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白銀狼の贖罪  作者: 凱流@論者
2/3

神界を経て。

長らくお待たせして申し訳御座いません!(誰も待ってないよ)

全ては自分の不徳と致すところであります(壊れてたなんて言えない)

死は誰にでも訪れる。

どんな素晴らしい功績を残した人だろうが、大罪を犯した世紀の大泥棒だろうが、はたまた平々凡々とした「只のヒト」であろうが。

平等に。無慈悲に。


……ここは、何処だ?

辺りは暗い。何も、何も見えない…

ああそうかよ、彼は毒づいた。

死んでも「死なせて」はくれないって訳か…

恐らく俺は―狂うまでここに閉じ込められるのだろう…いや、狂うことすら許されないのかもやしれない。

「いやいや、そんなことしないって…」

「!?…誰だ?」

誰も居ないはずの暗闇の中から声がした。

年の頃は14.5歳位だろうか。

「やだなぁ、人に名前を聞く時はまず自分から、って習わなかった?」

「…すまん。俺の名は―」

「あ、知ってるから言わなくてもいいよ!」

「………」

「じょ、冗談だって。だからそんな怖い顔しないでよ」

「で、ここは何処なんだ?そしてお前は誰だ?」

「僕は神で、ここは…神の空間とでも言っておこうか。」

は?こいつ何言ってんだ?

「ふむ…信じてないね。」

途端に、空間が明るくなった。

そして、「神」の全貌が明らかになった。

それは特別に美しいというわけではない、どこにでも居そうな少年だった―が。

それは、正に「神」と称すべき物であった。

絶対に覆らない理屈。この世の真理。

思わず平伏してしまった。

弱きものが強きものにするように。

「あぁいやいや、そんなに畏まらなくていいから…普段通りで頼むよ?」

「…承知した。」

「で、君。自分がしたこと、覚えてるよね?」

「………ああ。」

「でさ。君は―その償いを、したくはないかい?」

「出来るものなら、な。」

「そうかい…して、みる?」

「どういう事だ?」

「君は世界を殺した。だから、世界を救って欲しいんだ。」

「どうやって、だ?」

「簡単な話さ。君には今から、君らでいうところの異世界にいってもらう。そこで、その世界を救うんだ。大丈夫、君が向こうで20になったとき…成すべき事がわかる。」

それにさ、と続ける。

「あんな世界で生きてきた君のことだ。

…暖かい、自分の居場所に憧れはあるだろ?」

「いいのか?…いくらなんでも虫が良すぎるだろう?」

「君が気にする必要はないよ。…ああそれと。

成すべき事をしたあとは、その世界で自由に生きるも良し、輪廻転生の輪に加わるも良し、だ。」

行きたい。生きたい。自分の居場所が―欲しい。

「ふふ…なら決まりだね。」

神がそう微笑むと―凄まじい眠気が襲ってきた。

神の声が聞こえる。その声は徐々に小さくなり…そして消えた。


「彼」が居なくなった空間で。

神は虚空に何かを話しかけていた。

それは、我等には見えない。

声のみが、聞こえる。

「イースを救う?…ハッ。只の人間如きに出来るはずがないだろう?」

「彼ならやってくれるさ。出来なかったら、それはそれでいい。イースが壊れるだけだ。」

「ふん…貴様も戯れが過ぎるとは思うがな。

…………期待せずに待っておく。」

「ふふ、◈◈ったら照れちゃってさ。」

「照れてなどおらん!」

人間を生み出したのが神ならば。

人間は神に似せて作られたのだろう。

しかし、人間が神と違うのは。

所詮は模造品であったという事である。




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