表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/108

黒魔法

昨日はすみません!!


何も書かず、寝てしまいました!

そして、どうでもいい事ですが、今も物凄く眠たいです!

ごめんなさい!

空を覆い尽くす雲から雨がザァザァと降り注がれる。

一歩進むごとに濡れた地面に足が沈み、歩きにくい。それでも、全員が外套を着て、雨を防ぎながら馬車と冒険者とリョーガ達は足を運び続ける。


「ねぇ、リョーガ。さっきニアカントから聞いたんだけど、本当に”黒魔法”ってステータスに書かれてるの?」


「おん。そうやけど?」


リョーガは「それがどうしたん?」と伝えかのように言った。

それに対し、ルミネは訝しみの混ざった視線をリョーガに向けて真実かどうかの確認を取る。


「…本当?」


「だから、そうやって言ってるやんけ」


面倒くさげに苛立ち混じりの返事を返すリョーガ。風邪は一晩で治ったようだが、寒そうに肩を震わせている。

ちなみに、ニアカントが代わりに風邪をひいていたりする。


「………」


ルミネは困った表情を浮かべ、黙り込んだ。雨が顔にかかるのも気にせず空を仰ぎ見る。

分厚い雲のせいで、太陽の灯りは届かず、薄暗い。

晴れる気配はなさそうだ。この調子だと、今日一杯は雨になりそうだ。


数分間黙り込んで空を見上げながら考えていたルミネ。『これだけは確かめておこう』と思い、リョーガへと視線を向けて口を開く。


「…リョーガ」


「なんや?」


「黒魔法、使えないよね?」


「そりゃな」


リョーガの返答を聞いて、誰が見ても明らかなホッとした表情を浮かべて小さく溜息のような息を吐いた。


それが目の端に映ったリョーガは不機嫌に顔を歪めた。


「い、いや。リョーガが魔法を使えなくて安堵したんじゃないのよ。ただ…その…」


リョーガを魔法が使えるようにする。と言うのは約束であり、違えることはない。だが、ルミネはその後の言葉を口にするのに言い淀んだ。


「なんやねん。ハッキリ言えや」


リョーガは、若干トゲの含まれた口調で『なんでもええから、早よ言えや』と意思の含まれた厳しい視線をルミネに向けた。


ルミネは少し迷い、そして僅かな勇気を持って尋ねる。


「リョーガって、黒魔法の事、知ってたり…」


「する訳ないやん」


「よね…」


『やっぱり…』と心の中で呟きながら溜息を吐き出し、渋々ながら黒魔法について説明する。


「黒魔法はね、失われた過去の、それも、魔導時代の魔法なの」


「魔導?魔法やなくて、魔導?どう言う事なんや?」


「それを今から説明するの。…コホンッ、私達が使う魔法はね、魔導の劣化版なの。現在、明かされている研究結果で、分かっている事が幾つかあって、その内の一つが、魔導は体内の魔力…つまり、オドだけを使って発現させる魔法のようなもので、威力は計り知れないわ」


ウンウンと頷いて相槌をうつりょーが。表情を見る限り、少しは機嫌が直っているようで、真剣な表情で話に耳を傾けている。


ルミネは喉を潤す為に、水筒を取り出して水を一口飲み、話を続ける。


「…けれど、魔導には欠点があるの」


「欠点?悪い所って事?」


「そう。魔導時代が滅びた理由であり、歴史を一つ崩壊させる程の欠点。……魔力汚染」


「魔力…汚染…?」


「大気中に漂う魔力…マナを穢すの。一度マナが穢れれば、長い期間の間、正常には戻らない。現に、魔族が住んでいる土地の一部は未だに穢れが残っている場所もあるの。それに、魔力汚染された場所には、その魔力を好んで強力な魔物が集まるし、酷い場合、生き物が立ち入れない場所になってしまうの」


ルミネは、手の平を空に向けて雨粒を受け止めながら語る。足元に視線を向ければ、草が生い茂っている。何度踏まれようとも、気丈に生きる雑草達だ。


「この雨も、この草も、マナが汚染されてしまうと、雨は全てを溶かす猛毒となり、草木は枯れ果て朽ちていく。まさに、この世の地獄になってしまう。…それが、魔導を使い続けた結果よ」


