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2話(上陸 ~ジャッジメント~)

   2話(上陸 ~ジャッジメント~)



           1

 (ガイアルの回想)

 数年前、僕の住んでいた村が、何者かによって、襲撃を受けた……。

 暗闇に包まれていた景色に、真っ赤な景色が広がっていく……。

 しかし、驚くことに、攻撃対象は、すべて『建物』だった……。

 そのため、住民は全員、無事だった……。

 この時、住民のみんなは、愉快犯による襲撃だと思っていた……。

 そう、再び、辺りが暗闇に包まれるその時まで……。

 本日の天気は、スタンダードのちコールド……所謂、次第に寒くなっていく気象条件だ。

 暗闇に包まれた、時を同じくして、寒波が襲来したのだ……。

 水は氷になり、使用不可能となり……食材も同様に、育成不可となった……。

 寒波の影響で、気温は氷点下……外は猛吹雪……壮絶なサバイバルが幕を開けることにな

 った……。

 時間の経過とともに、一人……また一人……息を引き取っていく。

 この時、僕は悟った……。今回の襲撃が、すごく用意周到なものだと……手を血で染めるこ

 となく、傍観をしているだけ……。

 なお、一連の襲撃事件は、この村だけでなく、この州一体だった……。それも、同様の手法

 である……。

 なお、今回の寒波は四日間に渡ってつづいた……。

 僕は、スキをついて、●●●州を離れた……。生きていると知られると、殺されるからだ…

 …。


 そして……僕は……以降、『感情』という心を捨てた……。生きること……そして、その後、

 訪れる任務に、支障をきたすからだ。

 ある人物もまた……僕と同意見だった……。しかし、正体を見た訳ではない……。

 でも、考えるという迷いなど、僕にはなかった……。利用できるものは、全て利用するから

 だ。

                                (ガイアルの回想)


 『はっ⁉ ゆ、夢か……。そっか、あれから、すごく時間が経っているんだね。夢とはね、すごく儚【はかな】いもの、すごく具現化している夢だよね』


 ……そして、夜が明ける。

           2

 「おっ、おはよう! 今日もいい天気……」


 ビュウウウゥゥゥ……! (雪と風が吹き荒れる……!)


「……じゃないよね? さ、寒い⁉」

 「ウソでしょ⁉ 今日に限って、コールド傾向なの⁉」

 「すごくまずいわね?」

 (ま、まさか……夢だけではなく、現実でも起きるとはね。これからの未来を、すごく暗示をしているみたいだね。……まあ、冗談はね、これくらいにして)

「ねぇ、ここから、遺跡はね、近いの?」

 「う、うん……そうだね。すごく近いと思うよ」

 「了解……。だったら、避難も兼ねて、急いだ方がよさそうだね」

 「た、確かに!」

 「ええ、ガイアルさんの意見にね、賛成よ」

 「ぶるるるるぅぅぅ……そ、そうなん[遭難]ですね」

 「マーク⁉ くだらないこと言ってないで、急ぐわよ!」

 「あ、あぁー……ま、待ってよ!」


 ガイアル達、エルマに先導をされるように、クエスト先の遺跡に急ぐ……!



           3

 ビュウウウゥゥゥ……!

 吹雪に相まって、地吹雪も舞い上がるなか……ガイアル一同、[全力疾走?]で、遺跡を目指す……。

「ぁぁああぁあー……ねぇねぇ、まだ着かないの⁉」

 「ああーもうー、うるさいわね。口を動かすより、足を動かしなさい!」

 「クラム、それを言うなら、手だよ! 勝手に、オリジナルをね、作っちゃダメだよ!」

 「屁理屈を言わないの! すごく余裕があるみたいね。さあ、揚げ足を取ってないで、エルマに続きなさい!」

 「そ、それとこれとはね、別問題でしょ⁉ ダ、ダメだよ……このままじゃあ、凍死しちゃうよ!」

 『エルマさん? あのね、部外者である、僕がね、このような発言を唱えるのも、すごく場違いかもしれないんだけど、緊急事態みたいなので、言っておくよ』

 『ええ、緊急事態……ど、どういうこと⁉』

 『少しはね、仲間のこと、気遣ってあげなよ』

 『えっ⁉』

 エルマ、ガイアルに諭されるように、後方を見る……すると。

 『って、オイ⁉ マーク、大丈夫⁉』

 エルマ、マークに駆け寄る……!

