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3、仕事初日の朝


目が覚めるとまだ暗く時計は5時を指していた。ここは昨日助けてくださった玲二様の家、私はそこで家政婦として働く事になった。昨日の記憶は消えていないようだ。仕方ない朝ごはんとお弁当でも作ろうか。

軽く身支度をして部屋を出て施錠する。キッチンは軽く埃こそかぶってはいるが綺麗な状態だ。脱衣所の洗濯物は全て干し終わるのに何日かかるか分からない程散らかっているのに。

朝食はお弁当の関係で和食に簡単に味噌汁とご飯、玉子焼にした。というか卵があったことが奇跡なくらい冷蔵庫は空だった。食パンをそのまま食べていたのか食堂にパンが無造作に置かれていたので、お弁当にサンドイッチを作って詰めておいた。2人分作り私は切れ端をいただいた。私は少食のようでお腹がいっぱいになってしまった。

2人が起きてくるまでとにかく洗濯機を回していた。最新型で静かな洗濯機なので朝でも問題なさそうだ。外がもうだいぶ明るくなってきたので庭に干し続けた。やはり脱衣場にある3分の1程しか干せず仕方なく後はそのままにしておいた。そうしている内に7時頃玲二様が降りてこられた。


「美雨さんおはよう。」


「おはようございます玲二様。朝食とお弁当を作りましたがどうされますか?」


「えーもう仕事してくれているの?ありがとう!どちらもいただくよ。」


「かしこまりました。すぐに準備します。」


「はい。」


脱衣場もとい洗面所で身支度を整えてから食堂に来られるようだ。その間にさっと準備をしておく。食堂でサーブした方がいいのだろうか?とりあえず食堂にいよう。


「美雨さんお待たせしました。美味しそうだねこんなの冷蔵庫にあった?いただきます。」


「もう空になってしまったので、買い出しに行かねばなりません。」


「分かった。じゃあ玄関にお金を置いておくよ。この家から右手にずっと行くとスーパーがあるんだ。とても近いから大丈夫だよ。」


「分かりました。夕食は何がよろしいですか?」


「うーんそれより一応君を病院に連れて行こうと思っているのだけど。」


「私は名前も分かりませんし、保険証もありません。お金もありませんしお給料をいただいたら行きます。」


「いやでも。お金は出すよ。」


「それに病院で記憶は蘇りません。」


「うーん。分かった。ただ具合が悪くなったりしたら言ってね。ごちそうさまでした。朝食ありがとう。」


「恐れ入ります。かしこまりました。で夕食は?」


「えーっとじゃあクリームシチューがいいな。」


「かしこまりました。買い物をした後レシートとお釣りをお渡ししますね。」


「それで構わないよ。ああ、ごめん8時過ぎだ仕事に行くよ。私は月曜~金曜まで8時30分に家を出るよ。帰りは大体17時30分かな。寄り道しなければ。」


「承知致しました。」


「私は薬の研究所に勤めていて年齢は30歳これぐらいかな。伝えるべき事は。じゃあお弁当ありがとう。行ってきます。」


「はい行ってらっしゃいませ玲二様。」


軽くお辞儀をして玄関でお見送りをする。ついでに庭の掃除をしていると以外と時間がかかりもう9時になっていた。それでも聡一様は降りてこられないので、お風呂掃除とトイレ掃除を済ませた。掃除用具がなかったので必要な物をメモし、シチューに必要な物を食堂で書き出していると聡一様が現れた。もう10時をまわっている。


「どうして起こしてくれなかったの!」


「申し訳ありません。朝食とお弁当はどうされますか?」


「ああーじゃあお弁当は持っていくよ。じゃあね出るから、明日から9時には起こして!」


「かしこまりました。」


お弁当を手渡し玄関でお見送りをした。聡一様は車で出勤されるらしい。昨日、朝起こしてと言われただろうか?2階にあがって見ると階段からすぐは廊下で右手が玲二様のお部屋で左手が聡一様のお部屋だ。それぞれホワイトボードがかかっていてそこに朝9時に起こしてと書いてあった。そういえば私の部屋の扉にもホワイトボードがかかっていたな。これで意思疎通をするのか気を付けないと。2階のトイレ掃除も済ませ買い物に行こうと準備をして部屋の鍵と一緒に貰った家の鍵で玄関のドアを閉めて外に出た。



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