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第六話
仕事は今日も大変だった。
一段落着きたくて今日も寄った病院は、いつもより慌ただしかった。
「絵理奈の病室…じゃないか……?」
部屋の前に来ると、何人かの看護師と医師がいて、絵理奈に電気ショックをしている最中だった。
ピーーー…………
不快な音が鳴り響く病室。
それは、心肺停止を意味する音だった。
「え…絵理奈…‼︎」
「これ以上は危険なので寄らないでください。」
「どうして…!絵理奈の容体は!」
「落ち着いて下さい。」
「落ち着けるわけがないだろう!!
絵理奈‼︎絵理奈ッ‼︎…ッ!離してくれッッ!」
看護師に押さえつけられるのを必死に振り払い、俺は絵理奈の名を呼んだ。
必死だった、このまま死んでしまいそうで不安だった。
待ってくれ……!絵理奈……!!……。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ………
やがてそれはいつも聞き慣れた音に変わった。
絵理奈…良かった…絵理奈…絵理奈……。
改めて俺は。
自分の無力さを知った。
…ハハッ……何も出来ないんだ。
俺はお前を想うだけで。
お前はこんなにも辛いのに。
無力だな…全く俺は。