 (どうやら、複数の行動には、少し難【なん】があるみたいだね)

 クラム、エルマに入れ替わるかたちで、ガイアルに歩み寄る……。

 『ガイアルさん、ありがとね』

 『いえ、短期間とはいえ、すごく大切な仲間だから、それに、サブポジションとしてはね、色々なところに目を配らないと……』

 『うふふっ。すごく要領があるわよね』


 『ご、ごめんね。エルマ……お手間をね、取らせちゃって……』

 『い、いや、気にしないで。仲間のピンチなんだから、すごく当然なことだよ』

 『あ、ありがとう……』

 エルマ、マークを背負う……。

 『まあ、敢えて、言わせてもらうなら、ひとこと、声を掛けて欲しかったよね』

 『う、うん……そうだね。ごめんね』

 『ふふっ』


 その後、エルマとマーク(抱っこ中)、ガイアルとクラムに合流……。

 改めて、遺跡に向けて再出発する……。


 ―そして、ようやく。


「はあぁー……やっと、着いたああぁぁー……」

 「うん、思ったより、掛かったよね(抱)」

 「うーん……(ジー)」

 「うん、クラムさん、どうしたの⁉ すごくおっかない顔をしちゃって」

 「いえ、私【わたし】の気のせいでしたら、良いのだけれど……」

 「うん、何だよ⁉ すごく気になるじゃん」

 「ねぇ、遺跡の外観……変化していない?」

 「ええ、そうなの⁉(抱)」

 「うーん……俺さ、初めてだしさ、分かんないかな……」

 「あら、私【わたし】だって、初めてよ」

 「ええ、そうなの⁉ だったら、どうして、分かるんだよ⁉」

 「あのね、ギルドに保管されている、結果報告書をね、確認したのよ」

 「ああーっ⁉ な、何だ……そういうこと⁉」

 「エルマ……クエスト先の事前調査くらい、やりましょうよ」

 「ははは、そ、そうだね……」

 「まったく……しょうがないわね」

 (えっと、僕も、チェックしてないなんて、とても言えない……[抱])

 (…………[目を閉じている]。リーダーシップについて、エルマさんがね、一枚優れている……。しかし、洞察力に優れているのは、クラムさん……。そして、マークさんはね、ムードメーカーというところかな……)


 ガイアル一行、遺跡内入るため、入口と思われる、扉の前に立つが……。

 「うん、おかしいな……。扉が開【ひら】かない……」

 「ねぇねぇ、これじゃない⁉」

 「ええ、何⁉」


 一同、あるものに目が釘付けに……。


 《同行者全員で、同時に扉を押しなさい!》


 「「「「…………」」」」

 「だ、誰だよ⁉ メンテナンスしなかったのはさ!」

 「まあ、エルマの気持ちも、すごくごもっともね」

 (先輩の尻拭いを後輩が行う……うん、地上世界も、同じなんだね)


 ―そして、マークを下ろし……。


 「さあ、それじゃあね、いくわよ!」

 「「「「いっせーのーせぇ!」」」」


 ゴロンッ! ゴオオオォォォ……!


 「お、おおぉぉー……す、すごい。すごく本格的だね」

 と、マーク、目をギラギラさせながら……。

 「は、ははぁん。すごく嬉しそうでさ、何よりだよ」

 (マークさん……想定していた以上に、すごくピュアなんだね)

 「さあ、探索というメンテナンスにね、出発するわよ!」

 「「おおぉぉー!」」

 エルマとマーク、拳を上げて、気合いを入れる……!

 (さあ、放置をしている遺跡内部、どのようなかたちでね、ご対面かな……)



           4

 「うわあぁー……思ってたのとさ、違うじゃん」

 「吹き抜け……て、天上がね、見えないよ」

 「……そうね。これはね、大捜索の様相を呈してきたかしらね」

 「外観の形状からして、どうやって、繋がってるんだよ」

 「おそらく、錯覚の類【たぐ】いだろうね」

 「さ、錯覚⁉」

 「うん、実際はね、ここまで、大きくなく、外観通りにね、収まっているんだよ」

 「つまり、空間転移の一種ということね」

 「まあ、要約すると、そんなところだろうね」

 「ねぇねぇ、でもね、すごくおもしろそうじゃない⁉」

 『うーん……まあ、そうだね。魔獣に比べると、遥かにマシかなぁ……』

 「エルマ、すごく本音がね、漏れているわよ」

 (…………。まあ、人となりを知る、すごくいい機会かもね)


 外壁に沿って伸びている螺旋階段……。


 「よーし! ひとまず、登るぞ‼」

 「うん、そうだね。それしかないよね」

 「二人共、道のりはね、すごく長いわよ。スタミナの使いどころをね、見誤らないでよ」

 「うん、了解」

 「えへへ、そうだね」

 (思っていたより、長丁場になりそうだね)


