表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カリロボ  作者: 広瀬ジョージ
エリア2編
81/95

27.池の水のありか

 エリア2に日が上り、少し経った頃。

 左都、繁華街にて。


「いやぁ、それにしても!ちゃんと自由行動させてもらえて良かったなぁ!」


 優太の言う通り、樹は夜中抜け出していたのに加え朝帰りしたにも関わらず無事今日の自由行動が許された。

 許されたというよりも教師陣の誰にも見つかることなく、明け方しれっと帰ってきたので罰せらようがなかった。


「王野君の日頃の行いだろうね。先生からあんまり目付けられてないから。なんだったら金平糖バラマキ罪の濡れ衣着せられたキバの方が怒られてたもんね」

 和馬は昨日の惨状を思い出しクスクス笑っている。


「納得いかねー。というか和馬、永久、誰のせいだ?って聞かれた時迷いなく俺を売っただろ?お?」

 優太はチンピラのように肩をゆらしながら、和馬と永久に詰め寄った。


「あんまり問題起こさなすぎて先生達に忘れられてんじゃないの?樹の場合」

「顔の割に存在感がないの、不思議だねぇ」

 それに対して和馬と永久は無視を決め込み、優太を置いていくように歩く足を速めた。

「シカトかーい!!!」


 永久と和馬にアッサリ売られた優太の姿があまりにも簡単に想像できたので、樹は貶されているにも関わらず笑っていた。

 樹の笑い声に笑い声がもう一つ重なる。

 その笑い声は樹の背後、しかもかなり近い位置から聞こえている。


「不憫なヤツだぜ!」

「イヤ、お前のせいだからな?」

 樹のパーカーのフードに収まっているユーセンは、優太の突き攻撃をフードの奥に潜ることで回避した。


「ちょっとキバくすぐったいから!」

「え?!俺のせい?!」

 優太の声でフードの中から再び笑い声が聞こえた。


 その笑い声を聞いて樹もふっと笑みを漏らした。

 なんだか元気がないようだったので一緒に外に連れ出したが意外と元気そうだ。


「ユーセン君、そろそろ?」

 樹が呼びかけるとユーセンは再びフードから顔を出した。

「もうすぐだぜ!」


 樹はその答えに背筋を正し、手に下げている風呂敷包に目を落とした。

 中身はユーセンが昨日借りた着物一式だ。

 今日は自由行動で行く場所を自分達で決めて良いことになっていたので、昨日のユーセンの無礼を詫びるとともに着物を返しに来たのだ。


 昨日、樹の中身がユーセンだった時の事はユーセンしか知らないため、樹は実質初対面となる。

 見た目が樹のユーセンが大変お世話になったらしい。


「緊張するな……ユーセン君変なことしてないだろうね?」

「してないぜ」

「ホントかな……?」

 即答するのがかえって怪しい。


「ココだぜ!!!」

 樹の不安をよそにユーセンは声を張り上げた。


「あ!ココって!」

 樹の代わりに優太が声をあげた。

 そこは昨日入ろうと思ってやめた例の提灯が並んだ通りだった。

 ただ現在は明るくて提灯もついていないため、昨晩見たような異世界感はなくただの裏道といった感じだ。


「やった!入る口実がデーきたっ!」

 優太が声を弾ませながら通りに入り、急かすようにこちらを振り返ったので、その後に続いて通りに踏み入れた。


「ここってお店なの?お家なの?」

 永久がフードの中のユーセンに向かって話しかけた。


「ここは娯楽施設だぜ!ヨーコはここに住んでんだぜ!中にキレーなお池があるんだ。お前らも見てみろよ!」

