【0話】人生の最期に見た夢
何も残せなかった人生の終わりに、俺はようやく“努力する意味”を知った。
だけど、ようやく掴みかけた未来は、無情にも終わりを告げる──。
これは、もう一度人生をやり直すことになった男の物語。
気がつくと、目の前が真っ白だった。
音もない。温度もない。ただ、ぼんやりと意識だけが浮かんでいる。
「……ああ、俺、死んだんだな」
不思議と実感はなかった。ただ、どこか他人事みたいにそう思った。
横断歩道を渡っていた時、信号無視の車が突っ込んできて——
──
意識が薄れていく中、ふと思い浮かんだのは家族でも、昔の恋人でもなかった。
人生で初めて「親友」だと思えた男の、あの言葉だった。
あいつと出会わなければ、俺はきっと、変われなかった。
──
俺は、逃げてばかりの人生だった。
勉強も、部活も、人付き合いも、全部どこかで「無駄だ」と決めつけて、最初から諦めていた。
「どうせ俺なんか」「頑張ったって意味がない」
そんな言葉を言い訳にして、可能性から目を背けてきた。
だけど、二十代も半ばを過ぎた頃。
趣味のサークルで出会った男が、俺の価値観を変えた。
名前は、結城誠司。
俺と同い年で、大手企業に勤めていて、既に家庭を持ち、誰にでも分け隔てなく接する器の大きなやつだった。
誠司は、努力を重ねてきた男だった。
「苦労は買ってでもしろ」なんて冗談混じりで言うけれど、その言葉の裏には、何度も転んで、それでも立ち上がってきた重みがあった。
最初は眩しすぎて、正直苦手だった。
でも、何度も会ううちに俺は気がついた。誠司は誰かと自分を比べたりしない。成功も失敗も、ただの経験として受け入れるやつだった。
気づけば俺は、誠司に本音を話していた。
今までどれだけ逃げてきたか、自信が持てなかったか、そして……「俺も、お前みたいになりたい」と。
誠司は真剣に俺の話を聞いてくれて、そして笑って言った。
「お前なら出来るよ。人生なんて、いつからでも変えられるさ」
その言葉に背中を押されて、俺は人生で初めて努力というものを始めた。
まずは体を鍛えることから始めた。
週三のジム通いに加えて、毎朝五時起きでランニング。最初は息が切れて歩くだけで精一杯だったが、三ヶ月後には10kmを走れるようになっていた。
同時に、語学と資格の勉強にも挑戦した。
簿記、TOEIC、ビジネスマナー、面接対策。
一日一日が勝負だった。眠くても机に向かった。わからないことは調べて、覚えて、書いて、繰り返した。
そして、資格を取った後に受けた就職面接。
緊張しながらも、自分の言葉で今までのことを伝えた。結果、初めて正社員として働くことが決まった。
あの瞬間は、涙が出るほど嬉しかった。
俺の人生が、ようやく一歩前に進んだ気がした。
——あいつのおかげで、俺は変われたんだ。
ようやく、努力が報われる日が来たんだ。
これからだって、俺はもっと頑張れる。そんな風に思っていた。
……だけど。
その矢先に、俺の人生は終わった。
──
事故で意識が遠のく中、頭に浮かんだのは「なんで今なんだ」という理不尽な思いと、誠司の言葉だった。
努力は、報われる——そう信じたばかりだったのに。
でも、それでも俺は信じたかった。
あの言葉も、努力も、俺が掴みかけた未来も——全部、無駄じゃなかったって。
だからもし、もしも次の人生があるのなら。
今度こそ、努力が実を結ぶ世界で生きてみたい。
俺のすべてをかけて、報われる未来をこの手で掴みたい。
たとえそれが、どんな世界であったとしても——
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
この作品は、私にとって初めての創作作品になります。
10代からたくさんの作品を読んできて、自分の好きな設定で、物語を作ってみたい。そんな軽い気持ちで書き始めました。
国を作り変える系の話が大好きなので、この作品も辺境の領主からの成り上がりをする物語にしようと思っています。
始めたばかりで至らない点もあるかと思いますが温かい目で見ていただけると幸いです。
とりあえず当面の目標は飽きずに幼少期編完結まで書ききることです。
よろしくお願いいたします！
※この作品はAI（ChatGPT）を一部使用して作成しております。
基本的な設定はオリジナル（自分の好きな作品の設定を取り入れたりしているのでオリジナルとは言えないかも）で、細かい設定(キャラ名など)や文章の添削などAI機能を使っております。
あくまで趣味の範囲での創作になりますので、特に問題ないかと考えておりますが、問題がもしありましたらご指摘いただけますと幸いです。
