暗黒色に身を染めて
心が憎しみに染まるたび、私の体も黒くなる。
美しいと褒められた金色の髪は、墨のように黒くなった。
アメジストのようだとたとえられた瞳も、ブラックオニキスのように黒くなった。
憎しみがすべてを変えていく。
幼かった私の純粋な心も、もう存在しない。
大好きだと、一途にあの人を想い続けた私も、もう存在しない。
裏切られ、傷つけられた私は、憎しみに染まっていった。
すべてが敵に思えた。
だから私も裏切ることにした。
信じないことにした。
誰も信じない。
許さない。
鏡に映る私は黒い。
あら、爪まで黒くなってしまったわ。
真珠のようだと言われたのに、残念。
やがて、私の肌も黒くなるのだろう。
そうして黒くなった私は、どうなるのだろうか?
影のようになるのだろうか?
それはそれで面白い。
私という存在が消えて、何もなくなる。
憎しみだけを残して。
そんな想像をして私は笑った。