怒りん坊令嬢と猫耳メイド姉妹
猫の日記念に投稿してみました!
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ここはとある豪勢なお屋敷。
そこにはとても怒りん坊なエレンというお嬢様が住んでおります。
エレン「まずい! こんなまずいもの、食べる価値すらないわ! さっさと捨てなさい!」
今日もバァヤをはじめとする使用人達に厳しく当たっています。
エレンはキレイな金髪、宝石のように煌めく赤い瞳、透き通った肌が特徴の14歳の可愛い女の子です。
これで怒りん坊でなければ完璧なのですが…。
そんなエレンに使用人達は頭を悩ませていました。
ある日のこと…
バァヤ「エレンお嬢様、今日は新しいメイドを雇いました。若いですが、とても優秀な2人です」
エレン「優秀ねぇ…。まぁ良いわ、通しなさい!」
バァヤ「かしこまりました! 2人共、入ってきてください!」
バァヤの呼び声と共に、頭には銀色の長い髪と同じく銀色の猫耳、両方のほっぺには長めの猫ひげが生えている双子の少女が入ってきました。
ニャル「初めましてエレンお嬢様。私はニャルと申します。以後お見知り置きを」
姉のニャルは青い瞳に、半袖のメイド服も特徴。物静かでクールな感じです。
ニャト「私は妹のニャトだよ〜! よろしくね、お嬢様♪」
一方の妹のニャトは緑の瞳に、長袖のメイド服も特徴。クールなニャルと違い、元気いっぱいで人懐っこいタイプです。
ニャト「うわ〜! お嬢様可愛いね!」
エレン「可愛いですって!? 違うわよ! ガチのスーパーストロング可愛いよ!!」
ともかくエレンは自分がものすごく可愛いと思い込んでいるようです。
ニャト「別にどっちでもいいじゃん♪ よしよし♪」
ニャトは満面の笑みで、エレンの頭をなで始めました。
エレン「頭気持ち〜❤️ って勝手になでないで!」
ニャト「じゃあ次はあごなでなで〜♪」
次はエレンのあごをなでるニャト。
エレン「あご気持ち〜❤️ あごもダメ〜!」
ニャト「だったらしっぽでなでなで〜♪」
今度は自分のしっぽを使い、エレンのほっぺをなでるニャト。
エレン「モコモコで気持ち〜❤️ だからやめなさいって! だいたいなんでアンタみたいな猫女があたしをペット扱いしてんのよ!? 立場逆転してない!?」
ニャル「それは偏見というものです。私達は猫の体の一部が生えているだけで、お嬢様と同じただの人間です。可愛いものがいたら、優しく接するのは当たり前ですよ」
ニャルは、エレンのペットであるシャム猫のマーズを抱きかかえ、優しくなでながらそう言いました。
その光景を見たエレンは、滅多に人に懐かないマーズの幸せそうな顔に驚いていました。
エレン「ウソでしょ!? バァヤと死んだお母様にしか懐かないマーズをいとも簡単に!?」
その後、ニャルとニャトの姉妹は、どの仕様人よりキレイに屋敷中をそうじし、料理もお手の物で、味にうるさいエレンも満足しているようです。
エレン「美味しい…! こんな美味しいもの初めて食べたわ!」
ニャル「気に入っていただけて光栄です」
エレン「で、でも別にアンタ達を認めたわけじゃないんだからね!」
ニャト「素直じゃないな〜お嬢様は〜♪」
ですがその日の夜…
なんとエレンは、謎の盗賊団による、誘拐されてしまったのです。
エレン「離しなさい! この無礼者!」
ボス「離さないよーだ! 今日からチミはオレ様のお嫁さんになるんだよーだ!」
なんと盗賊団のボスである太った大柄の男は、エレンに惚れたため、自分の妻にしたいがために連れ去ったのです。
エレン「あたし、アンタみたいな醜いクソ親父、イヤよ!」
ボス「なんだと〜!? だったら力強くでもオレが夫であることを認めさせてやる〜!!」
エレン「キャア〜〜〜!!」
怒った盗賊団のボスは、捕まえているエレンに殴りかかろうとしていました。
ニャル「待ちなさい!」
そこへ、ニャルとニャトの2人が、盗賊団を追って駆けつけて来ました。
手下「ゲゲっ! もう追ってきやがった!」
ボス「うろたえるな! 相手はたかが女2人だ! 楽勝だぜ!」
エレン「ニャル! ニャト! ちょうど良かったわ! コイツらさっさとやっつけちゃってよ! キットアンタ達ならいけるでしょ!?」
ニャト「え〜? それが人にものを頼むときの言い方なの〜? もうちょっとマシな言い方してほしいな〜」
でも乱暴な頼み方をするエレンの言うことなど、ニャトは聞く耳持ちませんでした。
エレン「そんな説教してる場合じゃないでしょ!? 空気読みなさいよ!」
すると今度は、ニャルがエレンに対し、こう言いました。
ニャル「いつまでそんな態度をとってばかりでは、誰も助けてはくれませんよ!」
エレン「分かったわよ…。お願い助けて! コイツらをやっつけて!」