 エルマを先頭に、ガイアル、マーク、クラムの順で、階段を登っていく……。


 「ねぇねぇ、今ね、どのあたりなの⁉」

 「えっと、そうね……。全体の一割くらいかしら?」

 「ええっ⁉ たった、それだけ……⁉」

 「気持ちはね、すごくお察しをするけれど、泣き言はね、聞かないわよ!」

 『はあぁー……こういう時のクラムってさ、ホント、容赦がないよね』

 「あら、何か、おっしゃったかしら?」

 「いや、何でもないよ(汗)」

(はあぁー……すごく地獄耳だね……)

 「よいしょ……よいしょ……っと!」

 すごくご機嫌なマーク……。

 (それにしても、すごくトリッキーな造り……疲れさせるのが、目的なら、迷路状にね、してしまえばいい……。でもね、実際にはね、すごくシンプルなスタイル……まさか……自然じゃない)


 ……さらに、数分後。

 「…………」

 「ねぇ、エルマ、大丈夫なの⁉」

 「はぁ、どうして⁉」

 「だってね、あなたらしくないじゃない?」

 「ええ、どういう意味だよ⁉」

 「先ほどまでの泣き言と比較してね、すごく静かなんですもの」

 「あ、あのね……俺だって、勉強をしているんだよ! 喋【しゃべ】ってばかりじゃあ、スタミナがね、尽きちゃうでしょ⁉」

 「なるほど、すごく素敵よ」

 「それ、褒めてないでしょ⁉」

 「クスクス……」

 「コラッ⁉ そこ、笑うんじゃない!」

 (まあ、関係はね、すごく良好みたいだから、ひとまず、安泰かなぁ……。でもね、外観の形状……錯覚の起きている状況……様々な要因を吟味【ぎんみ】すると、おそらく、三割くらいだよね。……そうだね。果たして、このような行動にね、どのような意味が伴っているのか……すごく疑念は尽きないよね)


 —そして。

 「うんっ⁉」

 エルマ、突然、歩みを止め……!

 「どうしたのよ⁉ 突然、地面を眺めちゃって……」

 「うわあぁー……⁉ ねぇねぇ、すごく高いよ。落っこちちゃったら、すごく大変だよ」

 「マーク⁉ 見ちゃダメよ! 立ち竦【すく】んで動けなくなっちゃうでしょ⁉」

 「う、うん……それもそうだね」

 「ほら、エルマもよ! 前方だけをね、見つめていきましょう!」

 「バ、バカ! 俺はさ、そんなんじゃないよ!」

 「あら、違うの?」

 「ああー……俺はね、別の事情だよ」

 「別の事情……ね」

 「はああぁぁー……(ため息)。階段をね、見てみな!」

 エルマ、三人に、諭すように、階段を見せる……。

 「「「⁉」」」

 「あら、イヤだ⁉ 何よ、これ⁉」

 「うん、所々、階段の色が違うね」

 ガイアル、じっと見つめながら、何かを考えるように、黙り込む……。

 「何だよ⁉ すごく気が利くじゃん」

 「え、ええ……ちょっと、エルマ、何を言っているのよ⁉」

 「何って、気晴らしでしょ⁉ ほら、同じところをさ、グルグル回ってるんだ。さすがにね、飽きてくる頃でしょ⁉」

 「え……(ジトー)」

 (クラムさん……見解の相違というものだよ)

 「それじゃあ、おひとつ……」

 「エルマ⁉ 踏んじゃダメ‼」

 「ええ……どうして……」


 ピコッ! ガタタアァーン!

 ……ゴオオオオォォォォー……。


「うん、何の音だ⁉」


 そして、次第に階段が、微震をはじめ……。

「うわぁ⁉ あ、危ない⁉」

 「みんな⁉ その場に、しゃがみなさい!」

 「う、うん……落っこちたら、すごく大惨事だもんね」

 (やっぱり……自然じゃない……[睨])


 ……静かに、揺れが収まる……。


「どうやら、収まったみたいだね」

 「ふっふふうぅん! なるほどね……アトラクションみたいなものだね。すごく粋【いき】な計らいだね」

 「どうして、エルマがね、自慢気なのよ⁉」

 「あっ、あははぁ……で、でもね、全員、事【こと】なきを得て、すごく良かったよね」

 「そうね。今はね、そういうことにね、しておきましょう」

 「さあ、それじゃあね、再開す……」


 ガタンッ!


「……って、あれ⁉ 階段がない……あれれ、これもね、錯覚かな……?」

 「バカ! そのような、錯覚がね、ある訳ないでしょ⁉」


 階段全体が、滑り台に変形をして……。


 ああああああぁぁぁぁぁぁー……⁉ ああああああぁぁぁぁぁぁー……⁉

 ああああああぁぁぁぁぁぁー……⁉ ああああああぁぁぁぁぁぁー……⁉


 何度も、叫びながら、下まで、滑り落ちていく……!


