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動物が大好きだ

投稿、遅れました!!


昨日の晩に終わっていたはずなのに、投稿する手前で寝落ちです。


今日は仕事が休みなので、起きるのも遅れ、そしてiPhoneはバッテリー切れ…。


急ぎ充電、そして、投稿…です!


ちなみに、起きたばかりです…。

遅れて申し訳有りません…。


階段を一つ降り、廊下の突き当たりにある扉の前辺りで、俺はパクっと猫耳少女の耳を咥えてみた。


普段の俺なら絶対にしない馬鹿げた行動だ。

なら、何故こんな事をしたのか。そんな事、考えなくても分かる。こんなバカな行動を取ったのは、欲求を抑えきれなかったからだ。


これまで普通の動物ではなく、獣系の魔物としか触れ合う事しかできなかった。普通の動物との出会いが無かった。

だから、内心諦めかけていた。馬とか牛ならばまだしも、猫とか犬との出逢いは絶望的なぐらいに諦めきっていた。


けど、今日、この日、この時、奇跡が舞い降りた。

猫がいた。いや、少し違う。猫耳を持った人がいたのだ。もう、それを見た瞬間に俺の心は沸騰寸前のお湯の如く煮え滾り、心は一つの言葉に埋め尽くされ、身体は癒しを求めるかのように動いた。


もう、相手が男だろうが女だろうが、その時の俺には全く関係なかった。


触りたい。その言葉が俺の心を満たし、俺の体を動かした。そして、溢れんばかりの行き過ぎた愛情故に奇行にまで走ってしまった。


そこにボケが含まれていたのは否定できないが。それでも、今になって思う。


やりすぎた。


まさか、耳を咥えただけで、腰を抜かしたようにペタンッと座り込んでしまうとは思ってもいなかった。

俯いて肩を震わせてる背後姿は、まるで泣いているように見える。


「………」


これは、あれだ。


逃げるが勝ちだ。己の事ながら最低な野郎だとは思うが、これが一番の得策だと俺は思った。


だから、彼女の隣を、何もしてませんよ〜と体現するように何食わぬ顔で口笛を吹きながら素通りしようとする。


が、服の裾を掴まれて逃げる事は叶わなかった。


視線をゆっくりと猫耳少女へと向ける。

ピーンと逆立った猫耳に目を取られるが、出来るだけ笑顔を試みる。たぶん、引き攣った笑みになっていると思う。


「ど、どないしたの、かな…?」


「ぁ…ぃ…」


猫耳少女は俯いており表情を伺えない。俺の耳を持ってしても何を言ってるかも分からなかった。

だけど、こんなバカな俺ですら分かる事がある。


絶対に猫耳少女は怒ってらっしゃる。


肩をプルプルと震わせて、服の裾を掴む手には力がこもっている。


逃げるが勝ち。それは、俺の専売特許だ。

面倒事は全て見ないフリ。逃げて逃げて逃げ続ける。そうすれば、俺に害が及ぶ事はない。

今回は俺が先に手を出してしまったとは言え、全てを無かった事にして逃げ出したい気持ちで胸が一杯だ。


いっそのこと、彼女の手を振り払って逃げてやろうか!と思ってしまう。

けど、それはそれで悪い気がする。

さっき逃げようとしたやつが何言ってんだ。とか言われそうだが、今だから思うのだ。


罪悪感、マジパネェっす…。


「………」


俺が黙って、無理に作った笑みを浮かべながら猫耳少女を見つめ続ける。

もっと詳しく言うなら、彼女の耳を見続けていた。


動きたくても、罪の意識が俺の純白のような綺麗な心を支配して動けなかった。


猫耳少女はブツブツと俺の超高性能イヤーですら聴き取れない言葉を発し続けている。

と、思いきや、突如顔をガバッと上げて潤んだ瞳を尖らせて、敵意剥き出しで睨み、ハッキリと言った。


「手を、貸して下さい…」


まさか、頼まれるとは思っていなかった。かなり言うのを躊躇ったような嫌そうな頼み方だ。

彼女の瞳を見る限り、絶対に怒っている。


だけど、それ以上の、例えば、殴られたり、蹴られたり、肥溜めに捨てられたり…などの事は無さそうに思える。


だけど、それはあくまでも俺の予想であり、何かされる事を覚悟しなければならない。


恐る恐る、彼女に手を貸して引っ張り上げる。


何が来るか!?と、待ち構えたのも杞憂だったようで、彼女は何事もなかったかのように服をパンパンと叩いてから俺の前に立ち、扉をノックして入っていった。


だけど、俺の耳は彼女が通り過ぎる瞬間にハッキリとした言葉を拾った。


『殺してやる』


殺意が篭った物凄いセリフだった。

もう、俺の背筋ちゃんがゾワゾワって鳥肌立てて怖がったよ。


この後の事が不安に思えたけど、たぶん何とかなる。そう自分に言い聞かせ、食堂へと続く扉を潜る。


食堂は、縦に長く大きい机が中央に一つ、必要のなさそうな椅子が机の周りに沢山。

俺が入ってきた扉は下座辺りで、上座にはレイルムが座っている。


「随分と遅かったのぉ」


食堂に入ると同時にレイルムから声を掛けられた。呆れたような物言いを聞く限り、どうやら、待たせてしまったようだ。


レイルムの側には二人の侍女が立っている。いや、奴隷か。二人共、俺から見れば随分と若く見える。そして、片方は俺の知ってる、猫耳少女だ。

物凄く睨まれてる。敵意むき出しだよ…。


つか、この場合、侍女であってるのかな?

