とても他愛ない幸せとメイドな話
また遅れました
キャラ設定について考え過ぎました(笑)
今回は例のメイド2人を重点に置いたお話です
どうぞ楽しんでいってください
シューベルトさんとの会話が終わったあと
俺はクレアさんの所へと向かっていた
あ、メイド二人組は案内役だぞ☆
ーーーーー
「まったく、エリシアはとことんど阿呆ですね」
階段前の廊下に差し掛かった時
エミリーさんが
いきなりエリシアさんに言葉のジャブを浴びせた
「ひぇぇぇ!?
何故に終わった事で私悪口言われてるんですっ!?」
そう、おそらく
エミリーさんは扉の前の出来事について言っているのであろう
「クレア様もシューベルト様もお優しいので
とくにお咎めはないでしょうけど...」
すると、エリシアさんが「あ、」みたいな顔になり
「あ!そうです!
今からクレアちゃんの所へ行くんですよね!」
「はぁ..
だから様をつけろと...」
エリシアさんの顔が閃き顔なのに対し
エミリーさんはとても困り顔だった
「いつも大変なんだろうなぁ...」
ついボソッっと呟いてしまった
「ええ、本当ですよ。
いつもこんな感じですから
えぇと...お客様もしばらくこちらにご滞在なさるのでしたら疲労で倒れないようにして下さいね」
と、エミリーさんから
労いとも愚痴とも取れる言葉をいただいた
ん?
「あれ?聞こえてたんですか?」
と俺はエミリーさんに聞いた
そう、滞在というかその系統の話だ
「えぇ、聞こえてましたよ〜」
とエリシアさんの頭にポンと手を乗せ
「このバカがドアの寸法を
間違えて発注したもんですから
床とドアの間隔があいてて音がダダもれなんです」
すると、
手を乗せられた時は「わぁ〜ぃ!!」っと喜んでいたのに
発注の単語が出た途端涙目になり
「だから過去の話をぶり返すのはやめてっ
下さいよぉぉ」
とエミリーさんの手首を掴み
自分の頭から手を引き剥がそうとしていた
...がエミリーさんはパーの手をグーに変え
グリグリとゆるふわの髪が潰れるんじゃないかと
いうぐらいに押し込んでゆく
「あ゛ぁ
いだい痛い!いてぇですよ!エミリィ!!」
頭を下げたり上げたりして
痛みから逃れようとしている
まるでヘドバンのようだ
...あぁ、酷い、酷すぎる、、
鬼のような女性だ..
「これぐらいで済んでる事に逆に感謝しなさい
普通のお屋敷だったら
契約破棄レベルなんですから...ハァ」
あ、ため息だ
「エミリーさん、ため息ついてると
幸せが逃げますよ」
そんな他愛ない事を俺は口に出す
そう、ため息は良くない
そんな気がする
すると...
...フフッ
軽く笑われた
なんだコノヤロー
変な事言って悪かったな!
「あ、なんかすんません、」
謝っておこう..
トントン
(ん?)
肩を叩かれた
「いやッ
別に謝ることは無いですよッ...プ...フフッ」
と、頭を上げるとエミリーさんが涙目で
そう言っていた
笑いを堪えているのだろうか
「んじゃあ、どこに笑う要素があるんですか?」
少し笑いすぎなので聞いてみた
「だって幸せが逃げるって言い方ですよぉ!?
笑わない方がおかしいですよ!」
いつの間にか拘束から抜け出していた
エリシアさんが人差し指を立てながら言ってきた
転生者というのが正しければ
ここは俺の居た世界とは違う世界...
こちらの人達は
ため息の恐ろしさを知らないのだろうか
トントンとまた肩を叩かれ
「すみません
ほんとに可笑しくてッ..プフッ!」
また笑ってる..
ハァ..
「記憶喪失さんッ!!
幸せっ!逃げてますよ!」
エリシアさんに言われてため息に気がつく
だが
こう人に言われてみるとなかなか
可笑しいものだなと
俺は少し鼻で笑ってしまった
「何自分が笑われて
嫌がってたのに笑ってやがるんですか!」
エリシアさんに怒られてしまった
あ、
「俺の名前は
記憶喪失じゃないって言ったじゃないですか」
ーーーーー
その後
階段を降りてクレアさんの部屋に着くまで
部屋の案内を受けながら
色々話をした
エリシアさんは色々抜けてるけれど
親身に話してくれて
エミリーさんもきつい人なのかなーと
不安だったけれど話してみると
優しくてやっぱり少し毒舌なのかなと思った
そして一番嬉しかったのが
「そうですお客様」
クレアさんの部屋の前の所で
エミリーさんから話をかけられた
歩きながらちょくちょく話していたので
話をかけられたというのも
些か(いささか)変ではあるが
...ともかく
名前も思い出していないので
当分は呼ばれ方は何でも良いだろう
俺はその言葉に反応した
「なんです?」
すると
「思ったのですけれど
クレア様やシューベルト様に
敬語を使われるのは分かりますが
私達メイドや使用人にまで
敬語を使う必要はないのでは?」
その言葉に続き
エリシアさんまで
「確かにそーですよねぇ
なんでなんです?」
そんな事か
気にしなければいいのに
「初対面の相手には
普通敬語で話すものじゃないですか?」
そう小学校ぐらいで習ったはずだ
するとエミリーさんとエリシアさんが
首を傾げた
「では私達に敬語で話しかける必要は
もう無いんじゃないですか?」
そうエミリーさんがにこやかに言ってくれた
「そーですよ!もう初対面じゃないですよっ!
まず私達使用人に敬語なんて
頭おかしーですよねぇ?...ん?」
とエリシアさんも疑問形ではありながら
肯定してくれた
「ありがとう
エリシアさんエミリーさん」
目を見て喋る
すると
またニヤニヤしたエリシアさんと
笑いを堪えたエミリーさんが俺をみていた
ん?なんなのだろうか
「さん付けもやめて下さい
敬語じゃないのにさん付けなんて
おかしいじゃないですか!
頭悪い人みたいですよ」
エミリーさ..
エミリーにそういわれてしまった
「あ、わたしもいらないですよ!」
エリシア..には目力強めに訴えられてしまった
なんか言葉に出すのが照れくさかったので
手でグッドサインを胸元で出してやった
こんな他愛ないやりとりがなぜか凄く嬉しかった
後書きって何を書けばいいかわかりませんよね
とりあえず
失踪はしないのできながーーーーーに待っていてください