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「“聖域”の決壊とはどういうことだ!?」

 エルマの言葉にマークルフは耳を疑う。

「言葉通りです。いまの“機竜”の一撃は、“聖域”の働きを崩すためのものです」

 エルマは足許に広がる地形図を睨んだ。

「“聖域”の外郭となってる山を吹っ飛ばして破壊しようということか」

「そんな簡単なものではありません。“聖域”は“神”がその奇蹟で地形変動を起こし、“機神”を封じる仕掛けとして造り上げたものです。“聖域”内は“大地”の霊力が複雑に流れを形成しており、どこか一部を下手に壊しても変化した流れが新たな作用を及ぼし、“聖域”の働きは維持される構造です。何重にも複雑に組み上げられ崩壊不可能とされた“神”の論理の集大成──それが“聖域”なのです」

「それなら、いまの一撃は何なんだ!? 魔力の上昇が感じたということは、確実に“聖域”の力に乱れが出ていることのはずだ!」

 エルマはまだ地図を睨んでいた。

「あいつはその一部を解き明かしたのでしょう。破壊すれば確実に影響が生じるような急所となるべき場所を見つけ出したんです。おそらく、その影響はブランダルク辺りに限定され、全体にまで及ぶ可能性はないと思いますが──」

「できるのですか、そんなことが!?」

 リーナの声も驚きに震えていた。

「藁の山から針を探ような解析作業ですが、やった以上は認めるしかありません。でも、これでブランダルクで進んでいる計画の枠組みが見えてきました」

「聞かせてもらいましょうか」

 新たな声の主はエレナ=フィルディングだった。騎士たちが護衛についているが、この非常時にも浮き足立つことなく冷静な態度を貫いている。

「逃げなくていいのか、フィルディングの姫さんよ」

「逃げてどうなる相手でもない。“機竜”の相手はそなたらに任せているしな。それより、司祭長やオレフたちの目的とは何なのですか?」

 エレナの問いにエルマ答える。

「あの一撃でこのトリス周辺の魔力レベルが上昇しています。オレフは“聖域”決壊の影響を計算し、トリスが魔力レベルの上昇する場所と導き出したのでしょう。だからトリスを“竜墜ち”の場所に選んだのです。得られる“機竜”の骸に豊富な魔力が揃えば、うちの故郷であるラクルの比ではない飛躍的な技術開発と発展が望めます。“竜墜ち”の被害は甚大ですが、その後の復興と天秤に掛ければ途方もない価値を生み出すはずです」

「司祭長の狙いはそういうことか」

 マークルフもようやく司祭長側の計画が掴めてきた。

 過去に“竜墜ち”に巻き込まれ、後にその骸を研究して一大学術都市へと発展したエルマとオレフの故郷ラクル。司祭長の狙いはその再現と睨んでいたが、それではあまりに長い歳月がかかり過ぎることが疑問だった。それを埋めるために“聖域”の決壊までも計画したのだ。