「ユーセン君。着物返すだけだよ」

 我が物顔で設備を自慢するユーセンに釘を刺した。


「綺麗な池?!『池の水』?!」

 と、優太。

「可能性ありだね。見せてもらえるかな?」

 と、和馬。

「二度も押しかけるのどうかと思う」

 と、永久。

「そうだよ……」

 と、樹。


 優太は諦め切れないようで、唸った。


「池の水、今日見つけなきゃヤバいんだって」

「あぁ、そういえば満月じゃないといけなかったんだっけ?」

 伝説は確か水に満月を写したものを飲まなければならなかった筈だ。


「今夜は今年初の満月だぜ!」

 満月は一年のうち何度も来るが、エリア2宿泊中に水に満月を写せるのは今夜だけと言うことになる。


「今日中に見つけなきゃな……」

 優太は言い聞かせるように呟いた。


 通りを抜けると四方塀に囲まれた中庭のようなところに出た。

 圧迫感を感じないのは、この国の造園の技が随所に取り入れられていて、本来よりも広く見せているからだろう。


 今もその効果を継続させるため、梯子に登り植木の剪定作業している人物がいた。

 その人物は入り口から誰か入ってきたのがわかるとのっそりと体をよじりこちらを見た。

 樹達が目に入った瞬間クワっと目を見開いて、俊敏な動きで梯子から降りてきた。


 その人物を見て高校生達は声を出さず驚いて、ウィルスバスターは『悪い爺さんだぜ』と樹に耳打ちした。


「君達は昨日の旅行生じゃないか!」

 昨日のような目に優しくない紫の着物ではなかったが、胡散臭さはそのままに大袈裟に腕を広げて寄ってきた。


「どうした?『池の水』でも見にきたか?」

 老人がなんとなしに言った台詞に優太が食いついた。

「え?!知ってんの?!」


 その反応に老人がおおいに目を光らせたので優太以外は警戒の色を強めた。


「おぉモチロン知ってるとも!見物料金は一人2000え……!」

「嘘教えんじゃないよ!」

 老人が言い終わる前にまさにピシャリと言う感じに冴え渡る声が降り注いだ。


 老人のみならず高校生達もびくりと肩を震わせた。

 ユーセンだけがヨーコ!と手を振っている。

 それから遅れてそちらの方を見るとアイボリーのセーターを着た女性が門の前に立っていた。

 老人を睨みながらこちらへやってきた。


 こちらもだいぶ昨日とは印象が違うが、顔を合わせた人物だった。

 真紅の着物ではないが、目鼻がくっきりとした美しい顔立ちはそのままで、睨みを効かせると迫力がある。


「今日という今日は詐欺罪で警察に突き出してやろうか!」

「親に向かってなんという口の聞き方!」

「親だったら警察に世話になることするんじゃないよ!全く……」


 ユーセンがヨーコと呼んだ女性は樹達が呆然とやりとりを見ていることに気付くとニッコリと微笑んだ。


「ごめんね。この爺さんはちょっとばかし嘘が過ぎるんだ。悪気は……まぁ、許してね」


「あの……」

 樹が遠慮がちに声をかけると洋子は、やっとそれが昨日世話した高校生だと認識したようだった。


「あ、ユーセン君!大人しくって気がつかなかったよ。」

 その一言で樹は昨夜のユーセンの態度がどんなものであったか大体察した。

 自分ではないが、自分の姿を借りてのことだったので猛烈に恥ずかしい。


「昨日はどうもご迷惑をお掛けしました……」


 樹が小さくなって謝っていると洋子は笑い飛ばして、ヒラヒラと手を振った。


「いいんだよ!久しぶりに楽しかったよ。無事に帰れた?」

