四話 声を聴かせて?
何もかも…何もかもっ!
もう俺には…
何も関係ないっ!
「痛っ…やめ…やめて…。」
刹那の声なんて…
オレニハトドイテイナイ
もう何も…聞こえない、感じない
壊したい気持ちが渦巻いてる。
ズキッ
「――!?」
喉が…痛い。
契れそう…引き裂かれそう…
痛い痛い痛い痛い
「希望?」
刹那の手を離し、座り込む俺。
呼吸が難しい。
呼吸が出来ない。
生きているのが難しい。
「希望?ねぇしっかりして!希…。」
刹那の声が聞こえなくなった。
俺は…死ぬのか?
もう…死んでもいいや。
「……!…望!希望っ!」
刹那の声で目を覚ました。
「大丈夫?」
「―っ!?」
声が…
出せない…出ない。
もしかして…
喉の病気に犯されたのかもしれない。
そんな…
俺はもう…喋れないのか?
そんなの…そんなの…
酷い
酷すぎるっ!
「まだ身体とか呼吸とか…安定してな…って希望!?」
分かってる。
身体が安定してないことぐらい。
俺は身体についてる無数の機械を外す。
「…っ。」
ほら?まだ一つしか外してないのに呼吸が乱れてる。
そうなることなんて…刹那も知ってただろ?
「希望っ!駄目だよ!?死んじゃうっ。」
バシッ
頬に痛みが走る。
刹那に叩かれた。
痛い…と言うより…熱い。
「もう…やめてよぉ…希望が死んだら…私…。」
刹那は泣いていた。
どうして…?
俺なんかの事で…泣くんだ?
俺はまだ刹那の気持ちに気づいていなかった。
いや…気づくはずもなく…
ー続くー