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私のパパ(魔王)は勇者に討伐されました  作者: 緋谷りん
第1章 囚われた魔王の娘
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ゴガガの秘密

 ソフィアが拳を放とうとしたその瞬間、枝に脚を掴まれた。そのまま後方に投げ飛ばされようとしたが、ソフィアは強引に足を振って千切る。


 そのまま地面を強く蹴り付けてゴガガに突進する。

 衝撃が空間に走り抜けるが粉砕することは出来ない。それどころかソフィアに枝を伸ばして捕らえようとしてきた。


 すぐさま距離を取ろうと思ったが——ソフィアは止めた。急速に拳を構えて本気で殴りつける。

 衝撃だけが走り抜ける。だけども、球体には傷が付いているようには見えなかった。


 圧倒的な頑丈さにソフィアは苦笑いすら浮かべてしまいそうになるが、気合を入れ直して距離を取った。



「衝撃を感知しました」



 ゴガガの声でイラついてきてしまう。

 このままジリ貧な攻撃を繰り返しても勝てるイメージがない。それも相俟(あいま)ってソフィアは無性に腹が立っていた。


 どうして攻撃が効かないのか。

 巨木、木龍、森竜の時には効いたのに、今はどうして効かない。



 どうしてどうしてどうしてどうして。



 そう考えが固まってしまいそうになった時、四方から枝が飛んできた。



 その場で小さく跳ぶと脚を一回転させて蹴り飛ばした。こういった細かい攻撃は消し飛ぶのにゴガガにはダメージを与えられない。



「どうしてなの!」



 ソフィアはまた近づいて殴り付けるとまた衝撃だけが走り抜けて奥の枝を揺らす。だが、球体には傷がない。


 何か弱点が有るはずだとソフィアは距離を取って深呼吸する。

 どうにかしてゴガガを倒さないとガビーの様に利用されて塵の様に使い捨てられる魔族が今後も生まれしまう。



 ——だが、どういう訳かゴガガは無傷。



 もっとソフィアに力があれば良かった。

 調子付いていたのは間違いないと考えている時、枝が飛んでくる。枝が飛ばされ来るタイミングも、全て計算しているのかソフィアが近づこうとした瞬間だった。



 とにかく殴って粉砕すると、目を細めてゴガガを見てみた。すると、ゴガガの本体は球体の筈だが、この球体はずっとここで守られてきたのだろうかと、ふと思いついてしまった。


