表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/60

Neon

 俺は、番人だ。

 今日も酒に、金に、そして愛に飢えた獣が、俺が照らし示すネオンサインに惹かれてやってくる。俺は、そんな獣連中が暴れださないように、監視しているのさ。


 俺の目の前でエンジェル・ウイングを飲むこの女もまた、そんな獣の一匹だ。


「……ねぇ、マスター」

「なんですか?」


 おっと、獣が俺の臭いを嗅ぎ付けたみたいだ。チャイコフスキーの旋律に乗せて、獣の声が俺の鼓膜に染み渡る。


「……運命って、あると思う?」

「……運命? ありますね」


 当たり前のことを言ってやった。どうだ……?


「やっぱりね、私もそうだと思っていたのよ」

「……なにか、心当たりがあるようで」



「……その天使の翼で、我が胸中に舞い戻ってくれませんか。マイエンジェル」



 店の扉が開いたことを知らせるベルとともに、新たな獣が割り込んできた。

 すると、エンジェル・ウイングを飲み干した獣は席を立ち、そのしなやかな両腕を奴の右腕に絡ませた。


「喜んで」

「おやおや、これは……」


 既に獣は射止められていたらしい。


「さあ帰りましょ、墨子(すみこ)の元へ」

「ああ。きっとびっくりするだろうな」


 ……こいつは一本とられた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