第十五話 負けてもいい戦いと選択
□■【遊迷夢実 ドリームランド】内部
レイとカーディナルAの戦闘が開始して、どれほどの時が経っただろうか。
《悪夢の王国》の効果時間である三〇分より短いのは確実だが、しかし決して短くもないだろう。
それだけの時間を、レイはよく耐えた。
ステータスで言えば遥か格上。かつて相対した伝説級悪魔の【ギーガナイト】を上回る強敵を相手に、特典武具一つと鎧を欠いた状態での戦闘。
さらに【呪術師】にジョブチェンジしたことで回復魔法を除く【聖騎士】のスキルは使用不能。
そんな状態で、レイは立ち回った。
彼の重ねてきた格上との実戦経験が、それを実現させていた。
だが、それももう限界だった。
「はぁ……はぁ……」
夢の中だというのに、レイは荒く息を吐いている。
それほどに消耗は激しく、さらには《カウンター・アブソープション》のストックも既に切らした。
回復アイテムも持ち込めないために回復魔法を唱えていたが、それももうできない。
【紫怨走甲】が使えないために、決して多くはない彼のMPは枯渇寸前だ。
今は最も小型で取り回しやすい第四形態の双剣に切り替えて、回避に集中している。
だが、回避行動の連続は体力の消耗が激しく、息を切らしかけている。
それほどにしても、全身は傷だらけで……血塗れだった。
『Gi……』
対して、神話級金属で構成されたカーディナルAは欠片も疲れていない。
《シャイニング・ディスペアー》で左腕の一部を抉られたこと以外は、微塵もパフォーマンスを落としていない。
レイが回避しながら放った反撃は、金属表面に多少のひっかき傷を作るのが精々だった。
あちらの一撃が直撃すれば死ぬという状況で、致命傷ではない程度に傷を負いながら、刃の恐怖と向き合い続けて……与えた傷はそれだけなのだ。
彼我の差は歴然。
格上を相手に耐える戦闘も、ここが限界である。
普段のレイとネメシスであれば、追いつめられた状態からの逆転を期待もできただろう。
だが、それは無理だ。
このドリームランドの特性ゆえに、《復讐するは我にあり》をはじめとするネメシスの反撃スキルはカーディナルAに効果を発揮できない。
カーディナルAを倒す逆転の手札そのものが、欠けている。
勝利のヴィジョンはなく、一つの失敗で敗北が訪れる。
あまりにも、心を消耗させる戦いだった。
『…………』
加えてネメシスが気づき、口に出さずにいる懸念もある。
それは彼女を握るレイの動きだ。
彼は格上のカーディナルAを相手によく耐えている。
絶望的な戦力差に心を折らず、心臓が痛むほどのギリギリを潜り抜けて、抗っている。
今の自分の一〇〇%の力で耐えている。
だが……彼女は気づいている。
それは一〇〇%であって、それ以上ではないのだと。
レイがこれまでの数多の強敵と戦ったときは、一〇〇%の限界を超えて力を発揮していた。
今回もそうであれば被弾は今の惨状よりも少なく、与える傷も増えていたかもしれない。
だが、今回はそうではない。
そうなってしまっている理由は、相手のカーディナルAにはない。
夢の中ゆえに五感が僅かに違うことも理由の一つだろうが、決定打ではない。
ネメシスは、その理由に気づいた。
なぜなら今日は既に二戦……同様の戦いを行っていたから。
あの、“トーナメント”で。
その理由とは……。
(……これは、取り返しのつかない戦いではない)
あの“トーナメント”の敗北が、敗退することでしかなかったように。
この戦いは……負けても問題がない。
レイを含めた<マスター>がデスペナルティになるだけだ。
これまでにレイが繰り広げた戦い……あの【デミドラグワーム】から始まった数多の死闘のように、ティアンの命という戻らないものが掛かった『悲劇』ではないのだ。
だからこそ、レイは真の力を発揮できない。
レイ自身は一〇〇%の実力を発揮しているつもりであり、実際にそれはなされている。
