第二十話 狩場
□■ラピュータ攻略戦力について
ラ・プラス・ファンタズマ議長が策謀し、ウィンターオーブを中心にして同時多発的に起こされた一連の騒動だが、その渦中にある者達の状況は大きく異なる。
ウィンターオーブは世界各地で悲劇を手引きする議長に対抗すべく、議長の予知を回避しながら戦力を集めていたが……動きを悟られ、陰謀によって敵対国に落とされた。
ユーゴー・レセップスはカルディナのクエストで来訪した後、その魔手に気づき、ウィンターオーブを滅ぼす悲劇そのものである【フーサンシェン】を倒さんとしている。
ラスカル・ザ・ブラックオニキスはとある兵器の調査と回収のために訪れたが、自らのパートナーを害されたことを切っ掛けに【フーサンシェン】打倒に動き、ユーゴーと共闘。
カルディナの陰謀によって解放された【フーサンシェン】は自らの享楽のままに人々を殺傷し、手駒を増やしながら進軍中。
陰謀の囲いを破りうる力を持つ迅羽はラピュータから引き離され、ザカライア操る『獅子面』達との戦闘に囚われている。
そして、グレイと王国に雇われた<マスター>達は、護衛対象であるエリザベートと蒼龍、それとウィンターオーブ市長の娘であるエイリーンを守るべく動いていた。
カルディナ以外の勢力の状況は、上記のようなものだ。
では彼らと相対するカルディナ……議長の狙いは何か。
議長は何を目論んでウィンターオーブを嵌めて、ラピュータと王国を巻き込んだのか。
それを知る者はこの戦場のカルディナ勢力でもザカライアのみ。
他の人員は<セフィロト>であろうと、議長の真意は聞かされていない。
聞く必要もない。
<セフィロト>とは自らの願望の対価に、議長の指示に従う集団だ。
そして、指示を曲げない範囲のクエストを課されている。
イリョウ夢路が今回の一件から外され、アルベルトが陰謀前に<セフィロト>そのものから除かれたように、土壇場で指示を曲げかねない者を議長は関わらせない。
逆を言えばこの場にいる時点で、カルルとツークンフト、そしてイヴも異論はないということ。
そうしたスタンスはラピュータ攻略に参加した他の<マスター>……準<超級>の三人だけではなく、二等客車の<マスター>達にも言える。
カルディナが王国の“トーナメント”から掠め取る形でスカウトした人材の中でも、今回の戦いに加えても問題のない者を選んで組み込んだのだ。
彼らの多くは遊戯派であり、強敵との戦いや高い報酬を求めてこの場に立っている。
クエスト目標は護衛の<マスター>を倒すこと、彼らの護る三人のティアンを確保することだ。
それゆえにラピュータで行われるのは、市内の陰謀と比較すればシンプルな攻防である。
攻めるか、守るか。そのどちらかに属する者しかいないのだから。
◇◆◇
□■【未確認飛行要塞 ラピュータ】・庭園エリア
カルディナのラピュータ攻略戦力は、三方に分かれて到達した。
これは<エンブリオ>や特典武具といった不確定要素の多い戦場では常套手段だ。
個々人が高い特殊性と独自性を持ちうる<Infinite Dendrogram>の戦闘では、初見殺しの大規模攻撃で壊滅する恐れがある。
ギデオンの事件におけるユーゴーの《地獄門》、講和会議における月夜の《薄明》と《絶死結界》のコンボのように、未知且つ無策ではどうしようもなく詰むケースがある。
本来ならば十全な予知でそれらに対処できるカルディナだが、今回はウィンターオーブを中心に起きた事件ゆえに予知が不全となっている。
だからこそ、相手を上回る数の<超級>と準<超級>を投入。さらには分散して相手の防衛力を散らしていずれかから突破するというオーソドックスな戦術を採用した。
