6話 フォックストリームアタック!!!(リベンジ)
——ついにこの時が来たか。
僕は【魔鎧装】の新たな可能性を開き、その力を使いこなせるようになる為の調整期間を既に終えた。
その後再びロブスさんの協力のもとで、以前と全く同じルールでのリベンジ戦を行う約束を取りつけた僕は、一切の気負いなくアリーナへと向かう。
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アリーナでは既にロブスさんがスタンバってて、とてもワクワクした様子で僕へと視線を向けてくる。
「ほう……少しはいい面構えになったが、お手並み拝見と行こうか!!」
「では、お願いしますロブスさん!!」
——重々しい金属音と共にアーマーフォックスの檻が開き、以前と同じく3頭のアーマーフォックスがアリーナへと送り込まれた。試合開始だ——。
「廻!!!」
ロブスさんの掛け声で、アーマーフォックスはすぐさま包囲戦法を取る。
——数の利を活かした連携多重攻撃。前の試合ではその戦法で戦いの主導権を奪われたが、今度はこっちにも策がある!!!
——、【魔鎧装】、発動!!!
僕は魔力を送り込むイメージで、左手を地面につく。イメージするのは、袋小路のようになった壁。
袋小路を背にして背後からの攻撃を防ぎつつ、攻撃経路を絞るのが目的だ。
ものの一瞬で、イメージ通り袋小路の壁が出来上がる。
「なんだと……!?そんな事までできるようになったのか……だがアルマ、それではお前も逃げ場がないぞ?さて、どう戦う……!!!」
——案の定、3頭のアーマーフォックスが唯一開けている正面方向から一斉に空中回転体当たりを繰り出してきた。ここまでは計画通り……!!!
「うォォォォォォ!!!」
迫りくるアーマーフォックスの真下をスライディングで潜り抜けて、袋小路を脱出。その一方でアーマーフォックス達は、逆に袋小路に追い込まれた形になった。
——ここで最後の一手だ。【魔鎧装】、再発動。イメージするのは匣。先程の袋小路の壁に付け足す形で、ここで完全にアーマーフォックス達を捕らえる……!!!
「【魔鎧装:灰白の封匣】!!!」
袋小路の壁は灰白色の巨大な匣となり、僕はアーマーフォックス達を閉じ込める事に成功した。
「これで僕の勝ち……ですよね?あのアーマーフォックス達が匣を壊して出てくるなら、まだ続けますけど」
「……ハハハハハハハハハハ!!!アルマ、お前の勝ちだ!!!この短期間でよくぞここまで成長した!!!」
ロブスさんは驚きながらも満足した様子で大笑いしている。よし、これで前の試合のリベンジは成功だね。
既に勝敗は決まったので、【魔鎧装】を解除してアーマーフォックス達を解放する。
3頭のアーマーフォックスはロブスさんの指示で大人しく檻に戻った。




