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私のパパ(魔王)は勇者に討伐されました  作者: 緋谷りん
第1章 囚われた魔王の娘
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決戦6

 目の前にいるゴガガを倒せればそれでいい。

 頭の中が怒りで埋め尽くされていく。


 ソフィアの視線に射抜かれたゴガガは逃げる様に天井になっている枝に跳んだ。逃す気がないソフィアは、同時のタイミングで跳んだ。


 先ほどはゴガガに逃げれたがソフィアは簡単に追いついた。すぐに足を掴み上げるとアシュバ達から遠いところに叩きつける。地面と衝突したゴガガによって陥没し、破片が大きく飛んだ。


 ゴガガもソフィアに投げ飛ばされた際に根を使って衝撃を緩和している。そのお陰か埋もれていない。


 そこでソフィアは枝を蹴りつけてゴガガに向かう。

 拳を構えてゴガガに衝突しようとした時、根が大量に出現した。

 まさに視界を塞ぐ根だったが、ソフィアは関係なしに突っ込んだ。


 触れた瞬間、一気に根が粉々になって消滅していく。


 ソフィアの蹴りがゴガガに到達しそうになった瞬間、またガガが盾として入ってきた。

 すぐさまソフィアは、空中で拳に力を入れ直す。そしてガガ諸共、殴り付けた。



「どいて!」



 ソフィアが放った一撃で、全てのガガが一瞬で粉砕された。粉々になって消滅していくガガの中を器用に逃げたゴガガ。

 今にも天井の枝に逃げ出そうとしていたゴガガがソフィアの方を向いた。不気味な雰囲気を持った口を大きく開ける。



「【木龍魔法・深淵森林咆哮】」



 感情の込もっていない声と共に葉が吹き荒れる特大のブレスが放たれる。異常な威力にいつものソフィアならば怖気付いてしまうが、今のソフィアは、怒りで心の中を埋め尽くしそうになっている為、苛立ちしか覚えない。