「はい、おかげさまで!今日はっ、お借りしていた着物を返しに来ました!」


「あぁ……!はいはい、ありがとう」

 洋子は風呂敷を見て一瞬怪訝そうな顔をしていたので、もしかしたらその存在を忘れていたのかもしれない。


 洋子が風呂敷を受け取ったタイミングで、横にいた和馬がスッと前に出た。


「本当にお世話になりました!彼満月が近くなると性格が豹変するんですよぅ!これは御礼の品です」

 和馬はにわかに信じられない冗談を口にしながら、相手が呆気にとられているうちに上手く御礼の紙袋を握らせた。

 中身は牧原がお急ぎ便で注文したエリア11銘菓だ。


「え?こんな、いいのに……!」

「いえいえ。あなたがいなかったら凍え死んでましたよ!ありがとうございました!」

「「「ありがとうございました」」」

 和馬に次いで4人全員がペコリと頭を下げた。


「いいんだよ本当に。……それより良かったよ仲直り出来たみたいで。いい友達じゃない!仲間ハズレにするっていうからどんなんかと思ってたよ」

 洋子が樹に耳打ちするように言って、樹のフードの中でごそりとユーセンが動いた。


 仲間ハズレ。

 そんな風に感じていたとは思わなかった。


 樹はゴメンねと背中のユーセンに向かって念じた。


「ホラホラ頭上げなよ。修学旅行中なんでしょ?こんなところにいないで、もっと綺麗な場所見に行かなくていいの?」


 洋子に急かされて顔をあげると、優太がすかさずところでと切り出した。


「そのことなんですけど!池の水のありかってご存知ないですか?」


 池の水の一言で黙っていた老人の目が爛々と輝いたが、口を開く前に洋子がその前に立ち塞がった。

 老人がそこどけと喚いても相手にしなかった。


「さっきも言ってたけどここにはないんだよ。けど、ここには復元したレプリカがある。今日も1組見にくる予定だったから良かったら一緒に……あ、噂をすれば」


 樹が振り返るとその先には、一足先に来訪者に気がついた優太がいた。


「あれ?!愛希?」

 樹達と同じように通りから入ってくるところだった。

 愛希の後ろから葵が『アオもいるよ!』と顔を出した。


「優太も来てたの?」

 愛希も優太達がここにいることに驚いているようだった。


「池の水があるんだって!」

 葵は樹のそばまでやってきて得意げに笑うが、洋子に既にレプリカだと聞かされている面々はリアクションに困った。


 葵はその微妙なリアクションを目の当たりにして、真実を確かめようとするように洋子を見た。


「また情報が錯綜してるみたいだね。残念だけどここはレプリカ。池の水のレプリカはこの辺一帯にはよくあるんだよ」

「なんだぁ……」

「でも、ここのはレプリカの中でも一番の自負があるから。良かったら見ていっておくれよ」


 洋子に案内され一行は池の水のレプリカを見ることになった。

 その間老人は決まり悪そうに鼻を鳴らすとどこかへ行ってしまった。


「大丈夫。昼にはお腹すかせて帰って来るから!」

 洋子は笑い飛ばして建物の中に一行を案内した。


 和馬は物怖じせず洋子に話かけ、笑いを誘っているので、樹は無理にユーセンの振りをして口裏を合わせずに済みそうだった。

 和馬の背中を感心しながら眺めていると横から愛希が王野君と呼びかけた。


「私は旅館の女将さんに池の水があるって聞いて来たんだけど、王野くん達も?」

 愛希も優太と同じく、池の水を探して行動しているが人に尋ねて行動するのが彼女らしく合理的だ。

 