だが、今の彼は……限界を超えていない。超えられない。
(…………そうか)
ネメシスは今までを振り返る。
彼の重ねてきた敗北の多くは、今のように『悲劇』ではない状況だった。
マリーとの戦いも、数々の模擬戦も、月夜との初遭遇も、……“トーナメント”も、だ。
『負けてもいい戦い』で、負けてきたのだ。
(……仕方がないのかもしれぬ、な)
彼の本質は、『守るために自らが傷つく』こと。
誰かを守るために自らが傷つき、限界を超えてきた。
だが、それは彼の心を痛ませ、身を傷つけて行うもの。
レイを思うネメシスからすれば、決して……良いことではない。
それでも、その無理こそがレイの意思であり、取り返しのつかない『悲劇』が起こってしまえばそれ以上に彼が傷つくと知っている。
だからこそ、『悲劇』を前にすればネメシスもレイを支え、共に戦うことだけを選ぶ。
しかしそれゆえに……今のネメシスは思ってしまう。
(『負けてもいい戦い』でまで……戦い続ける必要があるのだろうか)
直撃すれば終わりという状況で、傷もろくに与えられない状況で、いつまで続くともしれぬ状況で、……心身を消耗してまで戦い続ける意味があるのか。
あるいは、もしかしたら、『負けた方が良い結果になるのではないか』と……そんな『ありえない』予感さえもネメシスは抱き始めてしまう。
そして……。
「ねえ……」
決して、今のネメシスの心の声を察したわけではないのだろうが。
「――あなた、負けた方がいいんじゃない?」
そんな声が、レイの背にかけられた。
◇◆
時間は、僅かに遡る。
レイとカーディナルAの戦いをガーベラは見ていた。
左腕を抉った初手を除けば、あまりにも一方的な戦い。
勝機も何もない。負けるまですり減るだけの戦いであるのは彼女の目にも明らかだった。
(……どうしよう。負けると、今度は私なのよねー……)
ガーベラにはレイ以上に打つ手がない。この空間で使える武器は持ち合わせていないし、アルハザードもいない。
逃げることしかできないが、逃げ続けることはできないだろうと彼女も察している。
(あの上から降ってきたの、多分移動スキルよねー……。この空間自体が<エンブリオ>なら、その中の物を動かすスキルくらい持ってそうだし。それこそ、夢の中って『どこにでも行ける』ものじゃない?)
ガーベラの懸念は正しく、ドリームランドには夢の中での配置を操作するスキルも備わっている。
だからこそ、彼女は今の時点では逃げ出さない。
逃げ出してレイから大きく距離を取った時点で『より与しやすい獲物』としてガーベラをターゲッティングし、目の前にカーディナルAを配置移動してくる危険があったからだ。
(あーもー……。あいつはかなり粘ってくれてるけど、もういつ負けてもおかしくないし……。あいつは負けても問題ないけど、私は負けたら“監獄”逆戻りだし……。もうどうしたら……)
ガーベラが頭を抱えていると、
『ガーベラさん』
「ほぇ!?」
不意に耳元で声を掛けられ、奇声をあげてガーベラは飛びあがった。
声のした方向に勢いよく振り向けば……羽の生えたスライムがパタパタと浮いていた。
「…………オーナー?」
話しかけてきた声と、こんな奇怪なスライムは他にいないという事実でガーベラはすぐに察し、レイ達に気づかれないように小声で確認を取る。
『はい。ようやく見つけられました』
そして確認が取れ、ゼクス(の分体)と合流できたことでガーベラは安堵したように息を吐く。
「た、助かったわー……」
『大変だったようですね』
「本当よもう……。アルハザードいないし、胸は触られるし、装備はないし、いつデスペナになるか分からないし、胸は触られるし、……本当に大変だったんだから」
この夢の中に来てからのことを、ガーベラは捲くし立てる。
ほぼ愚痴だったが……。