「邪魔だ!」



 ソフィアが放った一撃。

 無意識に放たれた絶技とブレスの衝突は、暗黒宮で一番強い衝撃を生み出した。

 木々は粉々に無くなって天空の枝がパラパラと落ちてくる。地面は半円に大きく抉れてしまい、土が多く見えている。

 ここ一帯にある木々は無くなった。ソフィアとゴガガの衝突によって大きなクレーターを生み出してしまったのだ。



 暴風がソフィアの髪を(なび)かせる。

 今もなお続いている衝撃の中、ソフィアは飛び出した。

 ゴガガもすかさず天井の枝に逃げようと跳んだ。その際にまた魔法を放ってきた。



「【木龍魔法・深淵森林散弾】」



 細かく広がったブレスがソフィアを襲う。

 一つ一つがズーズンの黒炎を超える力がある。それだけの弾幕がソフィアの視界を覆うだけ広がった。


 ソフィアは身体を大きく動かす。そしてその流れに乗って足を動かした。

 足を横に動かしただけで風が巻き起こり、突風が壁となってブレスとぶつかり合う。また枝がパラパラと破片を落としてきた。

 地鳴りを鳴らして砂埃を起こしている時、ソフィアはゴガガの動きを見逃さない。



 ゴガガが跳ぶよりも早くソフィアは地面を蹴る。凄まじい音を鳴らしながら枝に到達した時、またゴガガもそこに辿り着こうとしていた。


 枝を蹴ってゴガガと正面衝突しようとしたが、ソフィアの手に何かが触れる。その方向に視界を動かすと枝が絡み付いていた。すぐに手を払って粉砕してから視界を元に戻す。


 ゴガガの鋭利な爪が目前に迫っていた。衝突する瞬間、ソフィアは拳を突き出した。



「何度やっても……あれ」



 壮大な音を立てながら地面に叩きつけられたゴガガにソフィアは違和感を覚える。



「重さがなかった……」



 緩やかに地面に着地したソフィアは、墜落したゴガガを見るとすぐさま枝の方を振り向いた。

 地面で倒れているゴガガ——いや、それは根で作られた偽物だった。


 ソフィアが天井の枝に掴まれた時に、ゴガガの本体だろう部位だけが抜け出した。

 先ほどの交差する瞬間、小さな存在が見えた気がする。きっとそれがゴガガだったのだろう。



「全ガガを代償に木龍の進化を開始します——成功しました。森竜の顕現を開始します」



 空を覆っている枝から、巨大な影が伸びてきた。影が姿形を変えていき、竜の上半身を作り出す。

 その大きさは、巨木の幹に匹敵するのでは無いかという程に大きい。

 まさに神話を思わせる巨竜が出現した。



 ソフィアはすぐさま地面を強く蹴りつける。

 その時、真後ろから根が飛び出してきて襲ってきた。いつもの調子で手で振り払おうとした。



「なっ!」



 ソフィアの手が触れても根は粉砕されない。奇妙な弾力性を持って折れない。しかも、それだけではない。



 強い衝撃がソフィアの手に伝わってきた。

 先程とは比べれない根がソフィアの手に纏わり付いて邪魔をしてきた。

 すぐに強い力を入れて手を振れば千切れる。だからこそ、絶妙に苛立つ。


 つい前までは攻撃すればすぐに粉砕してきたのに、力の具合を高くしないと意味がない攻撃になってしまう。

 今、激情しているソフィアにはウザさしかないこの力加減に腹が立ってしまう。



 次々と根が飛び出し、天からは枝が隙間を作らないように近寄って来る。

 もはや魔王では太刀打ちは出来ない攻撃力を持っているとソフィアは見抜いた。


 ——だけども、ソフィアを止められるかはまた別の話。



「お前だけは絶対に許さない!」



 地面を本気で踏み込み、飛び出した

 踏まれた地面は、凄まじい音を掻き立てて衝撃を発する。

 それだけで近くにいた根は全て巻き込まれて砕ける。どれだけの弾力性を持っていてもソフィアの本気には敵わない。


 あまりの力に地面が崩壊した。ソフィアの本気に耐えられるほど、ここの地盤は硬くなかった。



 ソフィアはまさに一瞬でゴガガの元に辿り着く。

 ゴガガもソフィアの気配を感知したのか、魔法を放った。



「【森竜魔法・深緑爪】」



 木々で作られた爪でソフィアを叩き潰そうとしてきた。ソフィアも対抗するべく本気で拳を振るう。


 ソフィアが本気で振るった瞬間、暴風が吹き荒れ、地面に生えていた木々が引っ張られて飛ばされる。その凄まじい力を持った本気の拳がゴガガの爪に触れた。


 刹那、ゴガガの爪が爆発した。ソフィアの本気に耐えられる筈がない爪は、拳が触れた瞬間に行き場を無くした力が内部で暴走して爆発したのだ。



「計測不能」



 大きく仰け反ったゴガガの残った片手にソフィアはまた殴りつける。またしても一瞬で木っ端微塵になった爪。それだけでなくゴガガの爪を超えて衝撃が天井の枝を凹ませた。



「不能。不能です。計測が予測値を大きく更新していきます」



 ソフィアはゴガガの上半身をつかみ上げて、引っ張り出した。


 ガラスが割れる音が何度も響く。

 強引に引っ張り出されていくゴガガは、身体を大きく動かして抵抗してくるがソフィアは一ミリ足りとも動かない。いや、本気になったソフィアを動かせる程、ゴガガの力が強く無いだけだった。



「計測とか、そんなのはもうどうでもいいの!」



 ソフィアは本気で引っ張る。

 衝撃と共に大きな音を鳴らしながらゴガガの上半身が抜け切ろうとした時——。



「森竜の全てを使います」



 ゴガガを中心に膨大な魔力が衝撃波となってソフィアを襲った。

 突然の行動を予測してなかったソフィアは手を離してしまい、地面に落ちてしまう。


「【権能解放】」



 ゴガガの力が更に増している。

 着地したソフィアは、これで決着が着くと思い、強く、強く拳を握り締める。



「【最終奥義・森竜王花】」

木龍と森竜のような関係は、龍<竜の様に強さが変わります


次はあす!

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