第六十六話 三位一体
(=○ω○=)<15巻著者校正とエピソードの年内完結頑張らなきゃ……
(=○ω○=)<15巻ページ多いなぁ……(白目)
□■???
“不夜嬢”ジュバ。
皇国の準<超級>の中で、カタとヘルダインに次ぐ実力者。
彼女の戦力の根幹は、<エンブリオ>とジョブと装備の三位一体である。
第六形態の<エンブリオ>、【富貴在天 ダジボーグ】。
太陽……厳密には陽光型のTYPE:ワールド。
実体なき太陽から照射された陽光こそが彼女の<エンブリオ>であり、能力圏内。
圏内においては、無差別無制御に全生物のMP回復速度が増進される。
生物が不随意に行っているMPの再生成現象を、陽光による干渉で促進しているのだ。
数値にして、本来の速度の一〇〇倍以上のMP回復。
明らかに異常な加速であるが、それが生物に対して将来的に如何なる悪影響を及ぼすかは彼女も知らない。
過ぎたる富が身を持ち崩すように、あるいは寿命でも削っているのかもしれないが……<マスター>や倒すモンスター相手ならば特に関係ない。
いずれにしろ、ダジボーグによって周囲には常以上の魔力が溢れる。
彼女の超級職、【流姫】。
これは系統に沿った超級職ではない。
とある秘境の最奥に安置されたジョブクリスタルに触れることで……触れるだけで解禁された超級職だ。
無論、その秘境こそが超級職の試練。
神造ダンジョンでこそないが、クリスタルの安置された秘境の内部は同等の異常環境と化している。
それは、自然魔力に溢れるレジェンダリアの真逆。
その地に立つだけで魔力を奪われ、魔力が底を突けば様々なバッドステータスが降りかかり、生命力さえも奪われる秘境にして魔境。
本来であれば膨大な魔力を持ち、魔力吸収に対応する魔力操作を持つ者のみが到達できる。
しかし、ジュバはそうではない。【ダジボーグ】のMP回復加速で魔力吸収に対抗した強行突破により、数回のチャレンジでクリアした。
そうして彼女が得た超級職こそが、【流姫】。
――特殊超級職【妖精女王】の試作型超級職である。
【勇者】にとっての【超闘士】。
【邪神】にとっての【魔王】シリーズ。
それらと同じく、特殊超級職の機能を限定した上で試練を踏破した者が得ることのできる超級職の一つだ。
国土の自然魔力を自らの物として行使可能な【妖精女王】と違い、【流姫】が扱えるのは自身の周囲に限られる。
だが、生物からも魔力を吸収……否、流入させることができる。
周囲のMPを得るスキルと、周囲のMP回復速度を引き上げる<エンブリオ>。
この組み合わせがジュバに与えるものは、膨大な魔力。
その魔力を用いる手段こそ、煌玉蟲二号機【黄水晶之抹消者】。
三代目フラグマンが制作した、純戦闘兵器。
高い戦闘力と引き換えに、全開で使えば魔法超級職でも数分ともたずに魔力が枯渇するほど極悪な燃費。
ジュバには、状況次第でそれを賄う手段があった。
ゆえに今も、【黄水晶】はその全性能を発揮する。
超級職奥義と同等のバリアを展開し、超級職奥義と同等の荷電粒子砲を照射したのだ。
隔離空間を薙ぎ払う、黄金の輝き。
王国勢は膨大な熱量に呑み込まれ、【ブローチ】や防御型の<エンブリオ>で守られない者はその時点で消滅する。
いや、防御型のスキルで耐えようとした者達の中には、あまりにも破格の……《爆龍覇》を上回る熱量の暴力によって消えていく者もいる。
