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22、秘密のある部屋


中には玲二様はおらずベッドと机だけの何も無い部屋で、少し拍子抜けした後、机を調べ始めた。


机には何も入っておらず余計に怪しく思われた。でも収穫はなし。顔をあげるとクローゼットが目に入った。


クローゼットを開けると中は、私、私。笑顔の私、泣いている私、怒っている私、目の焦点が合わない笑顔の私。


「これって。」


私の写真がクローゼットの壁中貼られていた。右端に服が吊られているがその後ろにも私の写真。そして無造作にすみに置かれた分厚いファイル。背表紙には秋野光と書いてあった。


足に力が入らなくなってペタンと座り込んでしまった。


「玲二様は私を見張っていた?」


昔の写真だけではなく今のメイド服の写真やあろう事かあの雨の日の写真もある。

震える体を自分で抱きしめなんとか震えをおさめようとしてもおさまらず混乱したままクローゼットのすみに置いてあったファイルを開いた。


光はその名の通り僕に光をもたらす存在だ。何としても手に入れないと。

傾向をみるに優しく誠実な男が好きなようだ。だったらなってやろう優しく誠実な男に。


主任の話を最後まで聞いてやったが光はあまりこっちを見なかった。次は話しかけてみよう。



他にも様々な私の情報が書かれたメモがファイルに貼ってある。

その中に気になる言葉が書かれていた。


光は同棲を解消するようだ。私が手をまわしている事に気付いたようだ。折角、毒を少しづつ盛って弱らせたのに。やはり光は素晴らしい朦朧とする意識の中で僕の仕業と気付いたようだ。

仕方ないリセットするしかない。


「リセット?」


リセットしたから記憶を失った?玲二様は私に何をしたのだろう。


「あーあ見てしまったか。光。」


「れ、玲二様。」


「もういいよ。記憶を失っても情報を得ただろう。光。」


「どういう事なんですか?記憶を失った原因はあなたなんですか?」


「そうだよ。僕が研究してるのは記憶を消去する薬だ。完成したけど危険だから一握りの人間しか知らない。」


「それは答えになっていない。原因はあなたなの?」


どうしても語気を強めてしまう。そんな私に玲二様は優しく朗らかに笑いかける。


「ごめんよ。僕が消したんだ。君とやり直したくて。」


「やり直す?」


「ああ、最初からやり直す為にはまっさらにした方がいいだろう。」


「狂ってる。そんな考え。」


私は震える腕をしっかり握り自分を奮い立たせる。


「君を手に入れる為には何度でもやり直すんだ。なのに何故あのクズを選んだんだ?あいつは人殺しだ。」


「聡一様は変わろうとしてくれました私の為に。後、質問があるんです。勿論、原因は聡一様とお姉様が恋人だった事でしょう。でも私ずっと考えていたんです。玲二様、お姉様に何かを言ったのではないかと。崖に立っているお姉様の背中を押すような言葉を。」


玲二様は顔を歪めて笑いながら言いました。


「ああ、あの日一足先に帰っていたんだ。姉さんに言ったよ。気持ち悪い。弟が好きなんでしょ、僕には手を出さないでねって。」


面白おかしく話す玲二様は悪魔だ。


「さあやり直そう。僕達は一緒にいないといけないんだ。僕はね君がそばにいないと息もできないんだ。」


そして玲二様が隠し持っていた注射器を刺されそのまま意識を失った。



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