 つまり、ガビーが解放された今あの中身は空っぽの筈。なのに、ゴガガの声があそこから響いてくるという事は……凄まじい密度で守られている何かが存在している。


 それとも今のソフィアには見抜けない程、素早い動きで枝を足して守っているのかもしれない。


 それこそ目に止まらない速度で回復しているのであれば話は付くのだが……そんな異次元な行動が出来るのだろうか。



 ソフィアが苛立ちを抑えながら考えていると枝が飛んでくる。この枝が鬱陶しくて手で振り払って壊そうとした時、目に止まった。



「え?」



 すぐに壊すのを止めて捕まえた。すると、枝がグネグネと動き出す。

 この枝だと思っていたのは、小さなガガ達だった。


 ゴガガは今もガガを生み出して攻撃をしている——その時、ソフィアは閃いた。



「もしかして……まだ森竜の力の一部を持っているとか」



 森竜になったガビーが放った【最終奥義・森竜王花】は、森そのものを生み出す物理攻撃だった。


 それと同等にあの球体が破壊された瞬間、誰にも認識できない時間と時間の間で復活しているとした……。



「ズーズンの攻撃も空間を消すって……でも、そんなの可能なの」



 頭の中に流れ込んでくるゴガガの正体にソフィアは、嫌気が差す。

 ゴガガとは……大木でもガビーでも、球体でも無い。



「枝そのものがゴガガで、この球体は声を出すための器官……この場は、森竜の【権能】で攻撃した瞬間に”元”に戻っている……まさか!」



 つまり、ソフィアが殴った瞬間は確かに粉砕されて消えている。しかし、ゴガガの持つ森竜の【権能】によって刹那、元に戻してしまう。


 それならば天井を殴りつけた時に壊れなかったのも、異常な柔軟性を持っているのも説明できてしまう。


 柔軟性に関しては卑怯な気がするが、部分的に元に戻しているのだろう。



 そう考えついたが、ソフィアに倒す手段はなくなってしまった。

 まさに枝は自爆中で爆発しているが、元に戻せるのならば……その時、ソフィアはゴガガの声を思い出す。



「何かが崩壊したって事は、これも無限じゃない?」


「……竜の抹殺に変更します」



 枝が縦横無尽に飛び出してくる。

 直感で今までの枝とは明らかに違う異質な雰囲気を持っている気がしたソフィアは、その場で跳びながら体を回転させて避ける。


 その際に一撃、手をぶつけてみたが粉砕されなかった。



 どうやら、ここからが本当の最終決戦。



 ソフィアは全ての枝を回避する必要が出てきてしまった。今までに無いくらい全神経を集中させて音の一つでも拾う。


 どこから枝が飛び出すか分からない空間の中で、ソフィアは跳んだ。


 ソフィアが立っていた地面から枝が飛び出していた。更に真上からも枝が飛び出ていて、あのまま残っていたら串刺しにされていたかもしれない。


 跳んですぐ身体を半回転させる。

 すぐさま右上から枝が伸びてきたが、半回転のおかげで避けられた。


 着地した瞬間、地面を強く蹴り込んだ。

 衝撃と振動が起こって枝の標準がズレていく。そのおかげか左から飛び出してきた枝が、ソフィアの目前を通過した。



 一歩だけ下がると、その場に枝が振り下ろされた。降ろされた枝がソフィア目掛けて飛び込んでくる。すぐさま手刀を振り下ろす。


 異様なほどに折れ曲がった枝に向かって全体重を掛けて振り下ろすと遂に切断できた。



「どうやら限界が近いみたいね」



 攻撃してもすぐに復活してくる枝からガガに切り替わっている——いや、正しくは先ほどの攻撃も何回かガガだったのかもしれない。


 そう考えついたソフィアは一気に踏み込んだ。


 一斉照射された枝を、高速で走り抜ける瞬間に見極める。やはり、均一に作られた特色を持っている木がガガだ。


 ガガだけを狙って粉砕していき、道を作り出して球体の目の前に辿り着いた。



「まずは貴方から!」



 ソフィアは拳を構えて三連続で殴り付けた。

 本気で殴り付けたからか、最初の一発目を受けた後、二発目が球体の中に入り込み、三発目で外側を腕が抜け出した。


 やはりソフィアが閃いたのは当たっているというのと、本気で連続攻撃すれば間に合わない可能性が見えた。



「損傷80%を超えました」



 球体の周りに枝が落とされていく。その場で成長すると本来のガガになった。すかさずソフィアの周りに枝を掃射してきた。


 なぎ払うように腕を動かして殲滅し、ガガを一撃で葬る。そしてまたしても球体を殴りつける。


 徐々に崩壊してきているのか、地面が大きく揺れ始めた。



 突如、枝が球体を引き上げ出した。

 この球体が大切らしく迅速な行動をしているが今のソフィアからしたら遅い。



 全ての枝を回避して球体に飛び乗る。

 真上から枝が振り下ろされたが、ソフィアは片手で防御の姿勢を取る。


 枝はソフィアの腕に衝突しても壊れない。だが、それでいい。



 突然、ソフィアの集中力が急速に高まるのを感じた。これこそ、本当に最後の一撃になるかもしれない。その想いで球体へ最大の一撃を放つ。



「もう逃がさないんだから! 【竜皇拳・竜突き!】」



 ソフィアの暴風を巻き起こす一撃が球体にぶつかると異常なまでに振動した。

 瞬時に元に戻って、ソフィアの衝撃は逃がし切れず、そのまま崩壊する。その繰り返しから激しく振動している。



「キキキキキキキキキキ……機能、テテテテテテ……!」



 ゴガガの声も震え上がり、遂には黙ってしまった。ソフィアの一撃によって球体が二つに割れた。

 その瞬間、凄まじい音を立てながら枝がソフィアに襲い狂う。何も考えていない連続攻撃が始まった。


 球体から地面に飛び移ると、そのまま側転をして回避する。そして目の前にきた枝を蹴りつける。しかし、一撃では耐え切れてしまうのか、ソフィアが押されてしまった。



「くっ!」



 足腰に力を入れ返すが、ゴガガの勢いが増していく。今までどこにこの力を隠していたのか驚愕した。


 その時、視界がグラリと動き、ゴガガの速度に目が追いつけなくなる。


 本当の最終決戦……だと気合を入れた時、プツリと【竜皇気】が消えた。



「え——」



 迫る枝にソフィアは叩き潰された。

10万字突破しました!

次の更新は明日!


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