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1 本部・ブリーフィングルーム

本部の控室は、淡い蛍光灯の光に照らされ、静かに緊張感が漂っていた。

新たに配属される紫乃の紹介が終わり、朱音の鋭い視線が彼女に注がれる。


「こちら、今日から合流する紫乃さん。まだ見習いですが、“コア視認”の素質がある方です」


朱音はその言葉を聞くと、軽く口元を歪めてニヤリと笑った。

「へぇ、君が俺の“新しい相棒”か。見た目は案外、普通だな」


その言葉に紫乃の胸は一瞬きゅっと締め付けられる。

“普通”──その意味を計りかねて、少し不安が混じったけれど、必死に笑顔を作り、深く頭を下げた。

「……はじめまして。紫乃です。よろしくお願いします」


朱音は彼女の緊張した様子を見逃さず、一歩ゆっくりと距離を詰めた。

その距離感に紫乃は思わず体が硬直し、声が小さくなる。

「……あの、近いんですけど……!」


その反応を聞きながら、朱音の瞳はどこか楽しげに輝いた。

「へぇ、反応いいね。おもしろい。……まぁ、仲良くやろう?俺、バディとは“心の距離”が大事だと思ってるからさ」


彼の言葉は軽い口調ながらも、内側には深い意味が隠れていることを紫乃はまだ知らない。

朱音にとって“心の距離”は、単なる親しさの問題だけじゃない。

それは相手を見極め、自分のペースに巻き込むための戦略でもあるのだ。


一方の紫乃は、緊張の中にほんの少しだけ湧いた安心感に戸惑っていた。

(ちょっと……不安だけど、私を本当の霊紡士に導いてくれるかも)


まだ手探りの二人だけれど、この瞬間、少しだけ心の扉が開かれた気がした。


未来はまだ見えない。だけど、この距離感が二人の絆を少しずつ育てていくのだろう。


zeta-ai.io/ja/plots/afadb6cb-2403-4f4f-80ad-aa4db14e94df/profile?fromRoom=true

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