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無愛想な彼  作者:
9/25

第9話

「ねぇねぇ恵!!昨日どうだった?」


朝、教室に入ってくるなり隣の席の友達がいう。私は肘をついて外を見ていた。


「…特に何もなかったよ」


「え〜っ?そんなことなかったでしょ?じゃあ何で間宮くんに呼び出されたの」


「…私も知らないよ」


友達はえ〜っといって椅子に座る。


「だって本当だもん。ちょっと話してたら下校時間になった」


まあ本題に入るまでが長かったんだけどね。そういえば幸くんが怒っちゃった(?)謎も残ったままだ。


「ねぇ、間宮くん兄弟いるの知ってた?」


「えっ、恵知らなかったの?幸浩くんでしょ?かっこいいし優しいし、女子のなかではかなりの人気者だよ」


…知りませんでしたよ。だいたい7組離れてるじゃん!!


「無愛想で有名なのは智浩くん…だっけ?無愛想な兄に比べて、優しいくて話やすい弟ならそりゃ弟の方が人気でるって」


…私も最初は幸くんの笑顔にドキドキしちゃったさ。


「でもね私が聞いた話によると智浩くんってすごい人見知りで、慣れた相手には幸浩くん並な笑顔で話すんだって〜」


だから昨日は無愛想に見えなかったのかな?

私の中ではもう智浩くんの印象は変わってしまっている。できるならもっと沢山彼の事を知りたいと思うようになった。

昨日から智浩くんの事ばかり考えてる気がする。


「はぁ…」


「あっ、ため息。幸せ逃げるよ〜?」


「なになに、恋患い?」


友達の声と同時に男の子の声がした。私達は後ろを振り向いた。その瞬間、


「「きゃあぁぁぁっ!!」」


うちのクラスの女の子達の悲鳴にも似た声があがった。かなりうるさい…。


「ははっ、みんな朝から元気だね」


幸くんもさすがにうるさかったのか、両手で耳をふさいでる。私は耳がキーンってしてるよ…。


「おはよう、幸浩くん」


「めぐちゃんおはよう」

あぁ、またあの笑顔。ほらクラスの子達も歓喜の声をあげてるよ。


「間宮くんすごい人気だね」


友達は動じずに、幸くんに話かける。他の子達は近付けずにいるのに、我が友達ながらすごい度胸だ。


「俺はそんなんじゃないよ」


「またまたご謙遜を」


「めぐちゃんのお友達?」


「うん、中西ゆかりっていうの。恵繋がりで仲良くしてね」


「めぐちゃんの友達なら俺の友達も同然だよ。こちらこそ仲良くしてね」


あんたちゃっかり幸くんと自己紹介しあったな…。ゆかりに向けられた嫉妬混じりの視線が私にも痛いよ。


「…ゆかり、あんた大物だわ」


「何かいった?♪」


確信犯め…。


「でも幸くんどうしてここにいるの?」


「たまたまだよ。」


「「たまたま?」」


「そう、たまたま」


ん〜、よくわかんないなぁ。なんか笑顔で誤魔化されちゃった。


「…幸浩、遅刻する」


『あっ…この声もしかして』


振り向くと予想通り智浩くんが立ってた。今日はやっぱり不機嫌そう…。

教室の中はさっきとは違ったざわめきがおこっている。

でも私は“知り合いと話す時の”智浩くんを知ってるから、なんで不機嫌そうにみえるのか本当に無愛想なのかわかる。


「智浩くん、おはよう」


「おはよう、恵」


教室には結構クラスメイトがいたからちょっとだけだけど、微笑んで挨拶してくれた。「なんだよ、めぐちゃんに会えてラッキーだっただろ?」


「…いいから行くぞ」


意味深な幸くんのセリフ。でも智浩くんは無視みたい。


「仕方ないなぁ。めぐちゃん、ゆかりちゃんまたね」


先に教室を出ていく智浩くんに続いて、幸くんも出ていく。

私達は姿が見えなくなるまで手を振った。


「めぐ、ゆかり!!あんたたち間宮兄弟と知り合いなの!?」


二人がいなくなった途端に、クラス中の女の子達の襲撃にあった。

“質問攻め”より“襲撃にあう”という表現がぴったりはてはまる。みんな目の色変わってるもん。


「そう♪名前で呼び合う仲」


「ゆかり…」


あんたは今日知り合ったばかりでしょ!!何もみんなを敵にまわさなくても…。

恐れてたら案の定、


「「あんたちだけずる〜い!!」」


キレられた。女の嫉妬は怖い。普段大人しいあの子まで人格が変わっちゃってるよ…。

何も言わない私を置いて、ゆかりやクラスのみんなはヒートアップしている。もうすぐHRだけど、嫉妬火の粉が降りかかるまえに抜け出しちゃおう。


バレないようにこっそり教室を抜け出し、屋上へと向かった。

ようやく恵の友達の名前が出てきました(笑)中西ゆかり(なかにしゆかり)です。

なかなか展開が進みませんが、頑張りたいと思います。

感想や意見ありましたら、遠慮なくいってくださいね

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