表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

アジサイ

作者: さとう
掲載日:2025/06/28


しとしとと、雨が降っている。

梅雨は嫌だ、じめじめするし、傘を差さないといけないし。


「ねえ、どこ見てるの?」


ファミレスに一緒に来ていた彼女に声を掛けられる。


「…外。」

そう短く答えると、あー…雨すごいもんねぇと彼女が返事をした。

呑気な返事がすごく腹が立った。


「…で、もう三回目の浮気だけど?」

イライラした気持ちが声に乗る。


「……そうだね」

すんなりと認める彼女にさらにいらいらした。

なんでこんな女と付き合ってるのだろう、三回も浮気をされてまで。

ごめん…と小さく彼女が謝った。


彼女が悪いのは明らかなのだが、毎回そう申し訳なく謝られると

僕はなんだか僕の方が申し訳なくなって許してしまうのだ。


だって僕が好きなのは自由奔放に笑ってはしゃぎまわる彼女だからだ。

でも、でも、さすがに三回目は許せそうになかった。


4年付き合って三回浮気されて、僕はもう疲弊してしまった。


彼女が外を見る。

そのまま僕に別れよっか。といった。


お前がそれを言うのか、という気持ちと共に涙が出そうになって

ぐっと堪えた。鼻の奥がつーんとする。

上擦った声で、うん。とだけ答えた。


4年、付き合ってこんなにもあっさりと終わるのか。

楽しかった気持ちと浮気されて悲しい気持ちがごちゃ混ぜになって、

僕も顔を外へと向けた。


「…紫陽花の花言葉って知ってる?」

唐突に投げかけられた質問にびっくりして知らない。と答える。

彼女は顔を外へと向けたまま、だよねと笑ったかのような声で言ってすっと立ち上がり

お金、ここに置いとくねと行ってしまった。


僕は去っていく彼女の背中を見るのが怖くてしとしとと降る雨の中、

咲いている紫陽花をただ見ていた。








紫陽花の花言葉は色々ありますが、このお話では

僕=「辛抱強さ」 彼女=「移り気」、「浮気」、「無常」

と、捉えていただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんとまあ…(・口・)・・・ う〜ん(笑 なんと悩ましい作品でしょう(笑 ありがとうございました♡ ★瑞月サマの活動報告からきました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