そして、さようなら
無表情ですわる君のおでこにキスを一つおとした。
唇にしなかったのは、私なりのけじめ。
もうそんな関係ではなくなったのだと、示したかった。
私たちはすれ違って、すれ違って、いつのまにか、私の立っている場所はあなたのところから遠く離れたものになってしまっていたけれど、
でも、
「あなた」という存在は「あなた」として私の中に在り続けるから。
言葉はなくても心地のいい時間をありがとう
春の初めのようなやさしい温かさをありがとう
色鮮やかな思い出たちをありがとう
そして、さようなら