カルディナ側の目的は敵の全滅ではなく、最奥で守られるターゲット達なのだから。
「俺達は随分と外側だな」
四号車が落着したのは、ラピュータ外縁の庭園だった。
色とりどりの花々や緑豊かな樹木が植えられていたエリアだが、今も続く砲撃の衝撃波によって花は散り、樹木の枝は折れている。
「しかし、ひどい音だ……」
四号車から降りた<マスター>の一人は、今も頭上から鳴り響く激突音に顔を顰めた。
鼓膜を痛めつける音だけでなく、降り注ぐ衝撃波も継続している。
予め耐性装備……カルディナから支給された戦闘服を着ていなければ、もっと面倒なことになっていただろう。
「こっちはまともに動けるが、あっちはそうはいかない。一気に攻めるぞ、……ん?」
有利な状況で戦闘を開始しようとしたカルディナの<マスター>達。
だが、その目論見は予想外の形で崩れる。
庭園エリアには彼らの敵となる相手がいなかったのだ。
王国の<マスター>が誰一人、見当たらない。
「どういうことだ?」
『……なぁ、ここって島でも外側だよな?』
彼が疑問を口にすると、仲間が仮面についている通信機能で呼び掛けてきた。
「ああ。……まさか」
『ここにいた連中、俺達と戦う前に……衝撃波でみんな落ちたんじゃないか?』
砲撃の直後、何人かの<マスター>がラピュータから落ちる様は車窓からも見えていた。
『まさかそんな……』と思いもしたが、全員が落ちたわけでなくとも更なる被害を避けるために屋内に移動したという線はありえそうに思えた。
「やれやれ、意気込んでいたが肩透かしだな」
『こっちは必殺スキルの発動準備までしてたぜ』
『気を抜くなよ。まだ屋内には敵がいるだろうからな』
「ああ。分かっているさ」
そうして三十名の<マスター>は警戒を怠らずに前進し、
――二名が巨大な爆炎と共に宙を舞った。
まるで巨大な鰐の顎のように人間を食い千切った……生物的な殺意すら感じる爆炎。
人間を殺すには過剰すぎる爆熱と爆圧と爆風の混ざった破壊。
人の身体が炭化し、千切れ、どこで【ブローチ】が作動してくれたのかも判別がつかない。
「な、あぁ!? 抜けたのか……!?」
彼らが最初に考えたのは、『誤射』だった。
アルテミスの砲撃がついに【霊亀甲】の護りを超えて着弾し、敵ではなく自分達を直撃したのではないか、と。
それゆえに多くの者が空を見上げ、続く砲弾の飛来を警戒した。
しかし少数の者は気づく。
彼らを襲うモノは空から降るのではなく、
――大地から噴き上がるのだと。
二度目の爆発も、やはり鰐の顎。
地面を水面に見立てた爆炎の鰐が、間抜けな獲物を腹に収める。
それを目撃した者は、眼前で起きた出来事を叫び、仲間に情報を共有せんとする。
「地雷だ! 地雷が埋まって、ッ……!?」
その瞬間、警戒を叫んだ者の首に湾曲した刃が食い込んだ。
まるで背後から首を掻き切る正確な動き。
HPを全損させるのではなく、僅かに残したHPを【出血】で削り切る絶妙のクリティカルヒット。
それによって、叫んだ男は【ブローチ】を継続ダメージで無駄に損壊させながら息絶えた。
死した男の叫び声を聞いていた<マスター>達は、光の塵になって消える男の背後に……蛇のような細く長いものを見た。
「な、に……!?」
それは、鎖鎌。
ただし、持ち手は見えず、地中から飛び出して鎌首をもたげている。
しかし、他の<マスター>が攻撃しようとしたときには、高速で地中に引き戻された。
(地雷原でこちらを混乱させた上で、地中からの奇襲! やってくれる!)