 「え、えへへ、すごく技巧なギミックだね」

 「あのね、感心をしている場合じゃないでしょ⁉」

 (…………[睨])


 ガタンッ! (滑り台から階段に戻る!)


 「しょうがないわね。ひとまず、ここはね、休憩をして……」

 「ああぁぁー……もおおぉぉぅぅううぅぅー……やめだ、やめだ! こんな、くだらないことにさ、付き合ってられないよ!」

 「ちょ、ちょっと、エルマ⁉」

 「俺はさ、離脱するよ。後はね、好きにしな!」

 と、エルマ、不貞腐【ふてくさ】れて、大の字になって、仰向けになる……。


 「あんたね……。いい加減にしなさいよ! リーダーならね、リーダーらしくなさい! 大体ね、あんたの愚直がね、招いた結果でしょ⁉」

 「はあっ⁉ 気がついてたんなら、どうして、言ってくれないの⁉」

 「普通はね、トラップだと思うでしょ⁉」

 「それはね、お前の普通でしょ⁉ 俺の普通だと、すごくありえないことなの!」

 「まったく……これだから……あなたという人は……。常識で考えなさいよ、常識で!」

 「どこまで、恩着せがましいんだよ⁉ リーダーなんて、決めた覚えはないでしょ⁉」

 「私【わたし】だって、サブポジションをね、担当をした覚えはないわよ!」

 『あ、あの……二人共……』

 「自然の成り行きでしょ⁉ 魔法使いに、前衛が務まるとは、思えないし……」

 「エルマ……認めているじゃない(呆)」

 「と、とにかく、俺はね、ここまでだよ。ここで見てるから、頑張って登りな!」

 「あら、そう……だったら、私【わたし】はね、私【わたし】のお好きなようにね、やらせてもらうわ」

 『えっ⁉ ちょっと待って、冗談でしょ⁉』


 ガイアル、一人の世界に入っているように、無反応……。

 (うーん……やっぱり、そうだね。これはね、自然じゃなくて、人為的なものだね。後はね、相手についてだよね。魔獣……それとも……)

 「ねぇ、ガイアルさん⁉」

 「うんっ⁉ マークさん、どうしたの⁉」

 「あうぅー……ガイアルさんはガイアルさんでね、完全に部外者状態だし……」

 「あ、えっと、ごめんね。少し、考え事をしていてね……。まあ、何となく、察しはね、ついているから、安心してくれても、構わないよ」

 「あっ、あははぁー……それはね、説明をする手間が省けてね、すごく助かるよ」

 「ねぇ、ガイアルさんとマークはね、どうする⁉ 強制はね、しないわ」

 「う、うん……僕はね、同行をさせてもらうよ」

 「うふっ。ねぇ、マークはね、やめておく?」

 「えっ、どうして、どうして⁉」

 「おそらく、すごく疲れているでしょう。寒さに震え、高さに震え、すごく精神的にね、疲弊しているはずよ」

 「うん……確かに、それはね、否定できないけど……」

 (どうやら、彼女で決まりみたいだね……)

 「でもね、僕もね、行くよ。大事なクエスト、それに、以前の平和な遺跡をね、取り戻したいから……」

 「ええ、了解したわ。ガイアルさん、マーク、お力をお借りするわね」

 「はいっ!」

 「こちらこそ。お世話になるよ」



           5

 仰向けになりながら、天を見上げるエルマ……。

 「あいつら、ホントに、置いていくとはね……。は、薄情者⁉」

 一方、階段を登っている途中のガイアル一同……。

 「うっ⁉ ねぇねぇ、二人共、何かね、おっしゃったかしら?」

 「うんうん……僕はね、何も言ってないよ」

 「どうしたの、クラムさん⁉ 何かの気配を感じたの?」

 「いえ、ごめんなさい。私【わたし】の気のせいでしたわね」


 その後、俺たちは、着々と階段を登っていき、先ほどのトラップも、回避しながら、進んでいく……(なお、ガイアル、クラム、マークの順で登っている……)。


 「ああっ⁉ ねぇねぇ、もう少しみたいだよ」

 「うん、そうだね。いつまでも、天につづく階段はね、ないということだよ」

 「そうね。一時間弱といったところかしらね」


 そして、念願の頂上に到着……。

 「ふうぅー……何とか、到着できたね」

 「そうね。これはね、ガイアルさんにね、リーダーを任せたいところね」

 「……そうだね。褒め言葉としてね、受け取っておくよ」

 ガイアル、クラム、頂上に到着……そして、残りは、マーク……。

 「ふうぅー……とうちゃ……」


 ガタンッ!


