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獄炎の姫君〜失意の底で何を思ふ〜  作者: 蕎麦粉


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帝国編 5.龍は森を辿る

こんちは!書きためてた小説を大放出いたします!

みんな大好きご都合主義なろう世界へ!レッツゴ〜!

森でボアを一刀に切り伏せた時から1.2週間ほどだっただろうか。レイアの日常は驚くほど変化はなかった。


寮であてがわれた部屋で起き、身体が鈍らないように剣を振り、冒険者組合に向かい依頼を受ける。


F級の依頼は戦闘、と呼べるものはほとんどなく、薬草採取などの正直誰でもできるような仕事ばかりであった。


路銀を稼ぐためとはいえ、このままの生活を続けて仕舞えば使徒の抹殺という願いを叶えるための炎が鈍ってしまうのではないかという一抹の不安もレイアの中で燻っていた。


そんなある日…



「今日の依頼、確認したか?」


ギルドの受付窓口で、デニーが腕を組んで訊く。もぐもぐと硬いパンを咀嚼するレイアが、ちらりと掲示板を指した。


「見た。『呪殺教団の発見並びに壊滅』。報償は金貨1500枚、受注条件はB以上だってさ」


デニーの声に、周囲の数人が一斉に視線を寄せる。バートンは眉を上げ、ノーラは舌打ちした。


「行けるのは上位だけだな」


バートンが冷静に言う。


「当然だ。俺らD級でも補助なら入れるかもしれんが、中心はB以上の連中だ」


デニーは胸を張る。


レイアは手元の提出用紙にインクを落とし、淡々と答える。


「自分はF級だ。まだ受けられない」


「そんなこと言って…あんた森で私たちのこと助けられるくらいすごかったじゃない。最初の実地でもボアを倒すなんて…あんたちょっとした有名人よ?」


「そんな一過性のもの…」



「まーまー!レイアはあんまそーいうの言われるの嫌なんだろ!ノーラもやめたれよ。ま、俺らは別ルートで一枚噛めないか調べてみるわ。流石に金貨1500枚は破格すぎる。」


デニーが言い、三人は出かける支度を始める。レイアは自分の小さな袋を肩にかけ、別働の薬草採取依頼へ向かう。掲示板の文字は遠ざかる。


森に入って数時間。仕事は淡々と進む。指定の葉を見分け、袋に詰める。風は平常で、足音だけが枝を鳴らす。途中スライムが何体か見えたが彼らもこちらから攻撃しなければどうということもない。


午後が傾く頃、レイアの掌に微かな違和感が残る。空気の流れが、道の先で僅かにねじれている。


「変だ」


彼女は立ち止まり、藪の縁に足をかける。動機は言葉にしない。薄っすらと魔力の流れが北へ向かっているのを、体が捉えたからだ。


普段ならばどうということもないが今感じるこの流れはなんというか…明らかに魔術や魔物のようなものとは違う…違和感を感じた。


地図にもない踏み跡を魔力の痕跡をたどる。次第にその魔力の流れは濃いものとなっていき、視界が開けた。


そこは小さな空地で、数軒の粗末な家屋。一見すればただの村――だが中心にあるものが違う。

なによりこんな魔物が生息する森で生活を営む人間がいるとも思えない。


木の十字架が組まれ、そこに何人かが縛り付けられている。革鎧、血。冒険者の格好だ。


「……」


声を出さずに、レイアは刀の握りを確かめる。ローブを纏った者たちが、輪になって低い調子で何かを唱えている。薪が積まれ、火は既に大きくなっていた。


「捧げよ…捧げよ…我らが神に…」先頭格の者が厳かに声を張る。



「人を焼くつもりか」レイアはポツリと呟く。


声は刃物のように冷たい。


ローブの男はただ唱を続ける。縛られた男の口からは断続的に呻き声が漏れる。目が血走り首には苦しみを示すように血管が浮かび上がっている。時間が無い。


レイアは刀を抜いた。刃先は無駄な煌きを帯びず動作は短い。最初の一閃で、先鋒のローブが倒れる。敵だと察知した者もいたが札のような護符が手から弾け、地に落ちる。


二人目の起点を断って首を取る。彼女の動きに軒並み規則は無いが、破綻もない。呼吸は穏やかだ。


「何事だ!?」誰かが叫ぶ。だが既に数は減っている。刃は速度を落とさず、ローブの者たちは次々と倒れた。


戦いは短時間で終わる。レイアは柄を拭うことなく、縛られた者のもとへ歩を進める。


縛られていた者がかすかにこちらを見た。顔は煤で汚れ、呼吸は浅い。小さく、しかし確かな声で言う。「助かった……」


「早く離れた方がいい」


彼女は手早く縛を解き、布で簡易止血を施す。相手は膝に力が入らず、立ち上がる間もないが、そこは冒険者。這ってでも逃げようと茂みに向かっていく。安全圏まで連れて行く時間はレイアにはなかったので好都合であった。


そのとき周囲からわらわらと人が出てきた。小屋の影、木立の影、次々に。



だが奇妙なことに、一人も子供がいない。



皆ローブを纏い、目だけが外を覗く。表情は薄く、言葉を発する様子もない。長老格に見える者が、中央からゆっくりと前へ出た。背が高く、肩幅があり、歩き方に無駄がない。


「外が騒がしいが…何かあったか?」


長が言う。声は低く、周囲の頷きと同調する。彼はまっすぐにレイアを見据え、苛立ちも驚きも含まれない。ただ問いを投げる。


「貴様、何者だ?なぜここに?」


その言葉で場は止まる。刃は鞘に半ば入ったまま、レイアは息を乱さない。冷たい風が木々を渡り、火の揺らめきが人々の顔に影を作る…

さてさて!楽しんで頂けましたでしょうか!おもろいやん!頑張ってくれぃ!等のお気持ちがあればぜひ評価の方お待ちしております!それではまた次回お会いいたしましょう!

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