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『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~  作者: 十本スイ
第四章 異世界の帝国転移編

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159:再びの十時家

 十時の自宅へと向かっていた際、《ジェットブック》から街を見下ろしていると、奇妙な光景を目にした。


 それはガラの悪そうな男二人が、血相を変えて全力疾走している光景だ。


 しかしその先は袋小路になっていて、男たちは壁に挟まれた状態で戸惑っていた。

 そこへ驚くことにわらわらと何人もの女たちが、男の前に現れ完全に逃げ場を塞いだのである。


 ……何してやがんだ?


 男たちの顔を見れば怯えているように見える。しかも女たちは、全員物騒な武器を手にしていた。

 すると女たちが一斉に男たちへ突っ込み、躊躇なくその武器を振るったのである。


 なっ……!?


 致命傷を負ったのか、ぐったりとしている男たちを、わざわざ四つん這いの状態にさせると、あろうことか斧を持った女性が、男たちの首を落としたのである。


 その光景は、まるで処刑そのもの。

 あまりにも凄惨過ぎる行為に、思わず俺は言葉を失ってしまった。 


 幸いイオルは気づいていない様子。あんなものを子供には見せたくはない。

 女たちは惨殺した男たちを放置して、ゾロゾロと同じ方向へ歩いて去って行く。


 ……何なんだアイツら? あの男たちに恨みでもあったってわけか?


 見た目が小悪党な感じだったし、殺されても不思議じゃないことでもしたのだろうか……?


 すると視線を少し伸ばした先に、また同じように男が一人、女たちに囲まれて処刑されている光景が視界に飛び込んできた。


 今度の男は普通のサラリーマン風の中年男性ってところだった。そんなどこにでもいるような人物を、十人以上で取り囲んで殺害したのだ。


 しばらくこの街に来なかった間に一体何が起こってやがんだ?


 そこそこの期間、地方にいる異世界人たちとの商売に力を入れていて、元々商売していた街とはご無沙汰だったのだ。


「む? マスター、ずっと下ばかり見ているが、何かあったのか?」

「ん? ああいや、何でもねえよ」


 ヨーフェルが声をかけてきたが、俺は軽く手を振って言う。何だか分からないが、ああいう連中には関わらない方が良いと判断したからだ。

 そうして十時の自宅が見えてくると、目に見えてイオルがワクワクしているのが分かる。


 余程まひなのことを気に入っているようだ。

 ただ留守の可能性もないことはないので、そこを心配していたが……。


「――いーちゃんだぁ!」


 十時家の庭に降り立つと、タイミング良くまひなと十時が花壇の手入れをしていたところで、イオルの存在に気づいたまひなが、嬉しそうに駆け寄ってきた。


 ギュッと互いに抱きしめ合い再会を喜ぶ小さな二人。


「……いらっしゃい、坊地くん」

「……いきなり悪い。イオルがまーちゃんに会いたがってな」


 十時もまた頬を緩めて俺たちを歓迎してくれた。


「ううん、坊地くんたちならいつでも大歓迎だよ! 良かったら中に入って!」


 すでにイオルは、まひなに手を引かれ家の中へ入っている。

 俺は十時に「ああ」と返事をして迎え入れてもらった。


 リビングに通されると、キッチンから顔を見せた十時の姉である愛香と対面する。


「あら、まひなが騒がしいと思ったら坊地くんが来てたのね! ちょうど良かったわ。今紅茶を淹れたところだったのよ」

「あ、お構いなく。それと十時、これ」


 一応世話になる代わりに、まひなが喜ぶような菓子類や缶詰などの食料を入れた袋を渡した。


「わぁ、いいのもらっても?」

「問題ない」

「うん、ありがと坊地くん! ねえお姉ちゃん、ほら見て!」

「まあ、悪いわね坊地くん。ありがたく頂いておくわ」


 どうやら手土産には問題なかったようだ。


「ねえねえ、それなぁに?」

「ん? ほぉら、お兄ちゃんがまひなの好きなプリンを持ってきてくれたわよ」

「ほんとぉ! たべたいたべたぁい!」

「こーら、その前にちゃんとお礼を言わないといけないでしょ?」


 十時の姉にそう言われ、まひながハッとなって俺のもとへ駆け寄ってきた。


「おにいちゃん! ありあとー!」

「ああ、たくさんあるからいっぱい食べな」


 頭を撫でながら言ってやると、「うん! いーちゃんといっしょにたべう!」と言って、十時の姉のからプリンが入った器を受け取り、イオルと一緒に食べ始めた。


「あのプリン、市販品じゃないよね? もしかして誰かの手作り?」

「あ? 俺が作った」

「坊地くんが作ったの!?」


 唖然とした様子で俺を見つめてくる十時。


「何だよ、そんなに意外か?」

「……料理できるんだね、坊地くん」

「ずっと一人暮らしだったしな。自然と自炊も上手くなる」

「わ、私もプリン頂いていい?」

「好きにしてくれ」


 十時は姉からプリンを受け取って一口食べる。

 すると衝撃を受けたような表情を浮かべ、プルプルと身体を震わせる。


「お、美味しい…………私が作るよりも……うぅ」


 何だかショックを受けている様子だが、姉が「放っておいていいわよ」と言うので、それに従い放置してソファへと座らせてもらった。


 イオルを見ると、まひなと仲良くプリンを食べさせ合っている。まるで小さな恋人たちのようだ。見ていてほんわかするほど微笑ましい。

 ヨーフェルも楽しそうな弟を見て嬉しそうに頬を緩めている。


 十時の姉が、「どうぞ」と紅茶を淹れてくれたので「すみません」と言って頂く。

 そしてヨーフェルもまた、


「ドウモ、アリガトウ」


 片言だが、確かに日本語で礼を言った。





読んで頂きありがとうございます。


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【『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~】     発売日:2020年10月23日    レーベル:ダッシュエックス文庫     イラストレーター:夜ノみつき 小説家になろう 勝手にランキング
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