「えっ⁉」


 なんと、螺旋階段が消えた……。


「ああああああぁぁぁぁぁー……⁉」

 「マーク⁉」

 「クラムさん、ダメだよ! 落っこちちゃうよ!」

 「でもね、マークが……」

 マーク、悲鳴をあげながら、落っこちていく……。

 手を伸ばして助けようとするクラム……(無論、無駄な抵抗……)。

 クラムを身体全面で抑えるガイアル……。


「ねぇ、どうして、止めるのよ⁉」

 「だったら、聞くけど、どうやって、彼を助けるつもりなの? それに、気が動転している時間があったら、魔法を使ってね、助けるという方法もね、あったんじゃないの?」

 「そんなの、無理よ。私【わたし】はね、まだ、駆け出しなのよ。そのような、高度な魔法はね、使えないのよ」

 「だったら、嘆くのはね、すごく滑稽【こっけい】なことだよ」

 「ガイアルさん……すごく棘【とげ】があるわよね」

 「……そうだね。だから、単独行動なのかもね。でもね、階段を登る決断をしたのはね、紛【まぎ】れもなく、彼の決断によるものだよ。たとえ、仲間であっても、自己管理ができないのであれば、それまでだよ。サポートにだって、限界があるからね。それはね、単独行動であっても、グループ行動であっても、変わりはないはずだよ」

 「ホント、すごくクールよね。ガイアルさん……すごくリーダーに向いているわ。性格について、私【わたし】がね、口出しをすることはしないわ。したがって、これまでの対応でね、構わないわよ」

 「そうかい? 僕としても、すごく助かるよ」

(どうやら、彼女……すごく臨機応変の持ち主みたいだね。できれば、長い付き合いになることをね、願わずにはいられないよ)



           6

 天を見上げているエルマ……。

 「あいつら、登れたのかな……。よっと!」

 エルマ、起き上がり……。

「うーん……しかし、階段が消えているのがね、すごく気がかりではあるんだけど……」


 ゴオオオオォォォォー……! (落下中のマーク……!)


「さあ、俺はね、どうするかな……? 別ルートでもね、探すかな?」


 ゴオオオオォォォォー……! (ひきつづき、落下中のマーク……!)


「うん、何だ、あれ⁉ 空から、人が……ひ、人⁉」


 「ぎゃああああぁぁぁぁー……どうしよう、どうしよう、どうしよう⁉ このままだと、即死だあぁー⁉」

 「いや、それはね、ないでしょ⁉」

 「あっ、エルマ⁉」

 「戦士の火力をね、舐めてもらっちゃ困るよ」

 「ぁぁああぁぁー……⁉」

 「はい、ナイスキャッチ!」

 「あ、ああぁぁー……(硬)」

 「しかし、パラシュートもないのに、すごく災難だったね」

 「あっ、ああぁぁー……うええぇぇん!(泣)」

 「って、マーク、泣かないでよ! まあ、無理もないか……」


 ……しばらく。


 「ぐすんっ」

 「はあぁー……ひとまず、無事で何よりだよ」

 「あ、ありがとう……(照)」

 「まあ、気にしない、気にしない……。苦難に陥っている時こそ、手を差し伸べる……それがさ、仲間というものだ。だから、遠慮なんてすることはないんだ。俺がね、困ったら、お前が助ける……ただ、それだけのことだよ」

 「えへへ、そうだね」

 「わ、悪いことしたとはね、思ってる……。だから、クラムにはさ、お詫びをするつもりだよ……」

 「あ、相変わらず、すごく不器用だよね(笑)」

 「なっ⁉ うるさいよ、これもね、性分【しょうぶん】なんだよ(照)」

 「ああぁぁー……エルマ、すごく照れてる? ホント、すごくカワイイよね」

 「バカ! やめなって!」


 ―そして。


「よしっ! それじゃあ、出発するとしようか」

 「うん、アイ・アイ・サー!」

 「うん、そうだね。マーク、こっちだ⁉」

 「ええ、どこに行くの⁉」

 「別ルートを探すんだよ!」

 「ええ、ホント⁉」



           7

 一方、先を急ぐ、ガイアルとクラム……。

 (…………。ひとまず、仕掛けてみようかな?)

