表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/40

第三十八話 犯人は誰だ

~登場人物紹介~

【望月卯乃】主人公、17歳高校生、いじめられっこ、卯の化身。

【望月武雄】卯乃の父、和菓子屋を営む。

【望月達也】卯乃の弟、漫画家志望の中学生。

【猿渡花子】主人公をいじめる猿の化身、スポーツ勉強万能の委員長。

【鳥居 翼】猿渡の幼なじみで無二の親友、酉の化身。

【犬飼風美】猿渡を信奉する同級生、犬の化身。

【猿渡葉子】猿渡花子の母。

【上終智巳】卯乃達の担任の先生。

【六条宮玄仁】卯乃達の学校の理事長。

【辰巳黄一】吉祥院高校の生徒会長、辰の化身、黄竜の使い手

【 鬼 】人の心の中の世界に棲み着く生物。心世界でも現実世界でも人を食べ、人の心を支配して、人に悪事を働かせる。人から人へ感染する。

【ぷるるん戦士】12方位神の使徒である神獣によって、超能力を与えられた神の化身。鬼退治が仕事。


▼卯女と犬飼が突然姿を消して2日目の夜。

望月家を訪ねてきたのは竜の化身の一人、辰巳黄一だった。

今や日本中に広がってしまった落書き鬼に対応するため、

卯乃達の修学院女子高校と辰巳達の吉祥院高校とが

力を合わせて戦うことを告げに来たのだが、

応対に出た猿渡と話していた玄関先に灼熱の鬼弾が着弾した。

思わず猿渡をかばい抱きしめてしまった黄一。

しっかり抱き合っている二人を目の当たりにしてしまった。

猿渡の母と望月家の人々。

猿渡と黄一は頬を真っ赤に染めていた。


▼そんな嬉し恥ずかしい空気が支配している望月家の玄関に、

黄一と共に望月家を訪れ、外で待っていた

同じく竜の化身である辰巳紅介たつみこうすけが、

慌てて入ってきた。



(紅介)

おい黄一。いつまでのんきに女の子としゃべってんだよ。


(黄一)

お、おお、おう、紅介。

今の鬼弾だよな、まさか。


(紅介)

そのまさかじゃねえの?

ここ200年ほど破られたことのなかった鬼門が破られたんだよ。

鬼の奴ら、俺たち竜の一族が鬼門の最終防衛線を離れることを見越して

伏兵を潜ませてたんだぜ。


(黄一)

どれだけの鬼が入り込んだんだろう?


(紅介)

知んね。

見たとこザコの飛行鬼だけみたいだけど

鬼弾を撃てるって事は、小鬼くらいは入ってきたんじゃね?

とにかく、まちなかの落書き鬼よりこっちが優先だぜ。


(黄一)

げん秋彦あきひこ蒼太そうたは?


(紅介)

もう上で戦ってる。


▼そう言われて玄関を出て上空に目を凝らす黄一。

その鬼と龍のあからさまな戦いに、

思わず目を疑った。


(黄一)

うわあ、市民にバレバレじゃないか。


(紅介)

しかたねぇじゃん。

鬼が攻めてきたんだからよ。


▼外へ飛び出した黄一を追って、

家の中にいた全員が外に出て上空を見上げた。

そこには無数の翼を持った鬼と、その鬼と戦う3匹の竜がいた。


(卯乃)

うわぁ、あのヘビみたいなの竜?

辰巳さんのお仲間?

かっこいい。

あっ、猿渡さんほら、あそこ見て、あそこ。

あの龍に乗ってるの辰巳さんのお仲間なんだって。

かっこいいね。


▼気楽な卯乃とは対照的に、上空を見つめ表情を曇らせる猿渡。

慌てて携帯電話を取り出した。


(猿渡)

大変。翼に電話する。


▼卯乃の家のある修学院という地区はちょうど比叡山のふもとにあたる。

少し小高くなっており、京都の市街が一望できた。

暗雲たちこめる上空では無数の鬼と戦う龍の戦士。

市街地では、あちこちで火の手が上がっているようだ。


(卯乃の父、武雄)

なんてこった。

こんな時に、母さんがいてくれたら。


▼そこへ京都府警察本部のパトカーがサイレンを鳴らしてやってきた。

パトカーは卯乃の家の前で停まった。

助手席のドアが開き、最初に降りてきたのは北大路警部。


(北大路警部)

こんばんわ。

先日はお世話になりました。

京都府警察本部の北大路です。


(武雄)

あ、これはこれは。


(卯女)

よっこらしょ。


(卯乃)

あ、おばあちゃーん。


(犬飼風美)

はーい。


(猿渡)

あっ、風美ー!


(卯乃)

犬飼さーん。


▼なんと、パトカーの後部座席から降りてきたのは卯女と犬飼。

二人に駆け寄る卯乃と猿渡。


(猿渡)

風美ーっ心配してたのよー。


(犬飼)

ごめんなさい花さん。

わたしも会いたかったよー、ほんと久しぶりっ。

2ヶ月ぶりくらいかなぁ。


(猿渡)

2ヶ月?


