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第七話
「朝は会社に行って、夕方は病院に寄って、夜中には警備して…少しは休まないと体が持ちませんよ。」
絵理奈の為に働き、気づけば俺はボロボロだった。
それは、看護師さんに言われるまで気づけなかった。
ダメなんだ、昔から俺は。
休むと永遠に休みたくなる。
一度休んでしまったら、稼げなくなる。
俺の稼ぎがなければ、絵理奈はどうなる?
ドナーにでも提供しろってのか。
…そんなことは意地でもさせねぇ。
俺は絵理奈の傍にいるんだ。
絵理奈と幸せになるんだ。
そう思いながら今日も警備の仕事に行った。
出来ることなら、病院にずっといたい。
閉院時間さえなければ、ずっと、ずっと、絵理奈の傍にいてやりたい。
…でも分かってる。
働かなければ、俺の稼ぎがなければ。病院にいれない、絵理奈は生きられない。
仕方ないことなんだ。
例え俺の命を削ってまでも、絵理奈が目覚めるのならば……。
……やがて視界が霞んで見えなくなった。