表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/108

世界を回す歯車のネモ達

今日は、成人式でしたね。

成人式の日に何をしていたかと言えば、寝ていました。仕事は休みです。

起きて始めたのはゲーム。

スカイリムって言うゲームです。結構ドハマりしています。


ほんと、何してるんですかねぇ〜



六神の神々を信行する国、教国と言われる国がある。

その国の領土内に存在する、とある街の商業ギルド。


一八〇程の身長をした白銀色の髪の男性が受付を困らせている。

その理由は、彼が喋らない事にある。数分前に受付に来たのは良いが何も喋らないのだ。


無感情な瞳をジッと、まるで何かを訴えるかのように受付の男性に向けているだけである。


「えぇっと…」


彼は一体何をしに来たのか。そんな事すら分からないでいる。

ギザギザ口が特徴的な白い仮面を着けている為、表情で判断する事もできない。


要するに、彼が何も喋らず、無言の威圧を加えてくるから話が進まないのだ。


それから数分。いや十数分が経った時、彼は突然動いた。


視線を受付の手元に向け、ある物を指差したのだ。

それは、何の変哲もない未記入の登録変更用紙。


突然の事で呆然とした受付だったが、慌てて動き出して用紙を渡し、ようやく話が進んだ。


「えぇっと、この欄には商業名を、この欄には名前を……」


一つ一つの欄を手で示しながら何を記入するのか説明していくが、彼がとった行動は受付の思っていた事とは全く別物だった。


用紙を裏返し、何も書かれていない場所に文字を書き始めたのだ。

咄嗟に間違いを指摘しようとする受付。


「ああっ、そこじゃありませ…ん?」


だが、彼が書いていたのは表面に記載する物ではなく、列記とした言葉だった。


『商いを始めたい』


そう裏面に書かれたのだ。

受付は『もしかして、この人喋れないのかな?』と思いながら、彼の要望に応える為の説明を始める。


「あっ、はい。分かりました。一応お尋ねしますが、商業ギルドに登録はお済みですか?」


『していない』


「では、こちらの用紙にお名前、ご年齢、後、これから始める商業をご記入下さい」


他の場所から用紙を取り出し、手の平で記入欄を示しながら言った。


カウンターに置かれた用紙を仮面の彼はジッと見つめて数秒。動き出したと思えば、パパッと目にも留まらぬ速さで記入を終わらせた。


余りの速度に驚きを隠せない受付。だが、先程の事もあり、少しは慣れたのか、すぐに我に返って手続きを開始する。


「お名前はウエ様ですね。ご年齢は…0歳?何かの冗談ですか?」


さすがの受付も記入された項目に疑いを隠せなかった。冷やかしならば帰れ。と言いたそうな訝しむ視線をウエと名乗った彼に向ける。


ウエはペンで手元の羊皮紙をトントンと叩いて少し考える素振りを見せたかと思いきや、次の瞬間には返答を記入していた。


『20歳』


書かれていた言葉を見て、それならば納得できる。一文字抜けたのだろう。と思い、先程の行動に謝罪をして、話を続ける。


「先程は不快な思いをさせて申し訳ありません。…では、続けさせて頂きます。これから始める商業はシンブンヤ?で間違いありませんか?」


受付の問いにウエは文字ではなく首を縦に振って応える。


「では、こちらの用紙の記載欄にシンブンヤの具体的な行動内容などをご記入しておいて下さい」


また他の場所から新たな用紙を取り出してウエに渡し、場を一時的に離れた。


受付が右側端にある扉を潜って行くのを見送ったウエは手に持つ羊皮紙に視線を向ける。

そこには、仕事内容や拠点、人員などの記入項目があった。僅かな時間、羊皮紙に記載された項目を見つめ、紙をカウンターに置いた瞬間には書き終わらせていた。


それから暫く経ち、受付が戻ってきた。

手に持った縁が銅色のカードをウエに渡しながら説明を入れる。


「お待たせ致しました。こちらが商業ギルドのギルド証明になります。紛失させますと、五千ガルラ必要となりますのでご注意の程、お願い致します」


カードの表面に記載されているのは、ウエの名前と年齢と仕事名だけで、裏面には何も書かれていない。


「こちらのご記入は終わりましたか?」


ウエがジッとギルド証明に視線を固定して微動だにしない。受付は話を続ける為にカウンターに置かれた羊皮紙を手の平で指し示しながら尋ね、ウエは視線を受付へと戻して頷いた。


