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買った森のダンジョンで  作者: オンラインゲーム王
3/4

かもダン


第三話 「湯船を沸かしたらお風呂へ」


いきなりの出来事だった。精霊に願いを込めたらものすごい光に包まれた後、元の世界へ転移してしまった。互いに混乱する中ソリアに状況を伝える。


「えっとつまり・・・真樹まさきさんのいた世界に一緒に来たってことですね?」


「うん、そうだね・・・落ち着かないかもしれないけど、とりあえずソファーに座ってて。お茶でも出すよ。」


ソリアに合う飲み物はあるかな・・・。おやこれはファミレスのホットティーで知った野苺茶だ。効能は美肌・解熱・血液がサラサラになるなど良い事尽くしだ。これを飲めばソリアのかわいい肌がさらにかわいくなるのだろうか。そして香りも良い。ソリアの匂いも良いけど苺の香りも好きだ。


「もってきたよー。」


「あ、良い匂い・・・苺の香りがします。」


とりあえず二人でまったり過ごしつつこの世界について簡易に伝えることにした。とても高い建物や自動車に関心をもったようだ。今度一緒にドライブしに行く話になった。山桜を見に行くのも楽しみだったが現実世界でのデートもとても楽しみだ。転移したての頃はお昼だったが楽しく話しているうちにあっという間に夜になった。


「そういえば少し寒いね、お風呂の湯船でも沸かそうかな。」


「お風呂があるなんてすごいですね!あたしの世界だとお金持ちの一部の人しか使っていないんです。」


「へぇ、そうだったんだ!僕の世界なら毎日入り放題だよー。」


「そうなんですね!お風呂楽しみですね。」


ソリアが紅茶を飲んでいる間に湯船を沸かしに行く。軽くスポンジで洗ってからお湯を沸かすボタンを押すだけの簡単なお仕事だ。何か入浴剤を入れたほうが良いかと思いゴソゴソと探してみる。桜の湯や苺の湯があった。ここは苺推しでいこうかな?


「きゃぁ!!」


ど、どうしたんだ!?急いで食卓に戻る。あ、スマホの着信音が室内に響いている。


「ごめんね、これは怖いモノじゃないから大丈夫だよ。」


「すみません、・・・たまに山にモンスターが現れるので・・・怖い思いをしてしまう事があって・・・。」


ソリアは僕にしがみついて震えている。申し訳ないことをしてしまった。ソリアへの配慮が足りなかった。急いで着信音をオフにして、ソリアを落ち着かせようとする。大丈夫だよと声をかけながら頭をなでる。


「あの・・・今日はお風呂も寝るのも一緒に居て欲しいです。」


「うん、怖がらせてごめんね・・・一緒に居よう。」


しばらくソリアと離れず過ごす。だいぶ時間が経ち落ち着いてきた。一緒にお風呂に入ることにする。


「そういえばタオルあるけど、巻いて置く?」


「あ、どうしよっかな・・・どちらでも良いですよっ。」


どちらでも良いだと?僕は人生で一番思考を巡らせる。この選択は重要だ。どうする、入浴剤を乳白系にすれば湯船では見えないし大丈夫だよと言い張るか?それともタオルを切らしてる風を装ってお風呂にレッツゴーか?しかしあれこそ考えている間に・・・


「あ、このタオル苺がいっぱいで可愛いですねっ!付けちゃおうかなっ」


「あ・・・うん。きっとソリアに似合うよっ。」


苺め・・・。ソリアと肌をぴったり密着させるなんてうらやましい。じゃなかった、けしからん。残念そうにしてるのを表情に出さないようにし、二人でお風呂に入る。ソリアのテンションが高い。お風呂はめずらしいから嬉しいのかな?ソリアが近くに寄ってきて、背伸びをしてきたので耳を近づける。


「次は・・・タオル巻かないで一緒に入ろっ♪?」


「え、あ、うん・・・!」


ソリアを見つめる。顔を赤くしながらも楽しそうに話してくれている。僕もにっこり笑った。これからずっとこんな時間が続くと良いなと本気で思った。僕はお風呂の中で、ソリアは外でタオルに着替える。


「ソリア似合ってて可愛いね。」


「ありがとうございます!」


湯船に苺の湯を入れて混ぜる。良い匂いがしてきた。先にソリアに少しかけ湯をする。その後自分にもかけてから湯船に一緒に入った。


「あったかいですね♪それに良い匂いです~。」


「そうだね、あったまるとホッとするね~。」


二人でワイワイしながら湯船を楽しむ。まるで夢のような時間だ。これが毎日続くというのか。ありがとう精霊さま。


「そういえば日本では相手の背中を流すって風習があるんだよね~。」


「そうなんですか、真樹まさきさんのお背中お流ししますよ~。」


ワクワクしながら湯船を出て、背中を洗ってもらうことにする。


ソリアの心の声「大きい背中でなんか落ち着くなぁ・・・、すごく優しいしすっかり好きになっちゃった、えへへ・・・ってきゃあ!?」


せっけんで床がすべり易くなっていたようだ。急に僕の背中に大きくて柔らかい2つの感触を感じる。これはしゅごい、あの異世界の雄大な山脈にも負けない大自然を感じるようだ。鏡がくもっていたが、ソリアが慌ててタオルを直している動作がわかった。この感触はタオル越しでは無かったのだ。今日で一番の収穫に違いない。ありがとう精霊さま。ありがとうソリア。


「ご、ごめんなさい。あたしドジなところがあって・・・。」


「いやいや大丈夫だよ、むしろありがとうっていうか・・・せっけん使うと床がすべり易いから仕方ないよ。」


その後は無事洗い終わり、僕もソリアの背中を洗った。手で直接洗いあったのでお互いくすぐったそうにしてたが楽しい時間だった。お風呂をあがった後は、また食卓で二人でまったりと過ごした。


「ふぁ~、そろっと眠たくなってきたね。」


「そうですね・・・夜に移動してから、また昼から夜まで過ごしましたからね。」


部屋の中とはいえ時期は真冬なので体が冷えないうちに布団を敷くことにした。二人で布団に入る。


「えへへ、あったかい・・・。真樹まさきさんと一緒に居ると落ち着きます・・・。異世界での怖かったことも忘れられるし・・・とても居心地が良いです。」


「あったかいね。よかった・・・僕もソリアと過ごして嬉しいよ。ずっと仲良くこうしてたいね。」


どちらともなく布団の中で手を繋ぐ。窓際に頭を向けているので綺麗な星空が見える。この景色は異世界でも現実世界でも大きくは変わらないようだ。


「この星の中にソリアのいる世界もあるのかな・・・?」


「そうだったら素敵ですね、あたしの世界もどこかにあるとしたら・・・真樹まさきさんと一緒にあたしの家で過ごすのも良いな~って思ってるんです。」


「僕もソリアの家で過ごすの、良いなって思ってたんだ。もしかしたら精霊にお願いしたらまたソリアの家に一緒に行けるかもね。」


「そうですね、一緒に自動車で出かけるのも楽しみでしたけど・・・明日一緒にお願いしてみましょう。」


そうして楽しく話しをしてから、夜も遅いしお互い寝る事にした。頭をなでなでしたら、えへへと喜んでくれた。僕の心の中で毎日なでることに決めた。ソリアがスヤスヤと寝始めて、可愛い寝顔を少し見てから僕も眠りについた。


※3話完結です!


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