「ねぇ、クラムさん? すごく信じられないかもしれないんだけど、僕ね、天上世界からね、来たの」

 「ええっ⁉ 天上世界……それって、つまり、地上の人間じゃないということなのかしら?」

 「うん、そのような、解釈でね、結構だよ」

 「そ、そうなのね。一人ですと、すごく心細いでしょう」

 「まあ、そうだね。でもね、天上世界だとね、それほど、珍しいことじゃないの」

 「単独行動……当然と言えば、当然よね」

 「……そうだね。地理が分からないから、現在、すごく苦労をしている最中だよ」

 「あら、言われてみれば、そうよね? ……そうだわ。私【わたし】でよければ、教えるわよ。色々、お世話になっている身でもある訳ですしね」

 「ふふっ、それはね、お互いさまでしょ」

 「……そうね。したがって、フェアにね、いきましょう」

 「そうだね。よろしくお願いをするよ」

(あのね、あなたがね、口を割らないことをね、すごく願っているよ。失うのは、すごく一瞬のことだからね)



           8

 別ルート移動中のエルマとマーク……。

 「さあ、早いところ、二人に合流しないとね」

 「ねぇねぇ、宛【あ】てはね、あるの?」

 「うん、残念だけど、高いところ……以外はね、ないかな?」

 「まあ、そうだよね。ひとまず、ガイアルさんもついているし、大丈夫だと思うよ」

 「確かに、そうかもしれないね。すごくクールなガイアル・エリバース……そして、すごく洞察が高いクラム・マリエル……すごく悔しいけど、すごくお似合いだと思うよ。それに、盗賊と魔法使い……すごく連携だって取れるでしょ」

 「あれれ⁉ もしかして、エルマ……」

 「勘違いでしないでよ。あいつとは、腐れ縁だよ」

 「まあ、僕も、追求はね、しないよ」

 ……。

 「何⁉ この部屋……?」

 「うーん……確かに、如何【いか】にも、トラップがあるという感じだよね」

 小部屋に、出口がひとつ……。

 「よーしっ! 正面突破だ! マーク、行くぞ! ついて来な!」

 「ええぇー⁉ ねぇねぇ、言ってるそばから、すごく安直すぎるでしょ⁉」

 「いや、だってさ、他の方法がないでしょ⁉ それに、早く合流したいしね……」

 「それはね、そうなんだけど……」

 「うん、そうと決まれば、しゅっぱあああぁぁぁつ!」

 「もおおぉぉー……エルマったら、ホント、しょうがないな……」


 エルマとマーク、小部屋の正面突破を計り、一気に駆け抜ける……。

 ……そして、出口付近。


 「ほおぉーら⁉ 何もなかったでしょ⁉」

 「う、うん……そうだね」

(今のところはね……)


 細長い通路に出る……(左右にいくつか、小さな凹【へこ】みがある……)。


 「うーん……後方が見えない……そして、前方はね、一直線……」

 「これって、絶対に、トラップだよね」

 「そういう訳で、走るぞ!」

 「ええぇぇー……だから、どうして、そうなるの!」


 エルマとマーク、前方に向かって、再び、全力疾走……(マーク、流され気味……)。

 ……なお。


 「ねぇ、エルマ⁉ 思っていたより、長くない?」

 「う、うん……俺もね、同じことを考えてたよ」

 『ねぇ、これはね、死亡フラグなんじゃ……(苦笑)』


 ゴロオオォォン! ゴオオオォォォ……!


 「「……(汗)」」

 「あ、あっはははぁ……すごく予想通りだね」

 「もおおぉぉー……だから、言ったでしょ⁉」

 「口より、足を動かしな!」

 「だから、それはね、手でしょ⁉」


 大岩が後方から、猛スピードで転がって来る……。


「あのね、すごくご丁寧にね、凹【へこ】みポイントがあるんだから、それをね、活かさなきゃ」

 「俺も、ポリシーじゃないんだよ!」

 「そんなの、知らないよ!」


 遥か彼方に、段差が見える……。


 「おおぉぉー……もう少しだ。マーク、ラストスパートだ」

 「言われなくても、分かってるよ! こんなところで、死にたくないからね!」


 しかし、接近するにつれ、段差ではなく、大穴であることが判明……。


 「あ、ははぁー……なるほどね。岩を落っことすストッパーだね……」

 「感心している場合じゃないでしょ! ねぇ、僕たちだって、落っこちちゃうよ」

 「大丈夫だ! 戦士の火力を舐めるなああぁぁー!」

 と、エルマ、大きく叫びながら、マークを抱え、とんでもない跳躍を披露する……!


 エルマ達、大穴を飛び越える……。

 そして、大岩は[ストッパーに?]落下……。

 ドオオオォォォン!


