表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/23

19、日記の続き


1月8日

今日あの第二の人に結婚を前提に付き合ってほしいと言われてしまった。話したこともないのに何故?と思っていると、見透かしたように微笑みながら一目惚れでその後目で追うようになって目が離せなくなったと言われた。

なんだかんだで付き合う事にした。白衣の彼は誠実そうだ。


2月9日

プロポーズされた。結婚を前提にとはいえ1ヶ月でさすがに返事が出来ずに悩んでいるとじゃあ一緒に一年住んでみませんか?と言われてしまった。

お試しで同棲して生活力等を見て検討しましょうお互いにと言われた。多分、最初からこのつもりだったのだろう。既に親に同棲の許しを貰っていたのは面食らった。そして押しに押されて同棲を三月から始める事になった。


いやいやおしに弱すぎない?いくらなんでもそんなにすぐに一緒に住む?

記憶が無くなる前の私って馬鹿だったのかしら?


3月1日

引越してきて初めての夜、私はリビングの奥の一部屋を自室として案内された。

入ってすぐに廊下があって進むと左手に洗面所と浴室の扉がある。もう少し進むと左手に和室の扉があって真正面がリビングでリビングの奥に扉が2つあって右が私の部屋、左手が彼の部屋だ。

ていうか広いおかしくない?普通の研究員が買えるマンションなの?3LDKってやばくない?もう怖くなってきた。


3LDKか玲二様のお部屋は4LDKだからやっぱり玲二様じゃないのだろうか?

ここから日記は飛び飛びになってるな。今までならあいても2、3日ってとこだったのに。


5月14日

彼は元から優しい人だったけどもっと優しい人だと分かった。私より家事をしてくれる。自室は自分で責任を持つ事にしたけど、残りの家事を料理、洗濯、共有スペースの清掃、ゴミ出しを交代制で決めているのに手伝いをすすんでしてくれるし嫌な顔をしない。

特に料理はほぼ彼が作っている。私が包丁を持とうとすると危ないからと言われ何もさせてくれないのだ。

私は仕事を辞める気は無いし何か嫌な思いをしたらすぐに帰ってやろうと思っていたけどそんな心配はなさそう。


9月7日

このところ私が忙しくて家事をほとんどさせている。本当に申し訳なくて謝ったら。

俺にできる事は全てしてあげたいからって、本当に優しい。仕事を早く終わらせよう。


11月22日

今日、誕生日だった。私は何も言わなかったのにプレゼントを買ってくれていてダイヤの指輪だった。

婚約指輪だそうだ。結婚したらもう1つ送ってくれるらしい。

彼は本当に素晴らしい人だ。最初は戸惑ったけど今は迷っていない。この人と結婚したい。


12月25日

プロポーズされて迷わず返事をした。こちらこそお願いしますと。

結婚指輪は前の婚約指輪とセットになるらしい。今回の指輪は少し大きい石が埋め込まれていてヒヤシンスの花の形にカットされていた。スワロフスキー?という石?らしい。前回の指輪はダイヤがついていたものだったけど、どこがセットなのかよく分からなかった。

不安要素は彼の家族には会った事が無い事だ。なんだかいつもはぐらかされる。


1月20日

最近疲れやすい。いつも熱っぽいしだるい。おかしい体は丈夫だったのに。

彼のお粥は優しい味だ。


2月17日

会社を休んだ。もう何回目だろうそろそろ迷惑になっている。

病院でも原因が分からない。もしかして彼の料理?まさかね。たまにほんの少しだけ変な味がする。

やめよう何もできない私の代わりに家事をたくさんしてくれているのだから。

彼は仕事を辞めてもいいよといつも言ってくれる。


3月26日

会社をやめた。もう何も無くなってしまった。

彼に申し訳なくて出て行くと伝えたら泣きながらいてくれと言われてしまう。

もう私には彼しかいない。



ここからはずっと彼の事ばかり、一日中家で彼を待つ生活を続けたようだ。家事をして彼を待つ専業主婦というものだ。

最後のページだけ異質だ日付も無くただ一言。



あの部屋は何?



ここで終わり。他は惚気と料理のレシピのみ。


全く分からない。この彼が毒を持ってる?という事なのだろうか。後、あの部屋だ。何かを見つけて記憶を失った?


と最後のに封筒が挟まれている。真っ白の封筒の中には名刺が一枚だけ入っていた。


「高橋探偵事務所、所長高橋要。」


名前と携帯電話の番号だけ。この人に聞けばいいのだろうか?でも、もう遅いから明日にしよう。


結局、玲二様は帰ってこず、聡一様も電話の後出かけたきり戻って来なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