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この街の隅で君と出会う  作者: みぃこ
1/9

あの日からとあの日まで






「来週、遊ぼうよ」











そう言って彼女は消えた。










「え、?」


訃報を聞いたのは翌日のことだった。

上手く噛み砕けなくて、飲み込めなくて。

目線だけを彼女の机に向けると、そこには何も無かった。ただただ無機物な物があるだけで、生は存在していなかった。


「美帆、嘘言わないでよ」


「言ってない、本当だよ」


目の前の友達を見れば嘘でないことはわかっていた。なのに。


「ごめん、一限目休むわ、言っておいて」


「うん…」


何だろう、何だろう。

屋上前の階段に座り込んで、頭を抱える。


「ずるいよ、さなえ」


ただその考えが浮かんだ。何故なのかは自分でもわからなかった。

ただ一番に感じることはそれだけだった。


あの日、授業を初めてサボった。

あの日からどこに居ても生きている感じがしなかった。

あの日から彼女に、さなえに嫉妬心を抱くようになった。

あの日から一年。私は17歳になった。

一年間、さなえの机には花が置かれていた。それを見る度に無意味だと感じた。だってそこには、人間のエゴしか詰まっていない。それでも他人は表面だけを汲み取る。


「穂海ー、数学の予習やった?」


「当たり前じゃん。やってなかったら自分が困るだけだし」


「えー、裏切り者ー」


美帆はあれからよく私に付き添うようになった。でも、それが気持ち悪いというか気味が悪いというか、そう感じることがある。

もとはといえば、私の隣を歩いていたのはさなえだ。

だからこそ、ただの違和感だと思うようにした。


ある早朝、ふと寂しくなってさなえの席だった場所に行ってみた。もうそこには別の所有者がいて、彼女が存在したことなんて無かったかのようにされていることが、酷く腹立たしかった。


「さなえ」


その名前を口にするのは久しかったが、じっくりと馴染んだ。

時計を見てそろそろ他人が登校してくる頃だと気づいて、机を撫でる手を止め歩き出すそうとすると、



" もういいんだよ "



そう聞こえた気がした。それでも振り返ることは無かった。

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