さらに、一度通り過ぎた後に端から端まで荷電粒子砲で薙いだ後、
――折り返し、もう一度光で薙ぎ払う。
二度の照射で、【ブローチ】で生き残った者も処理していく。
地獄のような光景と、それを為す膨大な魔力。
瞬く間に、生存者は数を大きく減らしていく。
『砲身冷却。残敵確認』
荷電粒子砲の照射を終えた後、バリアを維持しながら【黄水晶】が周囲を索敵する。
既にダジボーグの陽が消え、【黄水晶】のバリアを含めた僅かな光源しかない状況だが、【黄水晶】のセンサーには何の問題もない。
王国勢の生存人数は、半分以下にまで減っていた。
むしろ、よくそれだけ残ったと言うべきだろう。
防御手段と【ブローチ】、二度以上防ぐ手段がなければ死んでいるのだから。
『――新規敵性存在確認』
『新規?』
だが、【黄水晶】のセンサーは人間の消失以外のものを感知していた。
それは、巨影。荷電粒子砲の照射前には存在しなかった巨影が、そこにはあった。
【黄水晶】はセンサーが捉えた敵の像を、機体と繋がったジュバのバイザーに投影する。
『……焼き蟹?』
それは巨大な蟹の姿をしていた。
――《天に描く物語・盾蟹》。
ゾディアックの必殺スキルの一つであり、純粋防御力に特化したエフの愛用する壁役。
だが、その甲殻は原型が分からぬほどに融解し、脚も融けて胴体が地に着いていた。
荷電粒子砲から後方の人物を庇い、既に限界を迎えている。
むしろ、連続照射の融解によって庇いきれずに荷電粒子砲を後逸しているだろう。
間もなく、盾蟹はその役目を強制的に終え……七つの黒い球を落として消えた。
(そのクラスのタンクじゃ防げないよ……ってあれ?)
だが、後方で庇われていた対象はエフ――ではなかった。
庇われていたのは、巨大な鎧。
レイを護るバルバロイが……盾蟹に庇われていた。
バルバロイは盾蟹と自身の二重防御によりレイと自身の命を長らえ、今は王国勢に紛れていた皇国の回し者と交戦している。
(じゃあ、あいつはどこに……)
しかし、エフはどこに行ったのかとジュバが疑念を抱いた直後、
『――上空に高エネルギー反応』
「――《グリント・パイル》」
――【黄水晶】の真上から十一条の光線がバリアに突き刺さる。
放った者は言うまでもなく、【光王】エフ。
自身の右手と周囲に浮遊した十基のゾディアックによる上級職奥義の同時斉射を、バリアに照射したのだ。
(蟹と……あれって魚?)
エフが乗っているのは、流線型をしたヒレをもつ生物だった。
――《天に描く物語・ 戴魚》。
エフが主に移動・逃走用に用いる高速飛行用召喚獣。
荷電粒子砲が放たれる直前に、この召喚獣で空へと逃れていたのである。
ダジボーグが光を消した時点で王国勢を殲滅するために広域攻撃をすると踏み、予め戴魚を召喚。
加えて照射直前にバルバロイのガードに盾蟹を召喚した。
守るべきものを守り、回避も成功し、さらにカウンターも決めた妙手と言える。
だが、コストは軽くない。
必殺スキル二回と上級奥義の斉射。本体とは別に光をチャージするゾディアックといえど、既に総体の四割近くがエネルギーを枯渇している。
しかも……。
(……効果が薄い)
上級奥義の斉射でも、バリアを破れなかった。
攻撃でエネルギーを消費した直後の隙を狙ってもなお、破れていない。
それは【黄水晶】のバリアの堅牢さゆえ……だけではない。
(こちらの魔法の威力が落ちた?)
