表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クレイジー・アクセル 【略:クレアク】  作者: 九九 零@異世界モノ大好物
第1章〜どうやら、異世界に迷い込んだらしい〜
1/108

日常から非日常へ

書き直しです。


やっぱり、私はダメダメですね。

もっと、もっともっと上手くなりたいです。


あ、ほとんど前の作品をコピー&ペーストしただけです。少し書き直してるだけです。

良ければ、最後まで読んでくれると嬉しいです。


夏。皆が夏休みだと騒ぐ嬉し楽しい長期休みの日。

俺は就職しており、休みなどなかったが、その日、俺は未知の世界に迷い込んだ。

仕事とか、行事だとか、何もかも関係なくなったのは嬉しい事だ。


そこは、剣や魔法で戦う所謂ファンタジーの世界だ。俺らが居た世界とは全く異なる世界。


頭の悪い俺は歴史の事などサッパリで、詳しい事なんか分からないが、ここの時代は古い事だけは分かった。上手い事言えないが、雰囲気が古く、賑やかで、俺好みの場所だった。


この世界に来てまだ少ししか経っていないけれど、とても楽しく感じていた。


ーーーあの日までは…。


この世界に来たのは、俺一人じゃない。友人も一緒だった。だけど、その日、俺の友人は死んだ。

いや、友達なんかよりも、もっと尊い存在だった。親友だったんだ。


けど、俺は親友を殺してしまった。


あの時、あいつの手を意地でも離さなかったら。そう何度も悔いた。だけど、悔いても、悔いても、俺は足を止めたまま。


どれだけ嘆いても、許してくれる人など居ない。悔やみきれない。親友のあいつならば簡単に俺を許してくれるだろう。あいつの事を良く知る俺ならば分かる。

だけど、俺は俺自身が許せない。


一生許せない。


あの時、あいつの手を離さなけいれば、あいつは助かったのに俺は……。



ーーー



俺は向野(むかいの) 凌駕(りょうが)。彼女無しのイケメンで、絶賛彼女募集中だ。

これでも昔は結構モテた。今は仕事柄そんなことはないが…。


ストレートの髪は茶色に染めている。けど、内側まで染まらなくて黒のままだ。周りから「プリンみたいやな」ってよく言われてる。けど、ちゃうねん。勝手になってんよ。

それに、茶髪の隙間から黒髪が見えてるだけやからプリンとは違うやん。


まぁ、それは置いといて。


今、俺は仕事を終え、家に帰った所だ。新品のような綺麗さを保った仕事着からツナギに着替え、友人に電話をかている。


『なんや?』


三コール目で電話に出た友人が理由を聞いてきた。返す言葉は決まっている。


「遊ぶぞ!」


『突然やな。まぁええけど』


「ほな、俺んちな、もちバイクで!」


『はいはい』


なんか面倒くさそうな返事しとるけど、こいつはいつもこんな感じだ。

友人の名前は上田(うえだ) 優人(ゆうと)。眠たそうな目と手入れされていないボサボサ髪が印象的なやつ。本人は天然パーマだと言っている。

俺と違って上田は学生で、俺と上田は高校一年からの知り合いだ。


初めて会った時に妙にコイツとは馬が合った。一緒にいて楽しく思えるし、変なところで常識も持っているから友人としては最高だと思う。頭が少し…いや、結構イカれた友人だけど。


