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Another  作者: Я(やー)
3/13

第三話

絵理奈が泣いている。

真っ暗な世界で、一人ぼっちで。

俺は絵理奈に近寄ろうと足を進める。

だが、絵理奈は俺をしきりに拒むのだ。

「近寄らないで!」と小さく嗚咽おえつをもらしながらもハッキリと言うのだ。

「俺が悪かったんだ…!

お願いだから話を聞いてくれ…!」

それでも嫌だ嫌だとしきりに俺を拒む。

真っ暗な世界。

二人ぼっちな世界。


やがて絵理奈は「もう行かなくちゃならないの、さようなら。」と言い、遠くなる。

俺は走りながら手を伸ばす。

「絵理奈…!行かないでくれ!絵理奈‼︎

俺はお前を愛して……」

そして言い終わらずにいなくなってしまう。


ジリリリリリ……。

いつもここで目を覚ます。

事故から二ヶ月が経った頃から、毎日見る夢だ。


絵理奈はまだ目を覚まさない。


病院に入院させる為には、当たり前だが俺がお金を工面しなければならない。

植物状態の絵理奈にはいつまで入院すれば治る、などという補償がなかった。

それに保険金だけではまかないきれなかった。

俺は今日も仕事にでる。


絵理奈が目覚めたら結婚したい。

結婚の資金もついでに貯めておきたい。

そんな気持ちもあったのだ。


だが、どんなに頑張って働いたところで、絵理奈はなかなか目覚めなかった。




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