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冥界  作者: 尾花となみ
EpisodeⅢ 冥界の間奏曲
7/21

Intermezzo Ⅰ―A Duet Scene①―

短編形式のサイドストーリーです。

本編には直接関係ありませんが、読むと登場人物達の心情がわかります。

次話へ行く為の補足と思ってください。


一人・二人・三人のシーンを色々交差して載せています。


「何を見ているのですか?」

「……別に……」そう言って彼は黙る。


 いつもそう。私が話しかけても、彼は余計な事を話さない。

 私は、私の仕事をするだけ。魔石を探す、その存在。


 それ以上でも、それ以下でもない。

 彼にとって……。


「ここにもないです……」町の風景が映し出された姿見を見ながら私は言う。

 あの時の様な、激しい輝きを放つ魔石を持っている人はいない。


 彼を見る。やっぱりあの顔をしている。

 一番嫌いな時間。ないと言った後の彼の顔を見るのが一番嫌。


「今日はもう休め」そう言って彼は一人になりたがる。

 私の存在など無視して、一人の世界へ。


 あの人の事を考え、私の事を無視する。

 私は無言で自室へ戻る。


 本当は慰めたい。

 本当は側へ寄って話しかけたい。


 でも、それは彼が許さない。

 そして、彼女も、私も許さない。


 きっとあの人も許さないだろう。



 暗く広い空間。でもそれ以上に私の距離は遠い。

 涙が零れる。


 どうしたいのか分からない。どうにも出来ない。

 もどかしい想いだけが充満する。


 暗く広く、哀しい空間。


 それでも……私はここにいたい。


ユリ×カリスト。

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