「ウルシュガルはそれを以て力を高め、最終的に一族本流との戦いに勝つつもりか」

 エレナの双眸が細められたが、すぐにマークルフを睨み付けた。

「ユールヴィング。グノムスという鉄巨人を引き上げる予定だったな。人を動かしているように見えんが、どうやって引き上げるつもりだ?」

「すでに作業中だ。後は向こうの頑張り次第だ」

「ならば伝えてくれ。一緒に沈んでいるという“門番”を一体、破壊せずに残してくれ」

「何をする気だ?」

「その時になったら教える。だが成功すればオレフを追い詰めることもできる。そちらにも有益な話だ。しかと頼んだぞ」

 エレナはそう言って騎士たちと共に踵を返す。

「あんたらはどうするつもりだ!」

「こちらにも準備がいる。そちらも早く復活の準備を急げ」

 エレナはその台詞だけを残して去っていった。

「……面倒な頼み事だけして行きやがって。何を考えているか知らんが、仕方ねえか。エルマ、後で妖精のジジイたちに伝えてくれ」

「マークルフ様の無事を確かめに来てくださったのかもしれませんね」

 リーナがエレナの後ろ姿を見つめながら言った。

「そんなしおらしさが有るように見えんがな……まあ、いいさ。オレフについては向こうに任せるか」

「ですが、あの方だけで大丈夫でしょうか、マークルフ様?」

「オレフの能力は危険だが、その能力を封じられるのもあの姫さんだけだしな。それにまだ手札は残していそうだ。何より向こうも放っておけんのさ。ブランダルクを第二のラクルにするなら、天才的な科学者の存在自体が武器となる。司祭長もオレフを研究の陣頭に立たせるつもりだろうよ」

「あいつもそのつもりだった──のかもしれませんね」

 エルマが言った。

「何だ、引っかかる言い方だな。いまは違うとでも言うのか?」

「分かりません。あいつは科学の進展のためなら身命すら捧げる男ですから、第二のラクルなんて楽園そのものでしょう。ですが、あいつはまだ別の目的がある気がするんです。説明できるほどの根拠はないんですけどね」

 エルマにはオレフの行動に何かを感じているのかもしれない。それはおそらく、同じ才能を持つ科学者ゆえの勘なのかもしれない。

「分かった。重要な手がかりは得られたが、ここで悠長にもしてられん。リファの所に案内してくれ」

 エルマの案内でマークルフたちはその場を離れる。

「──マークルフ様」

 車椅子を押すリーナが彼だけ聞こえるように小声で言った。

「エルマさんはオレフの計画を真っ先に理解されてました。もしかしたら、エルマさんも──」

「ああ。あいつもオレフと同じ立場にいれば、奴と同じことはできたんだろうな」

「正直、私はエルマさんの才能を甘く見ていました。古代エンシアにおいても、“神”の研究は難解を極めました。でも、この時代の人間がすでにその域に到達していたなんて──」