ニャルの説得により、エレンはようやくちゃんとしたお願いをしました。
ニャル「かしこまりました! 行くわよ、ニャト!」
ニャト「了解、お姉ぇ!」
エレンを助けるべく、盗賊団に立ち向かおうとするニャルとニャト。
すると2人はある剣を装備しました。
ニャルは刀身が緑に輝く風神剣メルネアス、
ニャトは刀身が黄色く輝く雷神剣ギベルタルを装備しました。
ボス「おいおいマジかよ!?」
エレン「幻の風神剣と雷神剣!?」
どっちもめずらしい剣で、ニャル達がその剣を手に持っている光景を目の当たりにし、盗賊団一同のみならず、エレンも驚いていました。
ニャルは風神剣メルネアスを華麗に、
ニャトは雷神剣ギベルタルを豪快に使いこなし、
盗賊団を圧倒しました。
盗賊団の手下達も短剣やハンドアックスで応戦するも、ニャル達にはまったく相手になりませんでした。
ニャト「雷神剣第2必殺奥義・プラズマレイン!!」
ニャトはギベルタルを空高く上げ、刀身から無数の電撃光線を発射し、手下を5人ほどしびれさせました。
ボス「動くな! オレ様に1歩でも近づいてみろ! エレンちゃんをボコボコにするぞ!」
追い詰められたボスはエレンを人質にし、ニャル達との動きを封じようとしました。
ですが一方のニャルは焦りの表情ではなく、ポーカーフェイスを保っていました。
ニャル「風神剣第3必殺奥義・春風…!」
ニャルがメルネアスを横に一振りした瞬間、刀身からピンク色の風が飛び出し、ボスとエレンを包みました。
エレン「きゃっ!? …あれ? 全然痛くない?」
しかしその風を浴びても、人質のエレンにはまったく痛みを感じず、むしろ癒しの回復魔法を浴びたような感じでした。
ボス「どわ〜〜〜〜〜!!」
ところが一方、ボスはものすごい痛みをともない、そのままエレンを手放し吹き飛ばされました。
エレン「どうなってるの?」
実はメルネアスから発した春風は、使い手にとって守るべき存在には癒しのエネルギーを与え、逆に憎むべき存在にはダメージを与える万能技なのです。
エレン「何そのチート技!?」
春風によってダメージを受け、苦しみ倒れ込んでいるボスのもとへ、ニャルは近づき、こう言いました。
ニャル「エレンお嬢様の誘拐をあきらめて大人しく帰るか、それとも戦いを続けて私達にやられるか? 好きな方を」
ボス「うわ〜〜〜〜!! く、来るんじゃねぇ、この化け猫女が〜〜〜〜〜!!」
するとニャルが喋っている最中にもかかわらず、ボスは彼女に恐れをなして慌てて逃げていきました。
手下達「ボス〜! 待ってくだせーい!」
さらに生き残った手下達もボスを追って逃げていきました。
ニャト「コラー! お姉ぇがまだ喋ってる途中でしょ!? 逃げるな〜!」
ニャル「いいのよニャト。お嬢様も無事救い出せたし、今回は見逃してあげましょ」
ニャト「まぁそれもそうだね!」
盗賊団を見事に撃退し、エレンの救出に成功したニャルとニャト。
するとエレンは2人にこう言いました。
エレン「助けてくれてありがとう。ニャル、ニャト」
ニャル「どういたしまして」
ニャト「無事で良かったよ〜!」
エレン「それでもう1つお願いがあるの! 私に剣術を教えてくれない!」
なんとニャル達に剣術を教えてほしいと頼み込みエレン。
どうやら彼女達の活躍に感激し、剣での戦いに興味を持ったようです。
ニャト「良いよ! 私が教えてあげる!」
エレン「ホント!? よーし! アンタ達みたいに、いえ、アンタ達より強くなって、本当の意味でのスーパーストロング可愛いエレン様になって見せるわ!!」
ニャト「え〜? お嬢様が私達を超えるなんて、100年以上早いよーだ♪」
エレン「なんですって〜!?」
ニャル「ウフフ♪ 可愛いお嬢様だこと」
こうして、エレンとニャル達の間に絆が芽生えたのでした。
ニャト「それ〜!!」
エレン「テヤ〜!!」
その後、ニャトはエレンに剣術を教えてあげました。
剣術修行に打ち込んでいるエレンは、普段より生き生きとしていました。
バァヤ「お嬢様、お茶の用意ができましたよ!」
ニャル「この辺で休憩と行きましょう」
エレン「それもそうね!」
ニャト「イェーイ! レッツティーパーティー!」
さらにエレンの怒りん坊な一面も少しずつ改善されていき、使用人達との仲も良好になっていったそうです。
さらにしばらくして、エレン達3人は、世界の平和のために8人の戦士を集めている冒険者パーティーと出会うことになるのですが、それはまた別のお話…。
おわり
〈イメージ声優紹介〉
エレン:高尾奏音さん
ニャル:近藤玲奈さん
ニャト:長江里加さん
バァヤ:考え中
ボス:考え中
今回の短編はいかがでしたか?
しかもラストは、この間のチャーミークエストと世界観が繋がっているような感じにしてみました!