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ララトゥールの村

お待たせしました!

そして、待たせてしまい申し訳ありません!


会社に新人が入って来て、新人研修の為に駆り出されていました。


そして、そして、読み人Dさんっ!

大変お待たせ致しました!今日から投稿再開します。






ユートの友人であり仲間であるとしてリョーガ達は村に入る事ができた。

村長宅に向かう途中、見張り役をしていた男ーーチラクからユートの武勇伝を嫌と言う程聴かされるリョーガ達。


ユートは壁を作って後々に問題を起こしているが、それでも尊敬されているようだ。


そして、村長宅にて。


「何もない村じゃが、どうぞ、ゆっくりしてってくれたまえ」


「ああ、助かる」


村長宅に入ったのはエリオスとリリィだけで村長のナータルも苦笑いだ。


他の者達はと言は村を散策中だ。

物珍しい物や、目の惹かれる物が沢山あったのだ。


陶器のコップに急須でお茶が注がれ、二人の元に置かれる。

そして、最後にナータル自身の所へと置いて、一拍。お茶を啜る。


まだ半分程が残ったコップを机に置いて、念には念をと言うように尋ねる。


「一応確認じゃが、見張りからユートのご友人だと聴いたが、本当なのかの?」


「ええ。私の仲間の一人がユートと友人なの」


「で、その仲間がユートを探してるってもんで、俺らも同行してるわけだ」


エリオスは言い終えると同時にお茶を口に含み、苦かったのか表情を歪めた。


ナータルは彼等の言葉に気まずそうに話し出す。


「ユートなのじゃが…三、四ヶ月前まではこの村に居たのじゃ。じゃがの、街に行ったっきり帰ってこんのじゃ」


「ここの近くの街って言うと…」


「トーラサンじゃ。ユートと一番仲が良かった娘だけが村に帰ってきての、詳しく話を聞いたのじゃ。にわかには信じられんが、どうも兵士に捕らえられたそうでの…」


ションボリと視線を揺れるお茶へと向けるナータル。

ユートがこの村を去ったのが余程ショックだったのだろう。


お茶を少し飲んで苦そうに顔を歪めるリリィは、ユートが兵士に捕われたと聴いて『抜け出して重罪犯になってないかしら?』などと思ったが口には出さず、別の事を尋ねる。


「その()に合わせてもらう事ってできるかしら?」


「すまぬが、そやつは少し前にアークノート学園に行ってしもうたのじゃ。じゃが、そやつの親ならば健在じゃ。良ければ案内するが?」


「そうね。お願いするわ」


リリィの頼みで、ナータルは腰を上げる。

わざわざ出してもらったお茶を残しては悪いと、一気飲みして苦い顔をしながらリリィとエリオスも腰を上げ、お茶を半分も残したサニルに続いて村長宅を後にする。



ーーー



その頃、リョーガは。


ユートが数日しか住んでいなかった和風木造建築の家でユースと共に縁側でノンビリとお天道様(てんとさま)を眺めていた。


「ユート、ええとこ住んでたんやな。贅沢やな。会ったら殴る」


「なんでそうなるんですか…」


リョーガの軽いボケにもツッコミを入れるユース。


彼等はノンビリと青い空を眺める。

余りの居心地の良さと陽当たりの良さに自然と眠りにつくまで。



ーーー



クリムは一人でテクテクと村を歩いて散歩していた。だが、今は子供達に囲まれて村を歩いている。


村を歩いていると、ボール遊びに夢中だった子供達がワラワラと寄ってきたのだ。


子供達は村の外に出た事がなく、壁の狭間から覗いて外の景色を見るしかできない。


だからこそ、自分達と同じぐらい。もしくはそれ以下に見える村の外から来たクリムに興味が惹かれたのだ。


人懐っこい子供達は村の外の事を好奇心を持って聞き、クリムは笑みを浮かべて正直に答える。

代わりと言ってはなんだが、村にあるユートが作ったと思われる物に付いて尋ねている。


そんな時、突如村の外が何やら騒がしくなってきた。


それを感じ取ったクリムは視線を外と中を隔てる壁へと向けると、見張り役のチラクの他に何人かの男性が集まって二、三会話してからチラク一人が村の中央の方へと駆けて行くのが伺えた。