「まぁ、そんなとこ……?」

 ここを訪れたのは全くの偶然だったが、便宜上うやむやに返事をした。


「ゴメン宮野さん。姉からまだ返信なくって、池の水のこと聞けてなくて」

「そうなの?気にしないで。でも珍しいわね。お姉さんが王野君の動向をチェックしないなんて」

「んー。一般家庭だとこれが普通の状態なんだろうけど……」


 確かに愛希のいう通り、桜は逐一綺麗な花貰っただの、誰々と共演しただの送りつけて樹のリアクションで動向確認を行う。

 それが昨日からパタリと止んでいる。


 マネージャーの山下と一緒にいるようだし、山下とは連絡が取れたので心配はしていない。

 山下には三内丸山の一件を伝えておいて、気をつけておくと返事があった。

 ついでに池の水の件を聞いたところ、今回のドラマの件以外初耳だという。


 樹の気がかりを他所に前の方を歩いていた葵と優太が歓声をあげた。

 樹がつられてそちらの方を見ると息を呑むような光景がそこにあった。


「これが池の水?」

「これでレプリカ……?」


 そこには澄んだ池が存在していた。

 何年も前からそこにあったかのような苔生した岩に縁取られ、傍らに植えられた松が反射し水中に伸びているように見える。

 池は空を映し出し、どこまでも広がって見えるが、目をこらすと白い底砂が見えた。

 実際にはそれ程の水深は無いようである。


「腕の良い庭師が毎日のように手入れしてるからね。エリア2にはその庭師が作った箱庭がいたるところにあるの」


「で、ホンモノはどこに?」

 待ちきれない様子で優太が問いかけると、洋子は苦笑いしてみせた。


「それがもうどこにもないんだよ。だから復活を夢見る庭師がチョコチョコ、チョコチョコと……」

 洋子は手でハサミを作りエア剪定をしてみせた。


「どこにも無い?!」

 優太が目を見開く。


「あー正確に言うと……もう!こう言う時に限っていないんだから!いつもならさっきの爺さんが喜んで話して最後に高い水売りつけるのがお決まりなんだけどねぇ」


 洋子は先ほどの老人がどこかにいないかとキョロキョロし始めた。


 誰かが続きを促すようにと目配せしていると今度は誰かの電話が鳴った。

 洋子はポケットからスマホを取り出し、発信元を確認すると目を丸くした。


「あ!ちょっとゴメンね!」


 洋子は襖を開けてその中に駆け込んでいった。


「あ!父ちゃんこんなところに!お客様方に……あぁもう!さっきの子達だよ!池の水の話してあげてよ。間違っても水買わせるんじゃないよ!」


 襖越しの洋子の声を聞いて、いつの間にユーセンがフードから這い出て、肩に乗っていた。


「気をつけろ!悪い爺さん、レンゾーが来るぞ!」

 樹がユーセンを手に収めて黙らせるのと廉造が襖を開けたのがほぼ同時だった。


「君達。池の水のことが知りたいのかね?そもそもなんで池の水を探そうとする?」

 水を売りつけないようにと釘を刺された廉造は年寄りらしくのそりのそりと近づいてきた。


「それは飲むと願いが叶うって……」

「だったら。人に聞いたぐらいで苦労もせず池の水にたどり着いてもいいのか?そんなことでご利益が得られるとでも?」

 廉造は答えた優太に詰め寄った。


 不穏な空気に樹は永久と顔を見合わせた。


「いやぁ……とは言われても?」

「いいものをやろう!」


 廉造は俊敏に襖の奥に戻った。


「お金発生したら断ろ」

 と永久が言った。


 一行は襖の奥に消えた洋子が先に戻ってくることを期待したが、先に紙の束を持った廉造が帰ってきた。

 よく見るとそれは樹たちも旅行前に配られたエリア2発行の公式リーフレットだった。


「自分の足で探せ。おのずと真実は見えてくるだろう。安心しろ。流石に金はとらんから」

 

 そう言いながら先頭にいた優太にまとめてリーフレットを渡した。

 というよりも押しつけた。


「え?!コレどこをに行けば?!」

「ちゃんと中に書いてある!真実を早めに知りたければ水を買うといい」

 

 優太は不服そうにしながら、一人一部リーフレットを配り始めた。

 