『アルハザードがいない? ああ、それはきっと……』
ただ、その愚痴の一つにゼクスは答えを返す。
なぜ、<エンブリオ>など意思のあるものは取り込まれるはずのこのドリームランドに、アルハザードがいないのか。
その理由を、ゼクスはすぐに察したのである。
そしてゼクスから説明を受けて……ガーベラは納得した。
「なるほど、そういうこと……でもやっぱり今はどうしようもないじゃない」
『そうですね。ですが、問題もないでしょう。位置は分かりましたので、この私の本体もそちらに向かっています。そう時間は掛からずに到着しますよ』
その言葉に、ガーベラは今度こそ安堵する。
全身が<超級エンブリオ>であり、様々な<エンブリオ>に変身可能なゼクスなら神話級金属相手でも勝つ手段はいくらでもあるはずだ。
この夢の中にゼクスを入れてしまったことが、【怠惰魔王】の敗因になりえるほどに。
「はやく来てよねー……。あいつがいつまで耐えられるか分からないし……」
ガーベラはカーディナルAと戦うレイを見ながら、そう言った。
『――いえ、むしろ耐えていてもらっては困ります』
だが、ゼクスはそれを否定するようにそう言った。
「……え?」
『神話級金属の【スラル】が相手となると、彼に気づかれないように倒すことは不可能です。彼がシュウからどこまでこの私の情報を聞いているかは分かりませんが、戦闘スタイルから察せられる危険はあります』
既に外部での戦闘において、《ランブリング・ツリーウォーク》を用いる剣の<エンブリオ>を使っている。
カーディナルAとの戦いに勝利するには使えない<エンブリオ>であるし、それ以外の<エンブリオ>を使った時点で、複数の<エンブリオ>を使用可能な特異戦力……【犯罪王】ゼクス・ヴュルフェルであると気づかれてしまう恐れがある。
だからこそ、レイがデスペナする前に見られるわけにはいかない。
「じゃあ、あいつが負けるのを待ってから近づくってこと」
『待つのも問題ですね。向こうの肉体をアプリルがいつまで守れるか分かりません。もしもガーベラさんが殺されれば大きな損失ですし、キャンディさんが殺されれば【契約書】の判定次第ではこの私も死にます』
つまり、ゼクスが駆けつけるよりも前にレイにはデスペナしてもらい、到着次第カーディナルAを撃破するのがベストということだ。
「でも、あいつ結構粘ってるけど……」
圧倒的不利な状況でも、レイは耐えている。
あるいは、まだ何分かは耐えるかもしれない。
ガーベラがそう考えていると……。
『ですので、ガーベラさんに背中を刺してもらいます』
ゼクスは事もなげに、そう言った。
「……いやいや、無理よ? ボウガンどころかナイフもないし」
『刺すのは武器ではなく、言葉です』
そう言って、ゼクスはガーベラにとあることを耳打ちした。
それを聞いてガーベラも『たしかにそれもそうね』と納得して……レイに声をかけた。
「ねえ……。あなた、負けた方がいいんじゃない?」、と。
◇
「…………」
ガーベラに掛けられた言葉に、レイは振り向かなかった。
振り向く余裕はない。
今もカーディナルAの繰り出す致命の斬撃を、回避するのに全身全霊を尽くしていた。
『な、何を言っておるのだ……!』
だからこそ、ネメシスが代わりに応える。
声音に混ざる動揺はガーベラの言葉の内容だけでなく、それが自身の考えていたことと一致するものでもあったからだろう。
「だって、長引くだけあなた達にとってはマズい状況じゃない。ほら、外にはあなたの装備もあるし、あの馬もいるんでしょ……? だったら……、耐えれば耐えただけ外の装備や馬が壊されるリスクが増すじゃない」
『それは……』
ゼクスからの受け売りだが、ガーベラもこれについては正しいと思っている。
外の状況は、夢の内にいる誰にも分からない。
頑強さが神話級金属以上のアプリルはともかく、他がどうなっているかなど分からない。