彼らもまた歴戦の<マスター>。
初見殺しの罠で幾人か食われたものの、すぐに状況を理解した。
「動くな! どこに地雷が設置されているか分からん!」
「その場で全周警戒だ! またあの鎖鎌が奇襲を仕掛けてくるぞ!」
周囲には地雷。踏み出せばそれをスイッチに起爆するかもしれない。
ゆえに彼らはその場で静止したまま、周囲を警戒する。いつどこから鎖鎌が飛び出してきても対応できるように、彼らはその場で意識を張り詰める。
(あの爆発の威力は凄まじいが、攻撃範囲はそこまでではない。俺達全員を一斉に仕留められるならば既にやっているはずだ)
超級職の奥義魔法と同等かそれ以上の威力と見受けられたが、爆発の度に一人か二人しか死んでいない。
ゆえに、距離を空けた上で動かずにいれば、全滅のリスクは減る。
(ふむ。地雷が目に見えるモノならば良いが、<地雷クラフト>のアンダースタンドが用いるペレのように爆発物がそうと分からないケースもある。迂闊には動けんな。……しかし超威力の地雷原と奇襲の鎖鎌とは、足止めが目的か)
地雷原という性質上、どう考えても『存在自体は発覚していない』段階が最も効果的に肉体ダメージを与えられる。
あると分かれば、いくらでも注意を払える。
だからこそ、二度目以降の地雷の目的はこうして注意を払わせることにある。
(少数の<マスター>。最悪、地雷担当と鎖鎌担当の二人だけで俺達を足止めしている恐れがある。他の戦線に人数を回し、各個撃破するつもりか?)
<マスター>の一人は相手の意図を推察し、どうすべきかを考える。
「……?」
しかし彼は、不意に気づく。
どこかから『携帯端末のマナーモード着信』のような音がする、と。
それがどこから聞こえてくるのかを、衝撃音の鳴り響く庭園で把握するのは難しく。
直後、彼は足元から噴き上がった炎で爆死した。
◇
(……こんなに人を吹っ飛ばすの初めてで怖いんだけど……)
<童話分隊>所属、【高位幻術師】ソニア。
彼女の<エンブリオ>であるクロックダイルこそ、今現在被害を拡大中の地雷原である。
クロックダイルの固有スキル、《ショウタイム・マイン》。
<上級エンブリオ>に進化した今でも、スキルはこれ一つのみ。
代わりに、威力が跳ね上がっている。
今しがた何人もの<マスター>を葬った爆炎は、【炎王】の《恒星》に準ずる威力に加え……。
「動かなくてもか!? チィッ! 《ハイ・ファイア・レジスト》! 《流麗なる愛よ、我を守りたまえ》! これで防げ、ぐわぁあああああ!?」
『炎熱耐性無効』まで付与されている。
たった今吹き飛んだ海属性魔法職の<マスター>は火属性を防ぐ減衰魔法と、圧縮した水を鎧にする必殺スキルの重ね掛けで対処しようとした。
しかし、減衰魔法が効果を発揮せず、大量の水は熱量によって水蒸気爆発を引き起こした。
結果として本人が吹き飛ぶだけでなく、周囲の<マスター>にも二次被害を齎す結果となった。
(うわ、今の近くだったら危なかったなぁ……)
彼女は今、幻術スキルで自分の身を隠しながらカルディナの<マスター>達が爆死する様をそう遠くない場所から眺めていた。
これはクロックダイルの範囲内に彼女もいなければならないという制約ゆえだ。
最長一分のランダム時間経過時に、結界内で『動いているモノ』に対してランダムに爆裂する地雷。二重の無制御かつ<マスター>に対する保護もない無差別攻撃スキル。
火力という一点を追求して他を投げ捨てたからこそ、格上の<マスター>だろうとボスモンスターだろうと屠れる威力を発揮している。
しかし、本来なら『動いていないモノ』……今のように静止している敵を吹き飛ばすことはできない。
それを為している手段は、クロックダイルによるものではないのだ。
【ここまでは予定通りだな】
ふと、【テレパシーカフス】を介して仲間であるグリムズが声を掛けてきた。
姿を消しても音でバレては意味がないため、今回は装備枠を一つ割いて【テレパシーカフス】を用いている。
なお、彼女と彼女の仲間達は普段からクロックダイルの爆発が身近であるため、爆音や衝撃を緩和する装備も身に着けている。