明確に、エフのレーザーの威力が落ちている。
彼自身に不調はないが、魔法を発動した瞬間に発揮値が低下している。
感覚的には……ほぼ半減。
(彼女のスキルの一端? いや、違うか。彼女でもスプレンディダでもない<エンブリオ>のスキル……)
スキルで暗視能力を持たせたゾディアックでバルバロイの周囲を視れば、そこには彼女と戦う三人の<マスター>の姿がある。
あの三人の誰かが、この現象を引き起こしている敵の<マスター>なのだろう。
見れば、自身や仲間に回復魔法を行使している他の王国勢の<マスター>も、効き目が薄いらしい。
エフは、自分とバルバロイ以外の立て直しにはまだ掛かると判断した。
(あちらに手を回す余裕はない。バルバロイに委ねる)
そんな状況でも、エフは冷静に戦闘を続行する。
だが、エフを見上げていた【黄水晶】にも新たな動きがあった。
『――強制冷却』
【黄水晶】の尾部が突如として白い煙を発し――冷却剤によって強制的に砲身を再使用可能状態に持ち込む。
狙いは、空中にいるエフの撃墜。
(――フルチャージ状態のゾディアックは、約四割。後は大なり小なり消耗している)
ゾディアックの総数は一〇〇基。
そして、必殺スキルは発動ごとに大きな消耗を強いられる。
フルチャージ状態のゾディアックを、描く星座の星の数と同じだけ空にする必要がある。
加えて、召喚後は同じ召喚獣を二十四時間再召喚出来ない。
ゆえにタンクである盾蟹はもう召喚できない。
(《混沌山羊》を使うには心許ない。他の召喚も……出せて三体。通常使用や、あちらに使う必要もある)
ゾディアックの中には、スプレンディダの再封印のために使用しているモノもある。
不可思議なことに、この状況でもスプレンディダはまだ死んでいない。
荷電粒子砲で封印していたゾディアックごと消し飛んだ後、僅かに浴びた光で再生を始めていた。
それも今は新たなゾディアックで抑え込んでいるが、やはり絶命しない。
(【死兵】の《ラスト・コマンド》にしては、長い。どこかで一度蘇生している? 光源を封じてもなお、蘇る? そもそも全身が消し飛んでるのにどこから……)
「ッ……」
スプレンディダへの考察を重ねようにも、眼下では【黄水晶】の対空砲撃が始まろうとしている。
即時対応を求められているエフは……。
「《天に描く物語――獅子》」
三体目の必殺召喚を実行する。
九つのゾディアックが獅子座を描き、それは肉体を持つモンスターとして顕現する。
それは象ほどの巨体と硬質な皮膚、屈強な四肢を持つ雄獅子。
『GLUUOOOOOOWW!』
獅子は肉食獣の容姿に相応しい挙動で駆け、【黄水晶】へと肉薄する。
そして両前足――光刃爪をバリアへと叩きつける。
【剣聖】の《レーザーブレード》に等しい斬撃が、両前足の爪の数で振るわれていく。
それでも【黄水晶】のバリアは揺るがないが、砲身へのエネルギー供給を一時停止してバリアへと回す。
(……獅子は純粋戦闘型。盾蟹同様に長時間使用も可能だが、やはり戦力不足)
獅子は上位純竜相当の戦力。
だが、攻防共に隙のない【黄水晶】相手ではどこまで持ちこたえられるか。
時間稼ぎと攪乱にしかならないとは、エフも理解していた。
それでも、今は時間こそがエフの味方と言える。
『近接格闘戦、実行』
【黄水晶】はその言葉と共に、バリアを展開したまま両の鋏を開く。
開いた鋏の両側から荷電粒子の刃が伸び、自身に迫る無謀な獅子を切り刻まんと振るい始める。
獅子は機敏な動きで刃を回避し、カウンターで爪を叩きつけ、しかしバリアに弾かれる。
(防御にのみ集中していたときよりバリアは薄いが、それでも破れない)
(また召喚。何体出せるのかなー。最大攻撃力はどのくらいかなー)
(王国側の人数はかなり減った。今もMPを吸収されているが、さて<エンブリオ>を消したままでいつまでこの戦い方を続けられるものか)
(相手は魔法系の超級職。ダジボーグのスイッチを入れると、こっちだけじゃなくてあっちの限界も遠のくかな。相手、スプレンディダと同じで光が利するタイプっぽいし)