俺は必要な物をポケットに適当に詰め込んで、上田からの『着いた』の連絡をタバコを吸いながら待つ。


今日は、上田と夜のツーリングに行こうと思って連絡を入れた。他の友人達は皆、働いてるから忙しくて遊べない。

だから、いつも連絡を入れると『暇やで』と言ってくれる上田と遊んでいる。


タバコを2本吸い終えて、ドクロの柄の灰皿に捨てる。

新たにもう一本吸おうと思い、タバコの箱を手にとった瞬間、上田から電話が掛かってきた。

ようやく家の前に到着したようだ。


タバコの箱を胸ポケットに収めながら玄関に向かう。

どのみち、到着の連絡だろうから電話は出ない。

上田もそれが分かっているからか、三コール目で電話を切った。


「あ、せやせや。財布忘れる所やったわ」


忘れ物に気が付いた俺は玄関の近くにある階段を登り、自室へと向かった。



ーーー



俺は上田。みんなからは、上田ってそのまま呼ばれてる。あだ名は鉛筆。泣けてくるよ…。

今、友人の家の前で待ってるんだけど、向野はいつも出てくるのが遅い。

呼び出したんやったら、用意ぐらいして待ってろよって話だね。俺が来てから用意するなよ…。


オフロードバイクのシートに腰を掛けてタバコを吸いながら数分待つと、ようやく出てきた。


向野の服装は、関節部などにプロテクターが入った赤と黒のツナギだ。バイクレーサーが着ている服と同じようなもの。靴はレーシングシューズ。手には財布と赤と黒のフルフェイスを持っている。どうやら、近くの山を走りに行くみたいだ。


ちなみに俺は黒のジャケットにダボダボのズボン。一応、ジャケットにはプロテクターが入っている。靴は、靴底が厚くて重たい安全靴。海外の人が工事系の仕事の時に履くような靴だ。


「ほな、行くで!」


「はいはい」


向野は、俺に呼びかけてからバイクカバーを捲り始める。

今頃だが、これはいつもどうりの光景。俺はその間に隣の駐車場が無駄に広いコンビニへと向かい、飲み物とタバコを買いに行く。家に置いてるストックも無くなりそうだし、1カートン買っとこう。


俺がコンビニから出てくると、向野は俺のバイクをジックリと観察していた。それには理由がある。そのバイクを向野に見せるのは初めてだからだ。

向野が今日「遊ぼう」と言ってきた理由の一つが俺が買ったばかりのバイクを見たかったからだろう。


これまで、俺は50ccのバイクばかり乗っていた。大きいのを乗ったとしても向野から借りる中型バイクぐらいだった。寂しい想い出だ。


向野のバイクは、あちこち改造されており、原型が行方不明な真っ黒の大型バイクだ。ちなみに、レーサータイプだ。

所々に白い結束バンド(タイラップ)で止められているのが気になるけど、それ言うと向野が拗ねるから何も言わない。


付き合いが長いとは言えないが、俺と向野は仲が良いと自信を持って言える。だから、向野の行動の意味を察する事ができる…と思う。


コンビニ袋から向野用に買ってきた缶コーヒを投げて渡す。そして、向野は必ずと言っていい程に受け取りを失敗して地に落とす。

それを俺が拾いに行き、手渡しする。

いつもの事だ。けれど、こんな小さな事が面白くて自然に笑える。


俺の飲み物は、薄緑の液体が入った炭酸とカフェインが強いエナジー系ドリンクだ。一口飲み、キャップを閉めてからタバコを取り出す。


向野も俺と同じように少し飲んでからタバコを吸い始めた。


「走るの俺が前やからな」


「わかってるよ。煙やろ?」


「オイルつくからお前の後ろ走りたないねん」


「はいはい」


向野は『俺のバイクにオイルを飛ばされるのが嫌だ』と、遠回しに言っている。

なにせ、俺のバイクは2ストロークエンジンを搭載している。分かりやすく言うならば、白煙(オイル)を巻き上げる迷惑なバイクだ。


実を言うと、求めてコレを買った訳ではない。俺は普通のバイクが欲しかった。なのに、金銭的問題があり、コイツしか手が届かなかった…。


「いくべ」


「あいよ」


向野がタバコを吸い終え、残り少ない缶コーヒーの中に捨ててから俺に言ってきた。

そして、そのゴミを俺に渡してくる。


「俺は雑用係かよ…」


「そんなん当たり前やん。俺様に仕えれる事を光栄に思いやがれ」


「なんでやねん」


そう言いながらもゴミを受け取る。だって、受け取らなきゃ乳首掴まれて半回転させられるから。案外痛いんだよ…。


ゴミと化した缶に俺もタバコを捨て、残り半分ぐらい残ってるジュースを腰につけてるポーチに無理やり押し込む。


ゴミをゴミ箱へ入れてから、バイクに跨またがる。

バイクのミラーに掛けているフルフェイスを被り、ゴーグルを付ける。これは、オフロード用のフルフェイスだからシールドがない。


一応、後ろにはもう一つフルフェイスを積んでいる。いや、フルフェイスをシート下で引っ掛けている。

向野に貰った真っ黒のフルフェイス。向野曰く、教習所で貰ったモノで、向野の元カノが使っていた物。良い厄介払いに使われたのは俺自身よーく知ってる。けれど、原付時代に金銭的面で愛用していたフルフェイスだ。捨てるに捨てれない。


