俺と幼女の出会い
思いつきで書いたので、
更新するかもわかりませんが、
一応連載用にしました。
稚拙な作品ですが、見てやってください。
俺こと、近衛裕也は生まれてから今日までの23年間、女の子と友達以上の関係になった事はない。
つまり彼女いない歴=年齢の寂しい寂しい男なのだ。
そんな俺に転機が訪れた。。。
「美羽が”ゆうくん”の彼女になってあげる!」
「はい?」
今まさに、耳を疑うような言葉を女性から、しかも美少女から聞いた!!!
いや、美幼女から聞いた。。。
「だ・か・ら!美羽が!ゆうくんの!彼女になってあげるって言ってるの!」
「はは、ありがと...。」
見るからに、幼稚園の年長さんと言うのが限界であろう容姿の女の子は、少女と言うより幼女だ。
「でもその歳で彼氏なんて早いんじゃない?親御さん心配するよ?俺フリーターだし。」
「そんな事関係ないの!だって”ゆうくん”は美羽の王子さまなんだもん!!」
「はは...王子さまか...。」
現在、俺と手を繋いで街を歩く幼女の名は山本美羽ちゃん。と言うらしい。。。
と言うのも、この子は迷子だ。
バイト疲れした心を動物喫茶で癒されようと、街まで出て来たのだが、駅から10分程歩いた所で1人で道端に座り込んでいる女の子を見つけた。
別に人通りも少なくないのに、誰も相手にしようとしていなかった。
(心にそれくらいの余裕も無いほど、世の中が荒んでるか、それとも俺がお人好しなだけなのか?)
とにかく放って置けなかった俺はその女の子に声を掛けた。
「迷子かな?」
「違うもん!放っておいて!」
成る程、かなり強気な女の子のようで、これなら周りの態度も頷ける。
「そっか、じゃあお出掛けかな?」
まぁ俺は慣れている。伊達に妹達の世話を見て来たわけじゃ無い。
「.........お姉ちゃんに渡す、プレゼント買いに来たの。」
「へぇ、そうなんだ。どこまで行くの?」
「”どっぐでいず”って、お店なの。」
どっぐでいずは動物、主に犬関連のグッズが数多く取り揃えられた店で、無類の動物好きである俺も何度か訪れた事のある店だ。
(知ってる店でよかった...。)
「へぇ、君のお姉ちゃん犬好きなんだ?」
「うん、そうなの!でもうちじゃ買えないから、縫いぐるみをプレゼントしようと思ったの!」
「そっか、俺もそこに用事あるから、良かったら一緒に行かない?」
「え?良いの?」
「良いよ、寧ろ1人で行くより誰かと行った方が俺も楽しいしね!」
こうして、迷子?の女の子と道を共にすることになった。
女の子はよっぽど自分のお姉ちゃんの事が好きなんだろう。道中も、そのお姉ちゃんとの思い出を楽しそうに語る。
「......というわけなの!」
「君のお姉ちゃんはとっても良い人なんだね。」
ふと女の子が足を止めた。
「”美羽”なの。」
「え?」
「美羽の名前!”君”じゃなくて、美羽なの。山本美羽って言うの!」
「あぁ、そうだよね。自己紹介がまだだったね。俺の名前は近衛佑哉。よろしくね、美羽ちゃん。」
「ゆうくんなの?」
「ん?そうだね、そう呼んでもらっても良いよ。」
「うん!ゆうくん、それでねーーー」
女の子、”美羽ちゃん”の話を聞いていると、いつのまにか、どっぐでいずに着いていた。
「着いたみたいだね。それじゃ入ろっか?」
「うん!」
女の子は元気よく入店すると、店内をあちこち見て回り、ようやくお目当のものを見つけたようだ。
「プレゼントは見つかった?」
「うん!この子にするの!!」
それは可愛くデフォルメされた黒いダックスフンドの縫いぐるみだった。
「じゃあ俺はこれかな...。」
俺が買ったのは同じくダックスフンドの縫いぐるみの色違いで、この子は茶色だ。
「お姉ちゃんとお揃いなの?」
「美羽ちゃんにプレゼントするよ。」
「え!!ほんとなの!?」
実は美羽ちゃんがカウンターに向かうまでの間、彼女は何度もこの茶色い縫いぐるみの方を振り返っていた。
道中もお姉ちゃんとお揃いだと言う髪飾りのことを、本当に自慢気に話してたから、きっと大好きなお姉ちゃんとのお揃いの物が欲しくなったのだろう。
しかし、可愛い財布の中身を見て悲しそうな顔をしていたことから、なんだかほっこりしてしまい、衝動的に買ってあげてしまった。
実は俺は貢ぎ体質なのかもしれない...。
「王子さまみたいなの...。」
「え?」
「ゆうくんってまるで王子さまなの!」
「えぇ...そんなことないよ。」
別におれは見た目も良くないし王子さまじみたところなんて1つもない。
「ううん、ゆうくんは美羽の王子さまなの!」
「美羽ちゃんが良いならそれで良いよ。」
「......ゆうくんは、彼女とかいるの?」
「え?」
この子は可愛い顔をしてなんて残酷なことを聞くのだろうか。彼女いない歴=年齢の俺には胸を抉る、非情な質問だった。。。
「い、いないよ...。」
なんとか泣きださずに済んだ。危ないところだった。聞かれるのも辛いが答えるのはもっと辛い。。。
「...なってあげる。」
「え?」
「美羽がゆうくんの彼女になってあげる!」
「はい?」
今日のこの出来事が、俺の恋の物語の始まりだったんだと気づくのはもう少し後の話だ。
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