一進一退の中で、お互いに相手の手の内と限界を探る。
(どういう道筋を辿ろうと――)
(――わたしが先に詰める)
二人の準<超級>は、チキンレースの消耗戦と手札の知れぬ頭脳戦を始めた。
◇◆
寝返り組。
かつてのギデオンで起きたフランクリンのテロにおいて、王国所属でありながらフランクリンに与した者達だ。
皇国への好条件移籍という報酬。
寝返り組の内、ライザックという<マスター>を含めた一団が受けたクエスト内容は、『結界で封鎖された中央大闘技場を取り囲み、封鎖を抜けたルーキーを迎撃する』というもの。
戦力差は圧倒的であり、負けるはずはなかった。
しかし彼らはルーキーに敗れ、クエストは失敗。
さらに他のグループやフランクリン自身の敗北、作戦そのものの失敗が重なり、彼らの目論見はご破算になった。
その後、寝返り組の去就は様々だ。
指名手配は一部を除いて発生しなかったため、“監獄”に入った者以外はその後も<マスター>として活動を続けられた。
特権なしで皇国に渡った者もいれば、第三国に向かった者や王国に残り続けた者もいる。
中央大闘技場で戦った者達の中心格、ライザックと二人の仲間は王国に残っていた。
しかし彼らの行いを知る者が多いギデオンを離れ、遠方の街でクエストを受けていた。
そんな彼らを、スプレンディダが改めて雇った。
正確にはフランクリンから上がってきたかつての事件のレポートを皇王が確認し、戦術としてスプレンディダとジュバのコンビの策に加えた形だ。
前回のことがあったので怪しんでいた彼らだが、今回の戦いが<超級>と準<超級>を味方とした上での補助的な役割であること。
何より前払いによる多額の報酬と戦争後の様々な特権を提示され、今度も話に乗った。
あるいは、彼らの中で多少なりとも燻り続けた悔しさが、その選択肢を選ばせたのかもしれない。
そして今、彼らはかつて振るえなかった力で、再度王国と戦っていた。
「《枢崩斬硬剣》」
必殺スキルを発動させたライザックの刃は、盾ごと頑強な【撃鉄鎧】の左手首を落とした。
今度はモンスターの擬態でなく装備であるときちんと確認するライザック。
兜越しに、バルバロイの驚愕したような視線がライザックの視線と重なる。
そのことにライザックが僅かな優越を覚えた直後、ライザックは荷電粒子砲の波に呑まれた。
装備も生命も諸共に蒸発せしめる超高熱の奔流。
(……フフ、俺達にこれは通じん)
だが、ライザックはおろか装備にも一切のダメージはない。
無論、【黄水晶】にフレンドリーファイアを防ぐ仕組みがあった訳ではない。
これは、もっと別の理だ。
(この照射が終わった瞬間、今度は首を断ち切ってやる! 盾が一枚欠けた防御で荷電粒子砲を生き延びればの話だがな!)
そう思考する間に折り返しの照射が完了し……。
『――《ストロングホールド・プレッシャー》』
――バルバロイの右手の盾がライザックを打ち据えた。
直撃すれば絶命必至の荷電粒子砲。
しかしバルバロイは自身の防御と盾蟹の犠牲により軽傷で凌ぎ、素早くカウンター体勢に移行していたのだ。
「げ、ぐぁ……!?」
盾は《瞬間装備》によって融解したものから【防壁相砕】に切り換えられている。
特典武具による防御減算も含めての、強撃。
一撃でライザックのHPが大きく削れ、更なる追撃を仕掛けんと二撃目が迫る。
「ヒャッハアアアア! 《クリムゾン・スフィア》ッ!」
だが、それを阻むように巨大な火球がバルバロイ――そしてライザックに迫る。
(仲間ごと? だが、威力が大きい……!)
『ッ! 《ファイア・レジスト》、《アストロガードォ》!!』
咄嗟に炎熱への耐性と防御強化のスキルを用いて、バルバロイは爆裂に備える。
直後、後方から飛来した火球はライザックごとバルバロイを爆炎に包み込んだ。
この空間において荷電粒子砲に準ずる高熱が、バルバロイを炙る。
(レジストの効きが悪い……! 何かの干渉か!)