▼二人の会話を聞いて笑う卯女。


(卯女)

はは、今回の怪我はちょっと深手やったから

ちょっと治すんに時間かかってしもたけど、

おかげで誰も死なんですんだわ。


(ヘロ)

きゃんきゃん。


(卯乃)

わぁ、かわいい子犬。

この子ヘロ?


(犬飼)

そう。

おっきいとみんな驚くでしょ。

それにこの姿だと普通の人には見えないみたいだし。


(猿渡)

死んじゃいそうだったのに、

ほんと、よかったね。

記憶も消えてないみたいだね。


(犬飼)

うん。ヘロはほんとよくがんばったよ。

何度も、もうだめってなったもんね。


(ヘロ)

きゃんきゃん^^


(武雄)

でも母さん、どこ行ってたんや。


(卯女)

悪かったな。

時間の流れのすごい早い心世界の人がおってな。

その人の心の中で養生してたんや。

あっちでは2ヶ月くらい経ったんやけど、

こっちではどうや、1日くらいか?


▼その時卯乃達のそばに上空の鬼の放った鬼弾が着弾した。


ドパーーーン!


(全員)

うわあっ。


(卯女)

こらゆっくり説明しとられへんな。


▼さらに次々卯乃達の近くに着弾する鬼弾。


ドパーーン!

ドーーン、ドドーーーン!


(紅介)

黄一、あいつらここ狙ってるぞ。


(黄一)

よし紅介。俺たちも上がって戦う。


(卯女)

黄一君って辰巳黄一君かいな。

おっきいなったなぁ。


(黄一)

あ、はじめまして、辰巳黄一です。

以前お会いしましたか?


(卯女)

あんたがまだ赤ん坊の時にな。

鬼門が破られたみたいやな。

あいつらの狙いは、昔も今も

鬼の尻こ玉を浄化する、うちらの御神体や。

あんたらの家のも危ないで。


(黄一)

わかりました。対応します。

紅介、行くぞ!

プルルン・クプルプ・チャマヘス・バカム、変身!


ズバウウッ!


(紅介)

プルルン・クプルプ・チャマヘス・バカム、変身!


ズバウウッ!


▼呪文によってまきおこる閃光と暴風。

その中から15メートルほどの2匹の竜と、

勇壮な甲冑に身を包んだ2人の戦士が現れた。

ぷるるん戦士に変身した黄一たちとその使いの竜たちだ。


(猿渡)

黄一君。かっこいい。


(卯乃)

ねぇねぇ犬養さん。猿渡さん、黄一君だって・・・。


(風美)

えっ?何々?黄一君って誰?花さんの彼氏?


(黄一)

紅介っ、続けーーーっ!


(紅介)

おーっ!


▼2人はそう叫ぶとそれぞれの竜にまたがって戦いの空へ舞い上がって行った。


挿絵(By みてみん)


(卯女)

警部さん、送ってくれておおきに、

もう帰ってええで。


(北大路警部)

いえ、そうはまいりません。

超常現象を目の当たりにし続け、

すっかりみなさんのペースですが、

わたくしも職務をまっとうしなければなりません。

京都府警察本部の捜査によりますと、

一連の落書き事件には、

インターネットを使ってお膳立てした人物がいる事がわかりました。

上終先生が学校に落書きをした時に大量のスプレーを用意した人物。

各商店街の落書き暴動の時に、大量のペンキを用意した人物。

様々なルート、様々な方法を使ってますが、

最終的に一つのIPアドレスにたどり着きました。


(卯乃)

猿渡さん、IPアドレスってなに?


(猿渡)

黙って聞いてなさい。


(北大路)

ほとんどの犯行に一つのパソコンが関与していたと言うことです。


(卯乃)

はあ。


(北大路)

それは、こちらの望月さんのご自宅のパソコンです。


(猿渡)

ええーーーっ?


(卯乃)

なになに?

猿渡さん、なにがえーーーなの?


(猿渡)

あんたが犯人。




(卯乃)

うそっ!



前回募集しました、竜の一族辰巳5人衆の名前募集に

多数のご応募をいただきありがとうございました。

この場を借りまして採用されたお名前を発表させていただきます。


赤竜の使い手:辰巳紅介たつみこうすけ、名付け親:べあねこ18号さま

青竜の使い手:辰巳蒼太たつみそうた、名付け親:周子さま

白竜の使い手:辰巳秋彦たつみあきひこ、名付け親:小龍さま

黒竜の使い手:辰巳 たつみげん、名付け親:猫乃 鈴さま


以上の4人の方のお名前を採用させていただきました。

採用されなかった方、せっかく考えてくださったのにごめんなさい。

愛してます。


採用された方には、

そのうち、ナカノ先生直筆サイン入りjpg画像をお贈りさせていただきます。


みなさん、ほんとうにありがとうございました。

これからも宜しくお願い申し上げます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