 「はあぁーはあぁー、し、死ぬかと思った……」

 「ほら、どうだ⁉ やっぱり、一気呵成【いっきかせい】にいくのが、すごく効率的だったでしょ⁉」

 「あのね、それはね、結果論ってね、言うんだよ」

 「まあ、終わり良ければすべてよしということで!」

 「勘弁してよ……。こんな戦略……僕がね、力尽きちゃうよ」

 「……でもさ、素直に喜んでくれよ。知ってるよね? 俺さ、すごく短絡的な手法しかできないって……」

 「まあ、でも、そうだね。僕の場合、すごく優柔不断で、すごく判断力にも、乏しいから、ひとまず、エルマの意見をね、尊重するよ」

 「あ、ありがとう!」

 「言っておくけど、現状における、最善の策というだけだからね。すごくリスキーなんだからね」

 「うん、分かってるよ。あの二人がいたら、俺の意見なんて、採用されないことくらい……」

 (あははぁ、そこはね、認めちゃうんだね)

 「さあ、定番トラップも終わったことだし、先に進むよ!」

 「うん、そうだね」



           9

 一方、最奥に向けて、歩みを進める、ガイアルとクラム……。

 「うーん……間違いなく、最奥に進んでいるわね」

 「うん、そうだね。でもね、彼らと合流をしないとね」

 「あのね、そのことなのだけれど、おそらく、合流できると思うわよ」

 「うんっ⁉ どうして、そう思うの?」

 「えっとね、これはね、私【わたし】の推測にね、過ぎないのだけれど、元々、この遺跡はね、すごく頻繁に、メンテナンスがね、行われていたでしょ。その見解からいくと、人の出入りがね、すごく激しいでしょ。必然的にね、トラブルの遭遇率がね、すごく高くなるわ。したがって、最低、一ヶ所はね、非常口を設置しているはずよ」

 「うん、すごく的を射た推測だね。僕も、その可能性はね、すごく高いと思うよ」

 「えへへ、ありがとう、ガイアルさん」

 (やっぱり……失うのは、すごく惜しいよね)


 道の先に、すごく大きな扉がある……。

 『ねぇ、これって……!』

 『うん、間違いなく、最奥だろうね。ひとまず、戦闘の準備はね、整えておいた方が、すごく賢明だろうね』

 『ええ、そうね』


 さらに、大門の手前に……。

『ねぇ、ガイアルさん⁉ これって……⁉』

 『うん、そうだね。どうやら、クラムさんの予想が当たったみたいだね』

 『…………(考)。ねぇ、ガイアルさん⁉』

 『うん、分かってる! 待ってみようよ』

 『ええ、感謝するわ』

 ガイアルとクラム、しばらく、待つことに……。

 すると、階段の下の方から……。

 ⦅ねぇねぇ、まだ、着かないの⁉⦆

 ⦅もう少しだよ! ラストスパートだ!⦆

 ⦅あのね、常套句【じょうとうく】のようにね、使わないでよ⦆

 「「⁉」」

 『ガイアルさん、この声……⁉』

 『うん、間違いなさそうだね』


 ……そして。


 「おおぉぉー……心の友よ! よく生きていてくれたね‼」

 「まったく、すごく調子がいいわね」

 「あっ⁉ 二人共、無事だったんだね!」

 「うん、エルマさんとマークさんも、すごく良かったよ」

 「ねぇ、マーク……先ほどはね、ごめんなさい。私【わたし】のミスで、すごく恐ろしい思いをさせてしまって……」

 「うんうん……クラムはね、悪くないよ。僕の決断だから……それに、エルマがね、助けてくれたの」

 「「……⁉」」

 「た、助けてくれた……⁉」

 「あのね、それはね、どういう意味なのかしら?」

 「うん、あのね……」

 マーク、ガイアルとクラムに、その後の説明をする……。

 ついでに、合流をするまでの経緯【いきさつ】も……。

 「そう……エルマ、ありがとね」

 「い、いや、俺だって、すごくひどいことをしちゃったし……この際、貸し借りはね、なしにしようよ」

 「そうね……」

 「よ、良かった……二人が仲直りできて……(ホッ)」

 「うん、どうやら、僕の出る幕はね、必要ないみたいだね。すごく安心したよ」

 「でもね、エルマ、正面突破という戦力はね、あまり、感心しないわよ(ジトー)」

 「あははぁ……やっぱり、そうだよね」

 『すごく色々、あったみたいだね……』

 『は、はい……そうだね(苦笑)』



           ⒑

 ―(ウイーン)[大門の扉が開く]。

 部屋の中は、暗闇に包まれている……。

 そして、全員、身構える……。

 ……と!