向野はスイッチを押して簡単にエンジンをかける。俺はキックを力強く蹴ってエンジンをかける。

向野のバイクにはセルが付いてるけど、俺のバイクには付いていないから大変だ。キックの方が俺は好きだから良いけど、たまに面倒臭く感じる時がある。


俺のバイクの音を遥かに凌ぐエンジン音が隣から鳴り響いてきた。胸の奥に響く重低の効いた音が響き渡る。俺のバイクのエンジン音が全く聞こえない。尻と手から伝わる振動でエンジンが起動している事が分かる。

向野のバイクの煩さは、フルフェイスを被ってなかったらエンジンが起動した途端に耳を塞ぐレベルだ。

そんな近所迷惑な騒音とは違い、俺のバイクの音の静かなこと・・・。

と、言っても、向野より静かなだけで向野がいなければ俺のも騒音認定されてしまうだろう。


向野が走りだしたので、俺も後に続いてアクセルを開ける。

回しすぎて、前輪が頭の高さまで上がるが、いつもの事だ。もう慣れた。

二速に上げれば勝手に前輪が地面に着く。



〜〜〜



俺達は、近所の峠道を走っている。

向野は俺が付いてこれるように手加減し走ってくれてるから、俺は普通について行けてる。

これでも精一杯なんだけどな…。


峠道を一時間も掛からずに走り抜け、隣の県に辿り着いた。

一番近くにあったコンビニで止まっている。

帰りは、元来た峠道を走って帰る予定だと思う。向野の考えは少し斜め上を行くから、予想し難い。


向野が買ってきてくれたブラックコーヒーを飲んでタバコを吸いながら休憩する。

俺はブラックが好きなだけで、決して向野は俺に嫌がらせをしてブラックを買ってきたわけではない。

ちなみに向野は甘めのコーヒーだ。ブラックが…と言うか、苦いのが嫌いだ。


一息入れ終え「さて、帰るか」と言った向野がゴミを俺に押し付けてる。その後、バイクに乗ってエンジンをかけ、煩い騒音を撒き散らし始めた。


溜息を一つ吐く。ゴミを押し付けられるのはもう諦めているけれど、溜息ぐらい吐きたい。

まぁ、向野に言っても聞く耳を持ってくれないので、渡された分と自分の分をゴミ箱に捨ててバイクに跨る。


そしてキックを蹴ってエンジンを掛けた途端ーーー音が消えた。



向野のバイクが奏でる煩い音も聞こえず、俺のバイクの芝刈り機みたいな音も聞こえない。

唐突に、この辺り一帯の、全ての、聞こえるはずの音が途絶えた。


隣の向野の方を見ると、向野の方も音が消えたのか、目を見開いて驚いているようだ。

そして、俺に何か言おうと口を開いた瞬間、向野を中心に地面から黒い気泡が沸騰しているかのように湧き上がり始めた。ブクブクと膨らんでは弾ける気泡。

そして、その中の一つが向野の目の前まで浮き上がり始めた。


それを始めとして次々と浮き上がる泡。それらは俺達の頭上よりも高くには登らず、宙に浮いたままだ。

一つの泡が弾けた。刹那、他の泡も連動するかのように続々と割れ始めていく。泡を構成する謎の黒い液体が何もない宙に張り付き、俺の目の前を真っ黒に染め上げて行く。


俺は身の危険を感じ取り、今更ながらに逃げようとする。が、体が石になってしまったかのように動かない。

俺の視界の端には焦った表情を浮かべている向野の姿が見える。


浮き上がる泡の最後の一つが弾けた時には既に俺達はこの世界からは消えていた。

別世界に迷い込んだ彼等。


上田「……どこ?」

向野「知らんし。ナビは?」

上田「……アカンわ。電波あらへん」

向野&上田「「………」」

上田「どないしよ?」

向野「俺に聞くな。とりま、俺は走ってくるわ」

上田「ほんじゃ、俺は…踊るわ…」


向野「草原じゃぁ!!!」


上田「どこじゃいな♪どこじゃいな♪ここどこじゃいな♪あっそれ♪はいはい♪もう無理ぽん♪」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