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私のパパ(魔王)は勇者に討伐されました  作者: 緋谷りん
祖国と帰ってきた姫君
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チキュウ人


 シュンスケが過ごした一ヶ月半を聞いてソフィアは驚愕し呆然とした。

 まさか魔竜国の現状が大きく歪んでいるとは思わなかった。


 何が起こっているのか、何をしてそうなったのか。


 ソフィアには魔竜王バーニックを騙る者が何をしたいのか分からない。

 いや、一つだけ分かる事があるとすれば偽物は、魔竜国を破滅に導こうとしている。



「これは……如何されますかソフィア様」



 アジュバがソフィアに意見を求めてくるが、ソフィアの心中は複雑な想いが回っている。


 市街地を見に行って多様な文化がある内側では悲惨な戦いが行わられていた。



 どうしてこんな事を王族はしたのか。本当にバーニックがしている事だとしたら……嫌な方向に考えが回る。



「そうだ、ソフィア」


「どうしたのシュンスケ」



 シュンスケが神妙な顔でソフィアに話しかけてきた。



「将軍の中にミサキって人が居るんだ——その人は異世界人だ」


「異世界人?」



 ソフィアは聞いたことが無い話だと感じた。

 異世界人と言われても何も分からない。



「……そうですが、それならば魔竜国が乗っ取られた話も分かります」


「え、どういうことなのアシュバ」



 ソフィアの驚きにアシュバは驚いていた。

 異世界人とはそんなにも有名な人間なのだろうか。



「異世界人は、チキュウという国から召喚された人間族です」


「それがどうしたの?」



 チキュウという国は聞いた事がないが、どこの国産まれだたとしても人間族には変わりないだろう。



「召喚できるのは——大賢者なんです」


「……そういう事ね」



 人間族の親玉で自分のことを神と言っている大賢者が関与している。

 その事実だけでどれだけ驚異的なのかソフィアは嫌でも分かる。



「じゃあミサキという人がパパを操って……どうしたのシュンスケ」



 シュンスケの表情が暗い。

 何か思い当たる節があるのか、変な雰囲気を纏っていた。



「あ、いや、何でもない——そのミサキ閣下が何かした関与しているのは間違いない」


「うん、教えてくれてありがとう」



 ソフィアの声を聞いたシュンスケは、ぎこちない笑顔を浮かべていた。



「そうなれば三人の将軍は全員異世界人と思って間違いないでしょうか」


「そうだと思う……ごめん、俺みたいな末端の兵士には情報は来ないんだ」


「いえ、少ない情報を精査するのが(わたくし)の役目です。何も気になさらずに」



 アシュバは神妙な顔つきで続きを話し始めた。



「何よりも異世界人は、【絶技】を使います。

 それどころか【権能】に近い物や嘗ての支配者達である竜の力も有り得ます。慎重に行動した方が……如何されましたかソフィア様」



 ソフィアはアシュバの言葉の途中で立ち上がった。



「皆、私に考えがあるの。今回の戦いは——私が乗り込んで終わりにする」


「な、何をおっしゃりますかソフィア様!」



 アシュバも立ち上がって抗議した。

 だが、ソフィアは固い意志で言葉を続けた。



「私の国で、私の民衆が苦しんでいる。それなら早く助けないといけないよ」


「だとおっしゃってもどうやって王城まで突破するのですか!」



 アシュバの言葉は最もだ。

 ソフィアが怒りに任せて正面から突破しようとしているに違いない。

 アシュバはそう考えているのだろう。



「大丈夫、任せてアシュバ」


「根拠を話してくれならば首を縦に振ることは、例えソフィア様だとしても出来ません!」


「待てアシュバ。何もソフィア様は単身で乗り込むとは言ってないぞ」



 ガビーがアシュバに苦言するとアシュバは立ち止まった。



「そうですね……ソフィア様の事ですから単身で行くかと……」



 実際ソフィアもその気持ちだったのだが、立ち上がったガビーが力強く宣言する。



「次こそ貴女様を守ります。

 どこまでも付いて行きますよソフィア様」


「皆ガ同ジ気持チデス、ソフィア様」



 二人の熱い思いをソフィアは聞いて心が潤う気がした。



「ならば、こうしましょうか」



 アシュバが作戦を思いついたのか説明し始めた。



「まずガビー、ガルボス魔王、ドゥクス殿、ポルクで前線を大きく動かします。

 これだけの勢力で攻め込めば将軍が姿を見せるのは間違いないでしょう」


「そうだな、けれども、ミサキという異世界人が姿を見せたらソフィア様はどうするんだ」


「そこですよ」



 アシュバはガビーに指を差してハキハキと声を出し始めた。



「前回の前線ではミサキだけが来ませんでしたねガルボス魔王」


「そうだとも、何よりもあいつの姿は誰も知らぬがな」


「という事はこれだけの魔王を揃えても来ない可能性があります。

 ならば王城に待機しているというのが考えられます」



 ソフィアは、頭を傾けた。

 どうして魔王が姿を見せてもミサキは姿を見せないと言えるのだろうか。



「つまり我々で囮になっている間にソフィア様が王城に行くという訳か」


「そうですとも! そこで向こうの要になっているだろうミサキが居ればバーニック陛下の真実も分かります」



 つまりソフィアとズーズンで一気に片付ける。

 その間、将軍二人の相手をしてもらうという話だ。



「他に強敵だと思われる敵は居ないと思われます。なので、この作戦を私は推奨します」


「……アシュバが考えてくれた作戦にしよう

 皆、魔竜国を助けるよ!」


「「はい!」」



 こうして明朝に作戦を実行すると決まった。

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