それゆえ、この屋外で衝撃波に晒されてもカルディナ側同様に制限を然程受けていない。
【クロックダイルが順調にキルスコアを増やしてるぜ】
【……おかげさまでね】
今回の戦術を立てたのはグリムズであり、奇襲も彼の鎖鎌……鉱物潜行能力を持つクトーニアンによるものだ。
最初のクロックダイルの爆発で地雷を警戒させる。
直後に、クトーニアンで地中よりの奇襲を警戒させる。
結果としてカルディナの<マスター>達は、『地雷を踏まないため』にその場から動かないままクトーニアンやそれを扱う者を探した。
それこそが、グリムズの罠である。
【面白いように嵌ったぜ。うちの地雷女はもう、『動かなければ大丈夫』なんて優しい手合いじゃねえってのに】
【……喧嘩売ってる?】
【褒めてるぞー】
嘘っぽい賞賛に憤りたくなるが、姿を隠している今はそれもできない。
【っと、ジミニーがまた読んだぞ。次はポイントBにいる奴だ】
【ラジャー】
グリムズの指示を聞き、ソニアは自らの手袋の甲――金属の音叉に触れる。
(ポイントBは……ビスマス鉱石)
ソニアが念じると、音叉は微かに振動し……。
数秒後、クロックダイルの爆炎が<マスター>の一人を食いちぎった。
◇
グリムズはソニアから少し離れた場所、クロックダイルの圏外から惨状を眺めていた。
(俺達より進化した<エンブリオ>や装備を持ってても、やっぱりソニアのクロックダイルには耐えられねえか。で、あの特典武具とのコンボに気づけた奴もまだいない、と)
グリムズは、ソニアに持っていかれた特典武具のことを考え、苦笑する。
手袋の銘は伝説級武具、【鉱脈探叉 ゴールドラッシュ】。
かの“トーナメント”の賞品であった<UBM>より得られたもの。
優勝者であるグリムズではなく、パーティの中で最大火力を持つソニアが獲得した力。
その装備性能は防御力とLUCへのプラス一〇〇〇の固定値補正。
そして、たった一つの非戦闘用スキル。
《鉱響曲》:
半径二〇〇メテル以内の土中にある指定した金属を振動させる。
※金属の指定は音叉部に触れながら金属をイメージすることで発動。
※指定する金属は同種の金属を【鉱脈探叉】に触れさせて記録させておく必要がある。
特典武具の装備スキルとしては、極めて大人しい。
音叉をあしらった手袋というデザインと予め記録するという仕様から、恐らくは金属毎の固有振動数を利用しているのだろうとは分かる。
元々の持ち主であった金属質な蜈蚣型の<UBM>は、このスキルを用いて食料となる鉱物を探して食い荒らしていたのであろうとグリムズは推測していた。
しかし、人間は鉱山夫でもなければ有効活用は難しい。
レアな金属の鉱脈を発見できる可能性もあるが、やはり戦闘での活用はできない。
ビルドに関わらずステータスを底上げできる装備補正の方がまだ有用に見えるだろう。
(そんなにやばい代物じゃねえんだがな……持ち主が地雷女でなければ)
クロックダイルの《ショウタイム・マイン》は、結界の範囲内で動くものを無差別かつランダムな時間間隔で爆破する。
動けば、無差別に爆発する。
それが……土中に予め埋めておいた金属が振動した結果でも、だ。
無音のまま、微動だにせず、しかし指定した金属を振動させられる。
この特典武具は<童話分隊>の戦術を大きく変えた。
予め金属を埋めてその場所を把握するという前提条件が必要となるものの、無差別な地雷は遠隔起爆可能の爆弾へと変化した。
そのために、<童話分隊>はこの庭園に穴を掘っては金属を埋めていたのである。
(うちの地雷女は火力だけなら現時点でも準<超級>。それを効率的に運用できるかは俺達次第ってな)
遠隔爆破の対象は無作為ではない。
「…………」
グリムズと共にいるアスマ……彼が連れている【コーラス・インセクト】のジミニーが敵方の思考を読み、判断力や分析力に優れている相手を探る。
無言のままジミニーが指差した相手が立っているポイントを、グリムズがソニアに伝える。
それによって、この戦術を読み切る可能性が高い者から消しているのだ。
加えて、グリムズは爆発の中で効果的にクトーニアンによる牽制も重ねている。