もしかして、レイルムの趣味だったりして…。

まぁ、それは後で暇でも見つけたら聴いておこう。


「ちと色々あってんよ…デス」


本当に敬語が慣れない。前の世界で使う事が少なかった所為だろう。

だけど、不思議な事に、バイトとかしてた時とかは普通に使えたんよ。なんでやろ?


「そうか。まぁ、座るといい」


一つ頷き、座る事を勧めてくる。

場所指定をされてない事から座る場所はどこでも良いのだろう。って事で、一番近くにある席に、レイルムの真正面に座った。


「メリナ、食事を」


レイルムは猫耳少女とは反対側の綺麗な金髪の少女に指示を出す。


少女は深い礼をしてから「畏まりました」と言って奥の扉へと向かっていった。


食事が出てくるまで猫耳少女の鋭い睨みを浴び続けるのかな〜っと思いきや、レイルムが話し出した。


「儂はこう見えて、もう老体じゃ」


「見たまんまやな」


「なのに、この様な屋敷に住むと、寂しくて寂しくて…分かるじゃろ?」


俺の言葉はスルーされたようだ。

なのに、返答を求めるような視線を向けてくる。

これはどう言った返答を返せばいいのかと迷っていると、老人のレイルムは俺の返答も待たずに続きを話し始めた。


「だから、儂は奴隷を買う事にしたのじゃ」


「人雇ったら良くね?」


「儂は思ったのじゃ。一人で取る食事ほど寂しいものはないっとな…」


「うん、うん。それならさ…」


「で、だ。一人は料理を取りに行っておるが、彼女達も一緒に食事を取るが、良いか?」


完全に俺の言葉はスルーである。まぁ、リョーガと一緒に居れば慣れる事だが、久し振りに味わうと、少し辛いものだ。

ちなみに、スルーと無視では心の痛みは全く違う。無視の方が辛いのよ。


「良いんちゃう?俺も奴隷やし、言えたもんちゃうけど」


「そうか。それは良かった。ミナ、座っても良いぞ」


レイルムは嬉しそうにミナと呼ばれた猫耳少女に座る事を施した。

だけど、ミナは座らなかった。


「レイルム様。メリナの手伝いをしてきても宜しいでしょうか?」


「ああ、構わないぞ」


老人レイルムの表情が、まるで親が浮かべるような慈愛の篭った表情になっている。歳を考えろ、歳を。


ミナはレイルムに許可を貰ってから、奥の扉を潜って行った。

この食堂に残されたのはレイルムと俺だけだ。


なにか、背筋に寒気を感じるが、それは気の所為だろうと思っておく。


「そう言えば、主は…ユートはどうして”兵士殺し”など行ったのじゃ?」


「……ん?」


暇潰しとして話してるんだろうけれど、俺はレイルムの言っている事が全く理解できなかった。

兵士殺し。そんな事、した覚えは一切ない。見た覚えはあり、怪しいと言う理由で捕らえられただけだ。


「なに、心配せずとも儂は主を咎めたりせぬ。話したくなければ、それで良いしの」


「……?」


レイルムは何か色々と勘違いをしているようだ。俺はやましい事なんて別に……いや、ないとは言えないけれど、人に言えない事は特にない。


「いや、話したくない訳じゃないんよ。ただ、言ってる意味が良く分からんかってんよ…デス」


敬語、忘れてた。まぁ、レイルムはあんまり気にしてなさそうだから良いけど、奴隷商の店主からは敬語を使うように厳しく言われてたからな。


「言ってる意味?ユートは兵士を殺し、そして犯罪奴隷となった。そう奴隷商は言っておったぞ」


「……マジで?」


「マジじゃ」


レイルムの瞳を見る限り嘘を言っているようには見えない。

と、言う事は、だ。


「もしかして俺、騙された?」


目頭を押さえて天井を見上げる。

その言葉を口にすると、妙にシックリきた。

俺が奴隷になった経緯は、兵士に怪しいと言われて牢に閉じ込められ、その後、いつの間にか奴隷にされていた。

あの時は、何が起きているのか訳が分からなくて成り行きに任せていた。いつか、村に戻れるだろう。と、タカをくくって。


だが、結果は違う。実際は、兵士に騙され、奴隷にされた後、レイルムに買い取られている。奴隷のままでは村には帰れそうにない。そして、リョーガに会いに行く事も、夢のまた夢になる。


そう考えると、沸々と怒りが込み上げてくる。


「ふっ、ふふふっ、ふははははっ」


滑稽だ。

何も考えずに行動するからこうなるのだ。自分の馬鹿さ加減に笑いが溢れる。


「どうしたのじゃ?」


声が聞こえ、視線を正面に戻すとレイルムが心配そうな表情で俺をみている。

たぶん、突然俺が笑い出したからだろう。

この状況で心配してくれるのは、正直、嬉しいな。


「ハメられたわ」


怒りを笑いに変換させて喋る。たぶん、俺の表情は物凄い笑みを浮かべているだろう。


「…どう言う事じゃ?」


レイルムは全く知らない。俺が奴隷になった経緯など知るわけもない。

もしかすると、あの奴隷商もグルだったかもね。


そう考えると、本当に俺はバカだ。大バカ者だ。笑える…。

to be continued.....

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