火球そのものの直撃ではないが、【撃鉄鎧】の表面が融解するほどの高熱。
それも、彼女の経験則からして耐性スキルの効力が落ちていた。
対して、炎の直撃を受けたライザックはバルバロイの打撃によるダメージこそあれど……炎によるダメージは無傷。
「ヒャッハー! 動かない汚物はつるべ打ちだぁ!!」
後方からモヒカンの寝返り組――【紅蓮術師】モヒカンレッドが下級の火属性魔法を連続で撃ち放つ。
それらの魔法の基礎威力もバルバロイが知る物より格段に上昇しており、命中ごとに僅かだがHPを削られるほどのダメージが入る。
そしてやはり、ライザックに影響はない。
(……フレンドリーファイアを気にしてない? こいつの<エンブリオ>……さてはアット・ウィキと同じパーティ対象の付与型か!)
バルバロイの推測は正しい。
【火天生存 フォシュ】。
モヒカンレッドの<エンブリオ>であり、TYPE:アドバンス。
モヒカンレッドとそのパーティメンバーに、炎熱への耐性を授ける。
パッシブでも相当のダメージ軽減作用があるが、MPを継続消費する必殺スキル……《炎獄こそ我が棲家》の発動中は炎熱ダメージや炎の悪影響を完全に無効化する。それこそ、酸欠にすらならない。
それが荷電粒子砲の火中で寝返り組の三人が落ちなかった理由であり、フレンドリーファイアの危険を考慮することなくライザックごと敵を火属性魔法で爆撃できる根拠。
フォシュがあるからこそ……荷電粒子砲の乱舞する戦場で無傷でいられる彼らだからこそ、サクラに選ばれたとも言える。
「《フォースヒール》!」
モヒカンレッドの魔法で防御態勢のバルバロイがジリジリと削られる中、ライザックに回復魔法が当てられる。
それを為したのは、モヒカンレッドと並んでいる女性の寝返り組――【司教】みゃんな。
彼女の回復魔法の効き目は強く、重傷を負ったはずのライザックは無傷になり、炎の中で立ちあがってくる。
【神秘占有 ゴールデン・ドーン】。
みゃんなの<エンブリオ>であり、TYPE:ワールド。
能力特性は、自身と周囲のパーティメンバー限定の魔法スキル優遇。
必殺スキルである《同胞よ、神秘よ、暁よ》発動中は範囲内でのパーティ以外の魔法スキルの効力を半減し、パーティの魔法スキルの効力を倍化する。
先のギデオンの事件の頃は必殺スキルこそなかったが、ダウンサイジング版スキルは有していた。
だが、周囲にパーティ以外の味方も多い状況……ましてルーキーよりも格上の面々が揃った状況では使う意味がないと考え、使用していなかった。
そうする間に、ルークに捕らえられてライザックの隙を作るために利用されたのである。
だが、今は三人で連携を取り、各々の力を十全に発揮している。
<マスター>とは、それぞれがオンリーワンの要素を持つ者。
千差万別の超常能力、それこそが<エンブリオ>。
ゆえにそれらを複数組み合わせ、自分達なりの戦い方を知っているパーティならば……カジュアル層であっても一角の戦力足りえる。
物理防御を無為とするライザックが突撃。
みゃんなが魔法バフとデバフを担当しながらライザックを回復。
そして誤爆を恐れる必要のないモヒカンレッドが強化された魔法で火力支援を行う。
前衛・支援・後衛がバランスよく嚙み合ったパーティであり、だからこそあの事件の前も後も彼らは組んでいる。
「一気に畳みかけるぞ!」
「ええ! 報酬はいただきよ!」
「ヒャッハー! 汚物とルーキーは蒸発だぁ!」
三位一体のパーティ。
対し、護衛対象のいるバルバロイ。
状況は極めて不利と言えた。
だが……。
『――甘く見られたもんだな』
――“蹂躙天蓋”と呼ばれたPKは、その状況を恐れなかった。
To be continued
○今回の没台詞
(σロ-ロ)<「…………三人いれば勝てると思ったのか?」
(σ■-■)<寄○獣じゃないですか