「で、描かれた場所に行って分からなかったら?」

 永久がリーフレットを受け取りながら、廉造に質問した。


「その時のための池の水販売だろう。さぁ、時間が無いぞ!さぁ出た出た!」

 この家の住民である廉造にそう言われたら、建物を出る他なく、樹達は追い出されるように外へ出た。


「では!答え合わせがいる場合もここへ!健闘を祈るよ諸君!」

 廉造は門から顔を出し、やがて奥に引っ込んだ。


「……まぁ、着物は返せたし。目的は果たされたよね」

 和馬は受け取ったリーフレットをコートのポケットに入れた。


「だよな!情報ゼロよりいいな!」

 優太はポジティブに、リーフレットを広げた。


「え?探す気?」

 永久も和馬同様、リーフレットには目も通さずどこかにしまい込んでいた。 


「だってさぁ、愛希達は観光名所に詳しい女将に聞いてここに来たんだし。女将に聞いて分からないなら手がかりってこれしかなくね?」

 永久は廉造を全く信用していないようで、露骨に顔を顰めた。


「まぁ、今日行く場所も決めてなかったし、行けそうな場所なら行けばいいんじゃない?」

 樹は不服そうな永久をフォローし、それならまぁいい。という返事を引き出した。


「……これは一体どう言うことだ?」

 優太はリーフレットに描かれた地図を見て首を傾げた。

 一行は地図がよく見えるように優太の後ろに回り込んだ。


 廉造に手渡されたのは観光案内所で配られる地図と同様のものだった。

 違うのは数カ所に赤い丸が書き込まれていることだ。

 てっきり一箇所に池の水の場所が示してあると思い込んでいたが一筋縄では行かないらしい。


「五箇所に行けば分かるってこと?」

「もしかしたらこの中心にとか……?」

「それならこの中心、住宅地になるよ。」

 確かに永久の言う通り、一箇所が離れたところにあるため、中心が差す場所は観光名所マークが無い住宅街になっていた。

 

「ところでどこに印付いてるの?」

 愛希はしまおうとしていた地図を広げながら優太に聞いた。

 葵はその後ろに回り込み一緒にそれを眺めた。


「ん?水族館。寺。寺。旧家。郷土資料館」

 優太は読み上げて意見を求めるように顔を上げた。


「意外と観光地ね……」

「旅行生のためにオススメスポット教えてくれただけかもよ?」

 樹の発言は同意を得られず、一行はうーんと唸った。  


「どうしようか時間的に全部回るの辛いかな?」

「ホントになんかわかるんだろうね?洋子さんはどこにもないって言ってたのに……」

「信じるしかないじゃない?」

 半信半疑だがここに記された場所に行こうという意見は一致しているように思われた。


「三手に分かれて行って見るのはどう?」

 葵が地図を見ながら提案した。

「こことここ。こことここ。ここは遠いから一箇所だけ」


 葵はエリア2の山脈の裾にある寛善寺と郷土資料館。

 右都にある地主の旧家と安生寺。

 一箇所だけ海の近くにある水族館を指した。


「ナルホド!確かにここからなら全部そう遠くない!」

「もっと褒めてもいいよ!」

 葵はふふんと得意げに鼻を鳴らした。


「どう別れるの?」

 丁度六人いるので二人ずつ分かれることになりそうだ。


「明らかに郷土資料館は外れじゃない?一つだけ勉強っぽい……」

「何を仰いますやら!永久!ここエリア2歴代監視ロボ全種保存してあるんだよ?!」


 誰も行きたがらないと思って提案できなかった郷土資料館が意外な形で候補に挙がったので、樹は語気を強める。


 問題は三内丸山の存在があるので、少数行動は避けたいという事。

 愛希以外の面々はなんとなく事情を察してどうしようかと目配せする。

 

「じゃあアオ、樹のボディガードしてあげるよ」

「いいの?!」

 なんとなく水族館に行きたがるであろう葵についていこうと思っていたので、樹は目を輝かせた。


「その代わり樹。もう一箇所行くの忘れちゃダメだよ」

「はい……」

 葵に諭されることになるとは思わなかったが、大人しく頷いた。


「私はコッチに行ってみたい……」

 愛希は行き先が決まっていないメンバーに見えるように右都の方を指さした。 

「じゃあ俺も!」

 優太は急いで手を上げた。

 

「と言うことは余りの僕ら水族館か。ヤロー二人で水族館ねぇ」

「さっさと済ますよ」

「長居君!急げば次の特急乗ってすぐ行けるよ」

 アクセス方法を調べていた和馬が永久を急かして、二人は駅に向かった。


「3時には戻ってこれそう?」

「そうだね。じゃあ永久達にも連絡しておくよ」

 愛希はお願いねと言って手を振った。


「じゃあ後でね!」

 

 かくして、四人は二手に分かれてそれぞれの目的地へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