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僕の母さんは、“化け物”だった!

作者: 七瀬






___僕は、生まれつき母親がいなんだ!

父さんとばあちゃんと僕の3人暮らしだよ!



・・・僕たち家族は、田舎の更に山奥で住んでいるんだ。

学校までは、徒歩で3時間もかかるんだけど、、、?



___たまに、父さんが軽トラックで僕を学校の校門前まで迎えに

来てくれる事があるんだ!


【ガタンガタン】


『___ねえ、父ちゃん? 何故? 僕には母ちゃんがいないの?』

『___なあ、数彦? お前の母さんはな! お前がまだ赤ちゃんの

時に、病気でなくなったんだよ! 前にもその話をしただろう、、、?』

『・・・でも? クラスのお友達は、みんな母ちゃんがいるんだよ!

何故? 僕にはいないの? 寂しいよ!』

『お前には、ばあちゃんがいるだろう!』

『・・・ばあちゃんが、僕の家庭参観日に来た時に、みんながばあちゃん

を見て! 笑うんだよ! “なんだよ! 数彦の母ちゃんはえれー歳取って

るんだな~”って!』

『・・・そんなの、気にするな! ばあちゃんはお前の母さん代わりなんだぞ!

ばあちゃんは、必死にお前の、、、。』

『___そんなの! 僕が一番分かってるよ! だけど、、、。』

『すまん、数彦! お前に寂しい思いをさせて...。』

『いいよ! 父ちゃんのせいじゃないし。』

『お前は、優しい子に育ってるよ! きっと亡くなった母さんもお前のそんな

姿見たら? しっかりしたいい子に育ったと褒めてくれるよ!』

『なんだよ~父ちゃんは、親バカだな~』

『・・・なに? 照れてんだよ! 顔が真っ赤だぞ、数彦!』

『もぉ~僕を揶揄わないでよ~』





___確かにね?

僕は母ちゃんがいなくて、寂しい思いをしているけど、、、。

僕には、父ちゃんやばあちゃんがいるし!

お友達もいっぱいいるよ!



・・・ただ、心の中に引っかかっているとすれば、、、?

母ちゃんと1回でいいから! 会って見たかったな~

ただ、それだけだよ!






___そして、あれから十数年後、、、。

僕も、大人になってこの慣れ親しんだ家から巣立っていく事になったんだ!



___そしたらね?

僕の父さんとばあちゃんが、僕に真剣な顔でこんな事を言ったんだよ!


『___なあ、数彦! お前がこの家を出て行く前に、どうしてもお前に話し

ておきたい話があるんだ! だから父さんとばあちゃんの話を聞いてくれるか?』

『・・・ううん、それはいいんだけど? どうしたの?』

『お前の“母さん”の話だよ!』

『・・・母さんの話? 急になんなの?』

『・・・実は、お前の母さんはな!』

『___ばあちゃん! 俺から数彦に話すよ!』

『___なんだよ! 母さんがどうしたんだよ!』

『・・・実は? お前の母さんはな! “化け物” だったんだよ! しかも? 

凶暴な化け物でな! 町の人達を次々に殺していったんだ!』

『・・・えぇ!?』

『___普段は、物凄く穏やかで優しい女性なんだが、満月の日は凶暴な化け物

になるんだ! それで、その町の人達に捕まって死刑になってしまったんだ。』

『数彦! お前を無差別殺人犯の息子にしたくないと、自分の身分を隠して!

お前の母さんは、死んでいったんだよ。』

『・・・母さんが、』

『既にお前は産まれていて、ばあちゃんがお前をあやしていたよ。』

『・・・ばあちゃん、母さんはどんな人だったの?』

『・・・べっぴんさんのえれーいい女だったよ!』

『・・・・・・母さんが、!?』

『お前が、産まれた時! 誰よりも一番喜んでいたのも母さんだったな~!』

『・・・えぇ!? そうなの?』

『あぁ~私に息子ができたって! 喜んでたぞ~!』

『・・・母さん、母さん、、』

『・・・数彦、』

『すまんな! お前が、この家から出ていく門出の時に、こんな話をして。』

『いいんだよ、父さん! 話してくれてありがとう!』

『・・・あぁ、』

『お前の母さんは、誰よりも数彦、アンタを大事に想っていたんだよ!』

『・・・ばあちゃん、』





___僕は、本当の事を知って......。

家を出てく事になったんだ!




・・・ずっと知りたかった、母さんの事。

例え、“化け物”でも、僕にとっては、唯一の母さんだから。


これからも、僕は母さんの事を想って生きて行くよ!

僕の大切な! たった一人の僕の母さんを、、、。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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