表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀狼の贖罪  作者: 凱流@論者
1/3

哀れな科学者

死は誰にでも訪れる。

どんな素晴らしい功績を残した人だろうが、大罪を犯した世紀の大泥棒だろうが、はたまた平々凡々とした「只のヒト」であろうが。

平等に。無慈悲に。


ある男がいた。彼は、荒廃して行くこの世界を救いたかった。彼は仲間と共に決起した。

この世界を救うために。

まず食料の問題。これは、体に害の全くない人口食料を作ることで解決した。

土地。これは、他の星に移転させる事で解決させた。その地を開拓するために作られた機械は、彼にしか扱えず、また彼にしか作れないと言われていた。


彼らは多くの人に尊敬された。当然だろう、世界を救う救世主なのだから。同時に畏怖された。当然だろう、理解出来ないモノを人は恐れる。彼等の周りには次第に、己の欲求ばかりを追い求める下賤な輩しか居なくなってしまった…。

彼等は決して金を欲しがらなかった。

すると、下賤な者共は言った。

「我々が代わりに管理致しましょう。

先生達は、研究に没頭して下されば…」

無論、奴らは金を己が財としようとしていた。彼らはそれを知っていたが、面倒だったのでそのままにした。


40年がたった。世界は便利で、何一つ不自由なモノがない「素晴らしい」世界になった…。人々の争い、というものを除いては。

彼らの作った機械が生み出した財によって、それは引き起こされた。あるものが言った。

あんなものさえなければ。また、あるものは言った。あれを作ったのは誰だ。

―彼らだろう。ーあぁそうだ、彼らが悪い。

彼らは、次第にその人数を減らしていった。

処刑と称され、焼かれ、刺され、切られ…。

いつしか「彼ら」は1人だけになっていた。

あの男である。

「彼」はいった。

世界を思ってしたこと、だ…。

あぁ、ヒトとは何故ここ迄に愚かなのであろうか…。


…あぁ、そうか。根本が違っていたのだ。

ならば…作り直さなくては。今の「これら」を粛清しなくては。

かくして、世界は第三次の大戦へと誘われた。

「彼」対世界という、なんともおかしい戦争である。

彼は、彼らが生み出した兵器で世界を「粛清」した。だが、ヒトは生きることに関しては狡猾である。ヒトは、勝利した。

そして勝利したヒトは、彼を…

彼の兵器によって葬りさった。

彼は、思った。

俺も、只の「ヒト」であったのだな、と。



ここ迄呼んで下さりありがとうございます!ブクマや評価をして下さると作者が狂ったように喜びますのでどうか宜しくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