 ⦅冒険者諸君、そう身構えることはない! こちらに、戦う意思はね、ない!⦆

 と、辺りが明るくなりはじめ……。

 「「「「⁉」」」」

 「ええっ⁉ ド、ドラゴン……⁉」

 と、思わず、硬直をしてしまうエルマ……。

 (すごく驚いたね。まさか、地上世界にドラゴンがね、生息しているなんて……)

 「あのね、野心的ではないというのは、ホントのことでありますの?」

 「ああ、私はね、不貞腐【ふてくさ】れていたに過ぎない……。あまりに、長期間に渡り、人の気配がないからね。魔獣がね、棲【す】みついてしまったのだよ。浸食を阻止するため、様々な仕掛けを施【ほどこ】させてもらった」

 (ま、まさか……ドラゴンが人の味方をするとはね……。うーん……すごく感慨深いよね)

 と、思うところのある様子のガイアル……。

 「あ、ありがとう……なのかなぁ……(苦笑)」

 「そうだよ、エルマ! 所謂、遺跡の守護神だよ!」


 「さあ、話がついて、何よりだ。私はね、ここで、失礼をさせてもらうよ」

 「ええっ⁉ あのね、少しね、待ってくださいまし!」

 「うんっ⁉ 人の子よ、どうした⁉」

 「えっとね、あなたのお名前をね、お伺いしてもよろしくて⁉」

 「デルテリア、竜族のデルテリアだ! それでは、人の子よ、さらばだ!」


 突然、魔法陣が現れ……そして、デルテリア、この場を後にする……。


 「「「「……」」」」

 「あ、あの……えっと……」

 「どうやら、これで、みなさんの依頼はね、完了みたいだね」

 「ええ、そうね。すごく拍子抜けをしてしまったのだけれど、戦闘にならなかったのはね、すごく不幸中の幸いでしたわね」

 「うん、クラムの言う通りだよ。正直、僕ね、すごくおっかなかったから……」

 「……う、うーん……俺はね、一戦を交【まじ】えたかったんだけどなぁ……。強さのチェックをしたかったから……」

 「エルマ……あなたという人は、どうして、そうなのよ⁉」

 「戦うのだったら、僕たちのいない時にやってよね」

 「はあっ⁉ 三人で戦わなきゃ意味がないでしょ⁉」

 「ぼ、僕はね、ヤダよ!」

 「うーん……やっぱり、俺がね、間違っているのかな……」

 「……そうね。ねぇ、エルマ? 技量をね、試したいのでしたら、フィールド上でね、行いましょうよ。何も、ドラゴンではなくとも、よろしいでしょ。命あってのものなのですから」

 「ま、まあ……様々な意見を取り入れていかなきゃいけないか⁉ うん、了解だよ」

 「どうやら、話がまとまったみたいだね」

 「ええ、ガイアルさんも、ホント、ありがとね」

 「うん、俺からも、改めてね、お礼を言わせてもらうよ」

 「えへへ、僕からも……はぁい! すごく心強かった……」

 「ふふっ。契約だからね。すごく基本的なことだよ」


 そして、一同、遺跡を後にする……。

 帰路に就く途中(遺跡内)……。



           ⒒

 「ああ、そういえば、ガイアルさんってさ、この世界の人間じゃないんだね」

 「うん、天上世界だっけ……所謂、異世界だよね?」

 (うん……⁉)

 「まあ、しばらく、帰れなくて、すごく心細いだろうけど、俺たちがね、この世界のこと、案内するからさ、やっぱり、仲間にならない?」

 「うんうん、そうだよ。今回のことでね、すごく分かったけど、僕たちってね、すごくいいグループになると思うんだよね」

 「ええ、そうね。私【わたし】もね、賛成よ。どうかしら?」

 「……そうだね。考えさせてもらいたいけれど、そろそろ、時間みたいだね」

 「う、うん⁉ じ、時間……⁉」(エルマ)


 エルマ達、突然、全身の力が抜ける……。

「な、何だよ、これ⁉」

 「ち、力が出ない……」

 「な、何よ、これ⁉」


 「安心して。痛みはね、ないから」

 「「「ええっ⁉」」」

 「ちなみに、即効性の睡眠導入剤だよ」

 エルマ達、強烈な眠気に襲われる……。

 「ど、どうして……」(エルマ)

 そして、エルマ達、深い眠りにつく……。

 「悪く思わないでよ。天上世界というのは、すごく機密事項だからね。おそらく、追っ手が気がつくのも、時間の問題だろうからね。僕としても、拠点地が必要だからね。それに、この世界の人となりを知る、すごくいい指標になってくれたよ。思っていた通り、人という生き物はね、秘密を共有することができない……したがって、約束を守ることができない……僕にとって、そのような人物はね、生きる価値に値しないと思っているよ。言い忘れていたけど、この薬はね、有毒性の睡眠導入剤なの。それでも、大陸のことを教えてくれた身として、苦しむことなく、死なせてあげるよ」


 辺りが暗くなり、次第にフェードアウトしていく……。

⦅そう、優しさとは《弱み》そのものだよ⦆


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