けれど、自分達には関係のない事だと思った能天気なクリムは子供達との交流を続けるのであった。



ーーー



エリオスとリリィは村長のナータルの案内によってとある一軒家に連れてこられた。

そこは、一見、何の変哲もない木造の家だ。だが、それは正面から見た場合であり、少しでもズレると違和感だらけの物が見えてしまう。


ーーどデカイ温泉だ。


それが、家の裏手にあるのだ。

入浴を隠す為の壁はなく、雨除け用の屋根があるだけ。

なんと堂々とした露天風呂なのだろう。


二人は初めて見た温泉に目を奪われていると、ナータルが温泉が出来た経緯を教えてくれた。


「あれは、ユートが来て数日後に作りおったやつじゃ。あやつが突然『風呂に入りたい』とか言い始めての、儂は『風呂は金持ちの貴族しか持ってない』と言ったら、どこかへと走って行って、次の日にはここにオンセンが出来ておったのじゃ」


「オンセン…それがアレの名前なの?」


「そうじゃ。ユートがそう言っておった」


そんな雑談をしながらナータルは温泉のある家の扉を軽くノックする。


「は〜い」


扉の奥から陽気な雰囲気を思わされる返事が返って来て、少し待つと家の人が出て来た。


「あら、村長さん。どうされました?」


妙齢の女性だ。エプロンを着けている事から、夕食でも作っていたのだろう。


「来客じゃよ」


言い終えると同時にナータルに視線を向けられた二人は簡単な挨拶を済ます。


「リリィよ」


「エリオスだ」


「彼等はユートの仲間じゃ。どうやらユートを探してるらしくての、詳しく話を聴きたいと言う事で伺ったのじゃ」


「そうですか。ユートさんの…」


ジックリとリリィとエリオスの姿を見つめてから、ふふっと微笑んで二人を家の中へと招き入れた。

ちなみに、村長は帰った。


それから、リビングへと通された二人は勧められた通り近くの椅子に座り、出されたお茶を見て苦い顔をした。


そんな二人とは違い、女性は何でもないかのようにお茶を啜り、軽く自己紹介をすます。


「私はミィリルと言います」


一拍置いて、


「今は出掛けていますが、夫のガルフがもうすぐ帰ってくると思いますので、話はそれから…。それまで我が家だと思ってごゆっくりして下さい」


言い終えると同時にニコッと慈愛のこもった笑みを浮かべてミィリルは台所へと向かって行った。


それを見送ったエリオスとリリィは、


「俺、あのオンセンに入ってみたいんだが、良いか?」


「どうして私に聞くのよ。行って来たら良いじゃないの。一応、ミィリルさんに断りを入れときなさいよ」


「おうっ」


ウキウキ気分でエリオスはオンセンへと向かった。

これから起きる事も知らないで。



ーーー



ミィリルの家から自宅へと帰る途中であった村長のナータル。だが、帰宅はできなかった。


「そ、村長っ!すぐに来て下さい!緊急事態ですっ!!」


血相を変えた男性ーーチラクに呼び止められたからだ。彼は物凄い焦りを見せて早口で話した。

それだけで何の用事か察する事が出来たナータルは彼と共に壁の方へと駆けて行った。



ーーー



「ララトゥールの住人に告ぐ!!即刻この村を明け渡せ!!さもなくば、総攻撃を開始する!!」


村の外では大声で怒鳴っている人がいる。

そいつは、豪華な馬車にのって拡声器の役割を果たす石を持った、これまた豪華な服装の豚のような姿をした人間だ。


その周りには、私兵だと思われる兵士や冒険者が何人も集まり、今まさに戦争でも始まりそうな重苦しい空気を漂わせている。


誰かが返事を返すのを今か今かと待つが、返事はない。

誰かに見られている気配はあるのに、人っ子一人姿を現さない。


「…ちっ」


ブタ男は不機嫌を隠す事もせずに舌打ちをする。そして、遂に周囲に控えている人達に指示を出した。


「やれ」


「「「おぉーー!!!」」」


その一言が発端で、冒険者や私兵達の雄叫びが上がり、総攻撃が開始された。


鋼鉄の壁や門に切り掛かる者達。壁に魔法を撃ち込む者達。壁のない空へと矢を放ち、村の中を狙う者達。

それぞれの力は弱くとも、束になれば強力となる、物量作戦での攻めのようだ。


だが、結果は虚しく、壁に攻撃を加えても傷一つ付かない。あるのは、どこかのバカが凹ませた傷跡だけだ。

壁の上を弧を描いて飛んで行く矢は、どこからか放射された光の線ーーレーザー光線で焼き払われる。


人間の攻撃など全く意味をなさないのだ。

それも当然。この壁はドラゴンなどと言った強力な魔物が敵として想定されて造られたのだ。


ちなみに、想定された魔物はユートの堕ちた迷宮の魔物だったりする。


そんな代物を突破しようだなんて到底不可能な事だ。例え、あのリョーガでさえも凹ませるのが限界である。


なのに、それを理解してないのか、それとも理解する脳を持ってないのか、ブタ男は攻撃を続けさせる。


爆音や怒号などの騒音を村全体に響き渡らせてーー。


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