 リーナの言葉には驚嘆と途惑いが含まれていた。

「あいつらは別格で、先を走りすぎているけどな。それに俺たちだって“機神”に挑んでいる。どのような時代でも神という謎や未知に挑む人の性は変わらんのだろうさ」



「おじさん、とうとう“機竜”が来たの!?」

 リファは先を駆けるアードに向かって言った。地下にいて外の様子が分からなかったが、凄まじい地響きと外の騒ぎから途方もない事が起きたことは察していた。

「よく分からないけど、とりあえず避難した方が良いからね」

 アードが駆け足をしながら振り向く。

「それと僕はおじさんじゃないからね。こう見えて僕は姐さんより若いんだよ。僕とウンロクさんは姐さんの学院時代の後輩なんでね。さあ、行くよ」

 二人は避難のためにさらに地下に向かっていた。先の騒動で発見された地下遺跡の一室を非常時の避難場所として確保していた。

 やがて目の前に騎士たちが現れた。

 混乱した城内の警備のためかと思われたが、アードが不意に立ち止まってリファの前を遮る。

 リファも気づいた。王女である自分の姿に気付いても騎士たちは安否を確認する言葉を何一つ言ってこない。

「王女様、こっち!」

 アードがリファの手を引っ張り、横の通路に逃げ込んだ。

「追え!」

 騎士たちがすぐに追いかけてくる。やはり、助けるために来たわけではないのだ。

 逃げるリファたちだが騎士たちの方が足が早く、二人はすぐに追いつかれる。

 剣を抜く音が聞こえた。

「ちょ、ちょっと待ってください! 問答無用っすか!?」

 アードが叫ぶが騎士たちは答えない。それが答えなのだ。

 振り向こうとしたリファの横を誰かがすり抜け、騎士たちの前に進み出た。

「ログ副長!」

 立ち止まったリファとアードに背を向けながら長身の男が騎士たちと対峙する。



「この方がフィーリア殿下と分かっていての狼藉か」

 ログは王女らと騎士たちの間に立ちはだかりながら告げた。

「どけ!」

「邪魔するなら斬らねばならん!」

 騎士たちが剣を構えて間合いを詰めていく。

「それがいるから“機竜”が来るんだ!」

「全ての災いの元凶なんだ! いま消さねば未来はない!」

 自分を殺そうとする騎士たちの姿を目の当たりにしたリファが一歩後ろに下がる。そして、少女は絶望の表情を浮かべると糾弾から逃れるように走り出した。

「王女様!?」

 アードもリファの後を追う。

「逃がすな!」

 騎士たちが追いかけようとするが、ログの抜き放った剣が彼らの行く手を阻む。

「貴様、何をしているのか分かっているのか!」

 騎士の一人が剣を振るうが、ログの剣に受け流され、同じく剣を振り下ろしていた仲間の剣に当たる。危うく同士討ちになりかけた二人は慌てて剣を退いた。

「“戦乙女の狼犬”の副官殿とお見受けした」

 騎士の後ろにいた覆面姿の貴族らしい男が告げた。

「ここを通してほしい。子細は話せぬがあのフィーリア王女は偽者だ。いまあの娘を葬らねばトリスは破滅する。これは嘘じゃない、本当のことだ」

「ならば、フィルアネス殿下はこのことをご承知なのか?」

 ログの問いに貴族の男は言い淀むが、やがて答えた。

「……我らの独断だ。このような決断を下すには殿下はまだお若い。だが、我らの行動はいずれご理解してくれるはずだ。これがブランダルクの最善の道なのだから!」

 ログは剣を握りしめた。

「あの方がフィーリア王女ではないとしても、我が主の雇い主であることに代わりはありません。お身体の治療という形で報酬を先払いされているため、わたしもここを通すわけには参りません」

「ならば、押し通らせてもらう!」

 騎士たちが動くと同時にログの剣が動いた。その刃が騎士たちの足を斬りつけ、さらにログの左手がすれ違い様に騎士の一人の懐剣を抜き放ち、その騎士の足に突き刺す。

 ログの横を抜けようとした騎士たちはことごとく足を負傷し、その場にうずくまった。

 ログは剣を鞘に収める。圧倒的な剣技の差を見せられ、騎士たちは何も言うことはできなかった。

「……その腕、その二刀流。貴殿ほどの男がなぜ傭兵に甘んじているのだ──」

 覆面の貴族が疑問の声をあげる。

 ログは答えることなく、ただ彼らの行く手を阻むだけだった。



 ルフィンは城から城下街を眺めていた。

 街の大通りは逃げ惑う人々で埋め尽くされ、外に通じる門にも脱出しようとする者たちが殺到していた。暴動を阻止するために警備部隊が動いているが対処しきれない状態だ。

 先ほどまでの希望に満ちた改革の機運は、山の頂を吹き飛ばした咆哮で全てかき消えていた。

(俺たちの反抗も──司祭長たちには些細な事でしかないのか)

 これだけ人々が殺到すればそれだけで犠牲者も出るし、トリスを逃れた所で行き場はない。それでも、それが司祭長側が“竜墜ち”から逃れるために与えた猶予にも思える。それが慈悲と考えてしまうほどに相手の力は恐るべきものだった。