ここで粘れるだけ粘って結局は敗れ去り、長引いたせいで向こうでは装備や愛馬が壊されている。
そんなどうしようもない結果も、十二分にあり得るのだ。
ここでの戦いは、レイにとって百害あって一利なしだとガーベラは告げる。
ガーベラの言葉に、ネメシスも納得しかけていた。
負けても失うものはない。精々でランダムドロップ程度。装備や馬を失うリスクは、戦い続けるよりもよほど低い。
だが、粘れば粘っただけ、取り返しのつかない損害を被るリスクは増していく。
「だから、早めにデスペナした方が被害は少ないはずよ……」
ガーベラの言葉には、心配の色が少しは含まれていた。
彼女に取っては仇敵の縁者であるし、こちらでのトラブルで精神的にやらかしてくれた相手でもある。
けれど、ゼクスと合流するまで彼女が生きていたのは、磨り減るようなレイの奮戦があったからだ。
だからこそ、デスペナになってほしいという気持ちとは別に、親切心でも忠告していた。
『レイ……』
「…………」
ネメシスも何と言うべきか言葉にできず、ただ彼の名前だけを呼ぶ。
ガーベラの言葉を聞いて、彼女も納得してしまったからだ。
これは、絶対に勝たなければならない戦いではない、負けてもいい戦い。
長引けば、彼女同様にレイの相棒であるシルバーを失うかもしれない。
そして勝利の可能性は限りなく低く、もはやネメシスもレイの力になれない。
だからこそ、ここは『諦める』ことが正解なのではないかと……ネメシスさえも思った。
そんな彼女達の言葉に、レイは……。
「ネメシス」
斬撃を回避しながら、静かに相棒の名を呼んで……。
「――俺達は何のためにここに来た?」
彼女に、一つの問いを投げかけた。
『それは……』
「前に死んだのは、【獣王】のときだ。みんなと力を合わせても、最後の最後で詰め切れなかった。扶桑先輩がいなければ、あそこで何もかも終わっていたかもしれない」
言葉に詰まるネメシスに対し、レイは言葉を続ける。
「あれからもっと強くなろうとして、強くなって……けれど今日、レイレイさんには完敗した。何も出来ないほどに。だから……ここに来た。少しでも強くなるために」
『……そのとおりだ』
ここに……このマップに来たのは、強くなるためだ。
敗北によって自分達の力の不足を感じたからこそ国境に来た。
ゼクス達とZZZの騒動に巻き込まれたのは偶然だが、居合わせて巻き込まれるに至った動機は彼らにあった。
「【魔王】との戦いは偶発的なものかもしれない。何かに巻き込まれただけかもしれない。ここで敗れても、失うものはないかもしれない。あるいは、戦うことでシルバーが傷つき、失うかもしれない」
ガーベラの言葉を、レイも肯定する。
とっくに分かっていたのだ。
言われる前にはもう気づいていた。
今回ばかりは負けた方が得であるなど、重々承知だった。
「それでも……敗北は選ばない」
それでも……戦い続けた。
『レイ……』
「勝ち目が薄い。勝利が見えない。小数点の彼方ですらないかもしれない。それでも、戦う」
それでも、と彼は言い続ける。
「この戦いが絶対に勝たなければならない戦いではないとしても……そんな戦いは必ず来る。遠からず来る。絶対に勝たなければならない戦いは……来るんだ」
<戦争>。
彼がこの<Infinite Dendrogram>に足を踏み入れたその日から巻き込まれ続けた、皇国との最後の戦い。
それが不可避であり、決して遠くないと、彼も既に悟っている。
「だから、敗北は選ばない」
彼は血塗れの顔の両目に強い意志を宿して、言葉を続ける。
「『これは負けてもいい戦いだから』と損益で賢しい敗北を選べば、いつか来る戦いでも……俺は『負けてもいい理由』を探してしまうかもしれない」
心とは、一度折れれば折れ目に沿って二度三度と折れてしまうものだと、知っている。