知っている事を全て話した。その内容はとても重要で、誰が聞いても、魔導がどれほど危険なモノなのかを理解する事ができる。

なのに、リョーガは鼻をほじくりながら「ふーん」と興味なさげに返事を返した。


「で、どうやって魔法?魔導?使うん?」


「………」


『これまでの話を聞いていたのか!?』と言いたくのを心の中だけに抑えて、溜息が出そうになるのを堪えてリョーガの質問に答える。


「…初めに教えた通り、体内のオドを感じ取って、それを詠唱と一緒に体外に放出するの。けれど、その魔法は…」


危険だ。一歩間違えれば、世界を崩壊させかねない。再度、クギを刺すかのように説明を入れようとした。が、リョーガが話を遮った。


「ちゃんと聴いてたから。黒魔法使ったら、なんかヤバイ事になるんやろ?」


本当に聞いてたのかと問いたくなるような発言だ。だが、ルミネは、それで納得するしかできなかった。


横目でリョーガを確認すると、「早く晴れへんかなぁ〜」などと呟いて、長い話に飽き飽きしているのが見て取れた。


「はあぁぁぁ…」


ずっと堪えていた溜息が遂に纏まって出てしまった。どれだけ説明しても、話をしても、話をまともに聞こうとしないリョーガ。

リョーガがまともに魔法を使えるようになるのは遠くなりそうだ。と、ルミネは思うのだった。



ーーー



ここは、草原だ。雨が降り注ぎ、ゆっくりとした足音と共にぬかるんだ地面がグチャグチャと鳴る。


リョーガ達が歩く姿は、とてもじゃないが遠すぎて見えない。雨によって視界も悪く、米粒程の大きさである一行の姿を瞳に捉える事などできやしない。


そんな場所に、彼等は居る。


黒騎士達とローブを着た男だ。

地面は所々、抉れ、草や土などではなく、水溜りと化した場所がある。それだけで、ここで戦闘が行われていたことが分かる。


黒騎士の中で、唯一立っていた最後の一人が膝をつき、地面へと倒れる。

それを横目に、ローブの男ーーネモは遠方へとゴーグル越しに無機質な瞳を向ける。


彼はネモではあるが、ネモ(ソラ)ではない。その証拠に、顔を隠す真っ白の仮面は、一文字に結ばれた口と両目を覆い隠すゴーグルを着けている。

ユートが着けている物と同じものだ。


「うぅぅっ、き、きさまぁ…」


黒騎士が呻き声を吐きながら、背を向けているネモに手の平を向ける。刹那、黒騎士の手の平から薄黒い槍が飛来した。

が、ネモは後方を確認する事なく、上半身を僅かに動かすだけで避けた。


彼の興味は黒騎士達にはなく、彼の視線の先に居る、見えない筈の彼等に向けられている。それは、馬車とその他数名と歩くリョーガ達だ。


「対象を目視にて発見」


ユートと全く同じ声で、ここには居ない誰かへと話しかける。

だが、彼に返答をする者はこの辺りにいない。なのに、彼は一人で喋る。まるで、誰かと話すかのように。


「はい……了解」


まだ意識のある黒騎士達からすれば、彼が一人で喋っているようにしか見えないだろう。だが、実際に彼は会話している。


頭の中に話し掛けてくる彼の主人へと話しかけているのだ。


ゴーグルを外し、レンズに付いた水滴を服の裾で拭ってから、再度装着する。


そして、黒騎士達に一目もせずに歩き去って行った。


ネモの行動は、黒騎士達に屈辱を与え、後々に厄介な事態を招く羽目になるのだが、それはまたの話。


リョーガ「にしても、魔導って凄いんやな」

ルミネ「凄いってものじゃないよ。魔法よりも強力で、計り知れない力を持ってる反面、世界を破壊するのよ」

リョーガ「でも、凄いやん」

ルミネ「それじゃあ、魔導は魔神が使う魔法だと聞いても、凄いって言えるの?」

リョーガ「なおさら凄ぇーやん。俺様だけの魔導。俺様だけが使える魔法…」

ルミネ「別にリョーガだけって訳じゃないと思うけど…」

リョーガ「?どういう事や?」

ルミネ「魔導はね、魔法と違って四種類の属性しかないの。そして、その内の一つ、白魔法が過去に使える人が何人か居たそうよ」

リョーガ「えーー。んじゃさ、その四種類の魔法教えてや」

ルミネ「さっき話した【白魔法】、そして、リョーガが使える【黒魔法】それ以外が【無魔法】と【属性魔法】」

リョーガ「……属性魔法?」

ルミネ「そう。魔法の火や水の全てが使える魔法なの。今の時点で使える人は、賢者様しか居ないけど、もしかすると知らない所で使える人がいるかもね」

リョーガ「なんやぁ〜。俺だけが魔導使える訳やないんやなぁ〜」

ルミネ「まぁ、そうね。魔導使える人は、世界に一人は居ると思っていいわね」

リョーガ「クソォ〜」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