「……サルディンさん、男爵はどうしていますか」

 ルフィンは背後に立つサルディンに訊ねる。

「若たちも治療の準備を急いでいる。こうなっては若に全てを賭けるしかないでしょうよ」

 もどかしさにルフィンは拳を握りしめる。

「殿下! ここもいつ危険になるか分かりませぬ! 地下に避難されるよう進言致します!」

 重臣の一人が慌てて声をかける。

 だが、ルフィンは首を横に振った。

「見ただろう、あの威力を──地下に隠れたぐらいで防げるようなものじゃない」

「その通りでございますが、表に立っていてはいざという時に脱出ができません。いまは姿を隠され、ここを離れる準備をされるべきです」

 ルフィンは壁に拳を叩き付けた。

「逃げろと言うのか! 何もできないうちに自分だけコソコソと!」

 ルフィンの怒声にその場にいた臣下たちの顔が凍り付く。

 サルディンが間を取り持つように言う。

「殿下、お気持ちはお察ししますが、いま王子である貴方が倒れては全てが水の泡だ。とにかく、いまは避難の準備だけでもされるべきです」

 間を取り持つようにサルディンが告げる。

 ルフィンもそれを受け入れようとしたが、急に大きな疑問が湧いた。

「フィーリアはどうしている?」

 ルフィンが訊ねると臣下たちの表情に困惑の色が浮かぶ。

「どうした? フィーリアは無事なのか訊いているんだ!」

 リファはルフィン以外に残された正統の王女だ。そのリファの無事の報告がいまだなされていないことにルフィンは疑問と不安を感じていた。

「フィーリア様はすでに近衛騎士たちが身柄の保護に──」

 控えていた近衛騎士隊長が答える。しかし、その態度は煮え切らない。

「はっきりしないなら余が自ら確かめる。避難するのはその後だ!」

 ルフィンが広間を出ようとするが、その前を重臣たちが止めた。

「殿下! どうか、ここでお待ちくださいませ! このブランダルクの為にどうか、何とぞ──」

 懇願するような重臣たちの態度にルフィンは不安が確信に変わる。

「まさか、リファを!?」

「それ以上はどうかおっしゃらないでくださいませ! 王女が“機竜”を引き寄せているというローエン太守の言葉はすでに噂で広がっていたのです。その言葉に信憑性が出た以上、我らもじっとしているわけにはいかないのです!」

 床にひれ伏した重臣たちの前でルフィンは激昂する。

「リファの始末をお前たちは黙認したって言うのか! どけ!」

 ルフィンは臣下たちの間を割って、リファを探しに向かう。

「殿下!」

 サルディンがルフィンの前に立ち塞がる。

「貴方は勝手に行動してはいけない」

「しかし──」

「王女様は若と副長が付いている。王子である貴方が先走っては混乱が広がるだけだ」

 先を通ろうとしてルフィンだが、サルディンに諭され、その場に立ち尽くすのだった。



 リファは走り続けた。

 すでに自分の正体も、災厄の元凶であることも知られてしまっていた。

 やはり、ここに自分の居場所はない。

 いや、ここにいれば兄の居場所さえ壊すことになる。

「ダメだ! 一人で勝手に行ったらいけない!」

 後ろからアードの声がするが、大柄な彼は途中で混乱する人々に巻き込まれ、引き離されていく。

 リファが目指したのは城の屋上にある展望台。オレフが約束していたあの場所だ。

 屋上に出たリファは眼下に広がる外の混乱を目の当たりにする。

 人々の恐怖の悲鳴、怒声、殺到する姿、その全てがリファの心に突き刺さり、涙となってこぼれ落ちる。

(リーナお姉ちゃん、ごめん……やっぱり、あたしには“リファ”として生きていくことはできないよ……)