この戦術によって、カルディナ側は一方的に被害を拡大させていた。
(半分以上は削ったか。もう少し数が減ってから、クロックダイルを解除。巻き添え回避で屋内に待機している連中とアスマのモンスターズを投入して、殲滅する)
地中に埋めた金属がなくなる前にはその状態に持ち込めるだろうと、グリムズは読む。
三名の<マスター>と一体のモンスターにより、四号車の三十名は手玉に取られている。
この庭園は、既に<童話分隊>の狩場と化していた。
【こちらグリムズ。そろそろ出番だぞ】
事前に話を付けておいた他の<マスター>に、【テレパシーカフス】で呼び掛ける。
「…………?」
だが、返事はない。
通信対象を切り換えながら呼び掛けてみるが、いずれも応答はなかった。
グリムズは、彼らが待機しているはずの建造物……庭園内の別荘のような設備に視線を向ける。
そこに異変は見られない。
否、見られなかった。
突如として、建屋内から朱色の霧が滲み出し……別荘は崩壊した。
「……!?」
グリムズは突然の事態に目を瞠り、カルディナ側の<マスター>にも動揺してクロックダイルに掛かる者がいた。
しかしそれら周囲の混乱を気にも留めないかのように、朱色の霧の中に一体の大柄なシルエットが浮かび上がる。
人間とは異なるシルエットのそれは背中にボンベを背負い、その手にはボンベから伸びたホースが握られている。
そしてホースからは件の朱色の霧を吐き出していた。
その霧を受けたものは樹木はおろか建材さえも蝕まれて腐り、崩れていく。
(……屋内の連中はあれでやられたか)
グリムズは即座に理解する。
あれもカルディナの<マスター>の一人。
庭園の傍の建屋内に多くの<マスター>が控えていると察知し、四号車の到着と共に一足先に屋内へと飛び込み……単独で殲滅したのである。
(そんな芸当が、できる奴は……)
グリムズが戦慄する中で、霧の中のシルエットは庭園……カルディナの<マスター>達の方へと歩き始める。
【……ポイントX!】
グリムズは即座に決断し、対象の遠隔爆破をソニアに指示した。
既に幾人もの<マスター>を葬ったクロックダイル。
しかし、効く可能性は低いとグリムズは知っていた。
それでも、実際に検証しなければ打てる手もないと考えて実行したのだ。
そして計算通り、相手は……爆炎の顎に食らいつかれる。
直前まで<童話分隊>が狩り続けた<マスター>達と同じように。
その結果は……。
「……ッ」
グリムズが、我知らず声を漏らす。
彼がこの場の誰よりも、状況がどう変化したかを把握していたから。
ここは<童話分隊>の狩場だった。
しかし、しかしだ。
『狩場』と、言うのであれば……。
『…………』
――狩人がいて然るべきではなかろうか。
火力だけならば超級職の奥義にも匹敵する爆炎の中で、その男は無傷だった。
分厚い着ぐるみは煤で汚れていても、焦げ目の一つもありはしない。
人間を天高く放り投げる爆風でも、彼を揺るがせることすらできない。
白熊姿の狩人は地雷原に構うことなく、悠々と歩き続ける。
その有り様は正に、敵無きが如し。
即ち――“万状無敵”。【神獣狩】カルル・ルールルー。
庭園エリアにて、<童話分隊>は<超級>と会敵した。
To be continued
○ウンディーネの<マスター>
(=ↀωↀ=)<元グランバロアの決闘ランカー
(=ↀωↀ=)<液体を固めて運用できるタイプの水使い
(=ↀωↀ=)<海とか湖ならもっとでかくできたけど
(=ↀωↀ=)<ここは空の上なのでアイテムボックスで運んだ分だけでした
(=ↀωↀ=)<“トーナメント”前にスカウトされて報酬に釣られたけど
(=ↀωↀ=)<このクエストにもカルディナにも向いてないと思う
(=ↀωↀ=)<かと言ってカルディナがもう一方でやってる戦い
(=ↀωↀ=)<対グランバロア戦に投入するわけにもいかなかったのでこっちに送られた
( ꒪|勅|꒪)<それは古巣への心情的な問題デ?
(=ↀωↀ=)<それもあるけど醤油抗菌と会敵したら即死するから
( ꒪|勅|꒪)<アー