だからこそ……彼は『自ら折れる』ことだけは選ばない。
彼はこれまで何回も、『負けてもいい戦い』で負けてきた。
だが、ただの一度も――敗北を選んだことはない。
力を尽くして、敗北する結果があっただけだ。
「俺は敗北の瞬間まで……勝利の可能性を掴むことを絶対に諦めない」
そして今も、彼の自由で……最後まで自身の全力で抗うと選択していた。
『レイ……、……!』
そうして、ネメシスも気づく。
レイの言葉の間もカーディナルAは斬撃を放ち続けている。
無機物らしく、レイの言葉に関係なく猛威を振るっている。
それでもレイの言葉は途切れない。
だが、――当たらない。
死線を潜るように、レイの直感がその斬撃を紙一重で、皮一枚で凌いでいる。
(これは……)
ネメシスは、その状態を誰よりも知っている。
レイが繰り広げた数多の死闘と同じ。
致命の死線を潜り抜ける……限界を超えた強さ。
それが今この戦いで――負けてもいいと言われた戦いで発露しかけている。
「そして俺達はただ戦うんじゃない……勝つんだ」
そしてレイの両目に、四肢に、更なる力が宿る。
「今までの俺を……俺達を超えて、勝つ!」
カーディナルAの右腕の刃を回避して、双剣の刃で斬りつける。
それは僅か一筋の傷を付けただけだったが、レイはなおも行動し続ける。
回避し、斬りつけ、回避し、斬りつける。
無駄とも思える小さな傷でも、その結果に絶望はしない。
勝利への一歩を繰り返す。
その終着点が何百万、何千万歩の彼方であろうと、彼は諦めていないのだから。
「相手が【魔王】でも、神話級金属でも関係ない……!」
斬撃を繰り返しながら、レイは吼える。
「俺達は……強くなる‼」
それは彼の心からの咆哮……意思そのものだった。
◇◆
彼の意思を聞いた一人、ガーベラは己の胸を押さえた。
彼の言葉に、かつて最強でありたかったガーベラも思うところがあったから。
最強でありたかったが現実を知って心折れ、妥協して最弱であると卑下して、それ以上傷つかないようにしたのが彼女だったから。
ずっと気分を沈ませていたのは、かつてのように浮かれていれば落ちたときにより痛いから。
けれど、そんなガーベラでも……レイの言葉に何も思わない訳にはいかなかった。
◆
彼の意思を聞いた一人、ゼクスは笑っていた。
分体を通して見聞きしたことに、首だけの本体が微笑とは違う笑みを浮かべていた。
親友であるシュウと同様に、弟のレイもまた自分を貫く人物だったから。
ゼクスの入れ知恵に折れていれば、何も思うことはなかっただろう。
けれど折れなかったからこそ……ゼクスはレイにも興味を抱いた。
◇
彼の意思を聞いた一人、ネメシスは泣いて、笑っていた。
ああ、自分は酷い思い違いをしたものだと、武器の姿では見えぬ心で泣き笑い。
言われるまでもなく、まず自分自身が理解すべきだったと反省する。
反省して、気を取り直して、心の中で立ち上がる。
もはや迷いはなく、後ろを向く暇もない。
レイの望みも、意思も、再確認した。
であればやることは一つだ。
――――俺達は強くなる。
ああ、そうだ。『俺達』なのだ。
レイが自らは自覚していなかった限界を超えて勝とうと言うのなら、ネメシスもまた強くならねばならない。
ゆえにネメシスは求める。
力を、更なる進化を、新たなる自分を。
そして、彼女の奥底に蓄積されていた経験値とリソース、<マスター>と彼女の意思が、メイデンとアポストルに残された特殊進化システム――■■Lを起動させようとしたとき――。
◇◆
『――――汝、力を求めるか?』
――――彼の意思を聞いた一本の斧は、問いかけた。
To be continued
(=ↀωↀ=)<ごふっ……
(=ↀωↀ=)<なんとか著者校正は済んで、今日の更新分も書いたけれど……
(=ↀωↀ=)<他の仕事がまだあるので……すみませんがたぶん次回もお休みです……