 リファは涙を拭うと空を見上げた。

 遙か遠くで山が破壊された影響か、粉塵と雲が空を翳らせている。

「言われた通り来たよ! 早くここからあたしを連れ出して!」

 リファは叫んだ。姿は見えないがここに来たのは分かっているはずだ。

 しばらくして、急に目の前を何かの影が通り過ぎた。

 影はリファの頭上を通り越して、その背後に着地する。

 それは馬に乗った仮面の女剣士の姿だった。

「司祭様!」

 女剣士に姿をやつしたリーデは馬から降りると仮面を外して素顔を見せた。

「ここに来たということは理解したようね。貴女の居場所はここにはないと──」

 リファは唇を噛みしめながらも黙ってうなずく。

「リファ、一つ聞かせてちょうだい。貴女はまだルフィンとブランダルクを助けたいと思っている? そのために死ぬ覚悟はある?」

 リーデの意図は分からなかったが、リファはうなずいた。

「全てはあたしが生まれてから始まった。あたしの命でそれが償えるなら……そうしたい」

 そう答えたリファだが、逆にリーデに訊ね返す。

「でも、その代わりに司祭様の目的を全部話して! あたしはもう誰にも利用されたくない! 最後ぐらい自分の意思で決めさせて!」

 リーデはうなずいた。

「いいわ。わたしの目的はブランダルクへの“竜墜ち”を阻止すること。そして、ルフィンが先頭に立ってガルフィルスを倒し、ブランダルクを再興してくれること。それがわたしの目的であり願いよ」

「でも、司祭様はあのオレフの仲間なんじゃないの? オレフは司祭長側の人間のはずよ!」

「確かにその通りよ。でも、オレフには彼自身の目的があり、わたしと手を組むことを選んだ。わたしたちがトリスへの“竜墜ち”を阻止することを、彼も妨害するつもりはないわ」

「それを信じろっていうの?」

 リファはまだ半信半疑だった。

「わたしは騎士団長リーデンアーズの娘。お父様と同じようにこの国に殉じる覚悟はできている。そして、オレフも自分の目的に殉じる覚悟よ。そのためにはどうしてもわたしの協力が要るの。だから彼がわたしを裏切ることはない。後はあなた次第よ」

 リーデは胸元をずらし、左肩に刻まれた白き楯の紋章を見せる。

「父より託されたこの紋章に誓うわ。全てはこのブランダルクのためよ」

 リファはその紋章を見つめていたが、やがて言った。

「……教えて。あたしはどうすればいい?」

 リーデが馬の手綱を引いた。

「この“神馬”に乗りなさい。この脚ならあなたをすぐに脱出させ、ブランダルクの外にまで運んでくれる。“機竜”もあなたに誘導され、ブランダルクへの落下は避けられる」

「でも、どこに行くの?」

「それは聞かない方がいいわ。あなたに必要なのも求めるのも、その命を捨てる覚悟だけよ。それができたなら乗りなさい」

 リファは街を眺め、外を眺める。

 ブラダルクの土地を人々の姿を目に刻んだリファはやがて自ら“神馬”へ跨がった。

「あなたともこれでお別れね」

「司祭様はあたしの正体を前から知っていたの?」

「ええ。そして最初からあなたをこの時のために利用しようと考えていた。酷いやつと恨んでくれて良いわ」

 リーデは失笑するが、リファは微笑んだ。

「恨まないよ。ずっと“リファ”として扱ってくれた事には変わらないし、それが兄ちゃんの為なんでしょう……でも、司祭様はこれからどうするの?」

「わたしはここに残る。やるべきことはまだ残っているの」

「“最後の騎士”さんを見たよ。あの人と戦うの?」

「そうよ。勝っても負けてもそれがわたしの最後の戦いになるでしょう」

 リファはリーデの姿に後戻りすることのない意志を感じていた。

「司祭様までいなくなったら、兄ちゃんが悲しむよ」

「大丈夫よ。あの子はそんな弱い子ではないわ」

「そうだね……一つだけお願いがあるの」

「何?」

 リファは寂しげに微笑みながら言った。

「兄ちゃんに会えたら伝えてほしいの……『あたしのためにもう泣くことはないよ。ずっと大好きだよ』──てさ」

 リーデが仮面を被る。

「引き受けたわ。必ず伝えてあげる」

 神馬が出発を告げるようにいななくと、リファを乗せたまま屋上から飛び降りた。

 神馬はリファを振り落とすことなく城の壁や通路を宙を舞うように次々と飛び移っていく。

 そして城を囲む城壁を飛び越え、その姿は風のように消えていった。

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