第三話 崩壊
「でもさ〜希望って変な名前だよね〜。」
「いきなり…酷くない?」
「だって本当の事だし♪」
「あっそ…。」
ここは病院の屋上。
さっきのチョコはというと…
刹那の腹の中に入っていた。
先に俺が見つけたのに…
ひどい…残酷だぁ〜!
一人でこんな事考えても…何も変わらない…
分かってるけど…考えてしまう…
これが…人間なのかなぁ…
「生きるって…どういう事か知ってる〜?」
「はぁ…!?」
「私…生きている事って…よく分かんないの…。自殺願望が…高くて…。」
オイオイ…
自殺って…
そうか…そんな考えもあるのか〜…
納得するところじゃないけど…
苦しむなら自殺した方が…
でもそんなこと…俺に出来るのか?
出来るなら…とっくにやってたよな…
俺は弱い人間だな。
「自分が生きてるって…思う奴は生きてるんだよ。」
「じゃあ…私は生きてないね。」
「そう…なんだ。」
「ねぇ…希望は?生きてるの?死んでるの?」
俺は…
どうなんだろうー…
考えたことないなぁ…
そんなこと…
「欠陥品だって思ったことあるでしょ?」
欠陥品ー…?
俺が…欠陥品…?
不良品でも…なくて…
欠陥品…
ははっ…
笑わせてくれるよ…
「希望?何で笑ってるー…っ!」
俺は刹那の手首を掴み強引にキスした。
初めてだ…
こんなことするの…
刹那なんて…刹那なんて…
ズタズタに傷つけ…
壊れてしまえ…。
もう修復不可能なくらいまで壊れてしまえ。
それでも世界が動かないなら…
俺が世界を…
残酷なほどボロボロに崩壊してやる
ー続くー