「では、拝借させて頂きます」


ウエが記入した用紙を手に取り、書かれている内容を詳しく読み、驚いたような表現をしたり、眉を顰めたりしている。

一通り読み終えた受付は一拍置いて言葉を発する。


「はい、承りました。最後にこちらをお渡し致します」


紐で束ねられた紙束をウエに渡す。

そして、またもやウエの視線が渡された物へと釘付けとなる。

それを待っていても話が進まない事をこれまでの事を垣間見て知っている為、彼の行動を待たずして言葉を続ける。


「そちらには注意事項などが書かれておりますので、しっかりとお読み下さい」


ようやくウエとの接待を終えれると先程までの作り笑顔より一層濃い喜び交じりの笑みを浮かべる受付。


「本日のお越し、ありがとうございました。またのご来店を心待ちにしております」


心の中では『もう来るな!』と叫んでいるが、決して表には出さず、ウエをカウンター越しから送り出す。


だが、ウエは受付から動かなかった。『まだ何かあるのか!?』と心の中で悲鳴を上げ、受付の笑みが徐々に引き攣り始める。


暫くの時間、ウエは相変わらず一言も言葉を発さないままジッと受付を見続け、冷や汗を掻く受付は笑みが崩れないように必死に耐え続けた。

数分後、ようやくウエは踵を返して商業ギルドを立ち去った。


それを見送った受付は、ウエが出入り口の扉から出て行った刹那、人目を全く気にせずに大きな溜息を吐いてカウンターに突っ伏した。


「はあぁぁ……疲れたぁ……」


その行動は業務上絶対にあってはいけない行為だ。普通ならばここで仕事仲間からお叱りを受ける。それでも、今回ばかりは許して欲しい。と内心で呟きながら疲れを溜息として吐き出し続ける。


そうして何分が経っただろう。今の時間帯は客も少なく、する事がない事とは言え人目はある。誰かに文句を言われても仕方がない態度だ。なのに、誰も何も言ってこなかった。


それを良い事に彼は余り深く考えず、疲れをある程度まで吐き出し、いつも通りの業務に戻ろうとした時、ようやく声を掛けられた。


「メサル君…先程の人は…」


普段、厳しいはずの先輩が恐る恐ると言った風に話し掛けてきた。

そんな先輩の姿を見るのは初めてなメサルと呼ばれた受付は少し戸惑いながら返答する。


「えーっと、ウエ様ですか?」


「そうっ!けど、違う!さ、さっきの人!あの方は!ソラ様ですよ!」


とても興奮したように鼻息を荒くしてウエが出て行った出入り口を指差す先輩。

だが、メサルは先輩の言う名前に心当たりがない。どこかで会った?それとも接待した?と疑問を頭の中に浮かべる。


「もしかして、分からないのですか!?あの巨大キャラバン”ソラの瞬き”のリーダーですよ!?」


「……っ!?」


そこまで言われてようやく理解した。

そのキャラバンは知らない人が居ないと言われる程に有名だ。彼も話だけでしか聞いた事がないが、子供だけで構成された巨大なキャラバンで、売っているものは普通の物から、とても珍しい物まで、と幅広く扱い、世界中にある商業ギルドの収益の大部分を占めているものだった。


「た、確か…リーダーは…」


今度はメサルが恐る恐ると言った風に話し始める。


「白い仮面を着けた無口な人……」


そこまで言って、自分がどれ程の大物と出会ったか理解ができた。

神出鬼没で滅多にお目にかかる事が出来ないと言われる”ソラの瞬き”リーダー、ソラ。


なぜ、彼は名前を変えて登録しにきたのか、などの疑問は湧き上がった瞬間から頭からスッポリと抜け落ち、彼と出会い、接待できた事を幸福に思い、彼の崇める神に感謝し始める。


だが、彼等は知らない。


ソラは世界中に散らばる多数の中のネモの一人である事を。そして、先程登録しにきたのは、その内の一人だった事を。


喜びを神に感謝する彼等の知らない内に、世界の歯車は回り続ける。

ネモ達の手によって強制的に進められ続ける。

リョーガ「ネモって、金もってそうやな」

ユート「一応、総額で60億あるらしいで」

リョーガ「マジかよ!?」

ユート「うん。ちなみに、あいつらの中で一人は、一国よりも金持ちやで」

リョーガ「どんな仕事してんねん!」

ユート「暗殺者」

リョーガ「うおっ!?マジかよ!そんなに儲かんの!?」

ユート「らしいわ。人選んでやってるらしいけど、一流やなんやで儲かんねんて」

リョーガ「すっげぇー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