三兄弟は、雨が大好きです。
ドン「いい雨びよりだね」
ゴン「じゃあ、あれやろう」
ドンとゴンは、ウキウキしながら、
ビニールプールを持ってくると
空気を入れて、庭へ出しました。
ドン「雨どんどん降れ~」
ビニールプールにどんどん水がたまっていきます。
ゴン「そろそろいいんじゃない?」
ドンとゴンは、服を脱いで、ビニールプールに飛び込みました。
どっぶーん!
ばっちゃーん!
ドン「きもち~」
ゴン「たのし~」
そこへチャンが出てきました。
ドン「チャンもおいでよ」
チャン「おれ、風邪っぽくってさあ、今日は、やめとくよ」
ゴン「あれ、すごいガラガラ声じゃん」
チャン「のどの調子が悪くてね、ゴホゴホ」
そのときです。
一陣の風がビューンと吹いて、ゴンの脱いだシャツを飛ばし、庭の高い木にひっかけて行きました。
ゴン「あー、おれのシャツが木に引っかかった~」
ドン「なんか長い棒ないかな?」
チャン「オレ、探してくるよ」
しばらくすると、チャンは、長い釣り竿を持って出てきました。
チャン「これならきっと届くよ」
チャンは、ペタペタと木の近くまで行くと
釣り竿をシャツの方へ伸ばしました。
そのときです。
ガラガラガラガラ、ドッカーン!
カミナリの轟が響き渡りました。
「ギャー!!」
同時に、チャンの悲鳴も響き渡りました。
ドン「チャン、大丈夫か!?」
ゴン「チャン、どうしたんだ!?」
ドンとゴンが、あわててチャンに駆け寄りました。
チャンは、木の下で、くちばしを大きく開けたまま、小刻みにけいれんしていました。
ビリビリっとチャンの体から、微弱な電気が放出されているようにも見えます。
どうやらチャンは、落ちたカミナリに感電してしまったようでした。
ドン「やばいな」
ゴン「触ると危ないから、このままそっとしとこう」
ドンとゴンは、しばらく離れたところから、
チャンの様子をじっと見ていました。
チャンは、徐々にけいれんがおさまってくると、ムクッと起き上がりました。
チャン「いやあ、死ぬかと思ったよ」
ドン「お?」
ゴン「生きてる!」
チャン「ああ、なんとか生きてるみたいだな」
ゴン「チャン、あぶなかったな」
ドン「ねえ、チャンの声、すごくいい声になってないか?」
チャン「え?あ、そういえばすごく声が出る。のども痛くない」
ドン「電気療法で治ったんじゃないか?」
チャン「あー、あ~~」
チャンは、声を高らかにあげました。
ゴン「チャン、前よりずっといい声になってるぞ」
ドン「カミナリさまさまだなあ」
チャン「かなり痛かったけどなあ」
それから、3羽は雨の中、
水遊びをしてはしゃぎまくったのでした。
おしまい